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円安や物価上昇でスマホの出荷は減少、MM総研による調査の結果は?

 MM総研は、2022年度上期における国内携帯電話端末の出荷台数調査を行った。調査期間は2022年4月~9月まで。従来型携帯電話(フィーチャーフォン)とスマートフォンを合わせた総出荷台数は、円安や物価上昇などの影響を受け、減少傾向にあるという。

総出荷台数は減少、フィーチャーフォンは過去最低に

左:22年度上期の国内携帯電話総出荷台数
右:22年度通期スマートフォン出荷予測

 2022年度上期の総出荷台数は、前年度上期を下回り1475.3万台となった。2000年度以降の上期出荷統計としては、3番目に少ない台数となった。

 内訳は、スマートフォンが1395.1万台、フィーチャーフォンは80.2万台となった。5Gスマートフォンは1346.3万台であった。フィーチャーフォンは、auの3Gサービスが2022年3月末に終了したことを受け、過去最低を更新した。

 予測では、2022年度通期の総出荷台数は3041万台で、そのうちスマートフォン出荷台数は2888万台となる見込み。5Gスマートフォンの出荷台数は、2022年度通期で2808万台、スマートフォン出荷に占める比率は97.2%と予測される。

アップルが11期連続首位、シャープが続く

総出荷台数のシェア

 2022年度上期のメーカー別総出荷台数シェア1位はアップル(Apple)で、11期連続で1位を獲得した。総出荷台数は606.6万台でシェア41.1%となった。

 上期出荷台数が減少した要因は2021年度のiPhone値引き販売の反動であり、値上げの影響は小さいと分析されるという。

 2位はシャープで190.7万台、シェア12.9%となった。3位はFCNTの179.9万台でシェア12.2%、4位はソニーの156.1万台でシェア10.6%、5位はサムスン電子の123.1万台でシェア8.3%、6位は京セラの73.2万台でシェア5.0%となった。

 上位6メーカーで約90%を占める結果となった。2021年度上期と比較すると、FCNTが6位から3位に順位を上げた。

スマホ出荷台数のシェア

 スマートフォン出荷台数2位はシャープの172.4万台、シェア12.4%となった。3位はソニーの156.1万台でシェア11.2%、4位はFCNTの143.3万台でシェア10.3%、5位はサムスン電子の123.1万台でシェア8.8%となった。

 上位5メーカーで約86%を占める結果となった。2021年度上期と比較すると、2位のソニーと3位のシャープが逆転、FCNTが6位から4位に順位を上げた。

オープン市場でもアップルが1位、シャオミが続く

左:2022年度上期携帯キャリア別スマートフォン出荷台数シェア
右:2022年度上期オープン市場スマートフォン出荷台数シェア

 スマートフォン出荷台数・シェアを見ると、NTTドコモが580.4万台、KDDIが319.7万台、ソフトバンクが323.3万台、楽天モバイルが53.6万台となった。

 また、MM総研が定義するオープン市場(MVNOや家電量販店などで販売されるSIMフリースマートフォン)に限定したスマートフォン出荷台数シェアでは、アップルが68.5万台で1位となった。

 2位はシャオミで17万台、3位はオウガ(・ジャパン)とシャープが同率で9.9万台、5位はモトローラで5.7万台となった。上位5メーカーで94%を占める。

2022年度通期の総出荷台数は2000年度以降で過去最少の見通し

 2022年度通期の総出荷台数は3041万台と、2000年度以降の通期出荷台数としては過去最少になると予測された。

 以降は、2023年度が2940万台、2024年度が2927万台、2025年度が3074万台、2026年度が2955万台と、V字回復は見込めないという。

 また、2022年度通期のスマートフォン出荷台数は2888万台と予測された。2022年5月時点の予測(3247万台)から下方修正となった要因として、円安や物価上昇の影響で携帯電話サービスへの支出が減るといった予測などが紹介されている。

 以降も、2023年度が2799万台、2024年度が2802万台、2025年度が2924万台、2026年度が2870万台と、3000万台を下回る見通し。

 そのうち、5Gスマートフォンの出荷台数は、2022年度通期で2808万台と予測される。2024年度以降は、5G対応比率が100%になるという。

物価上昇などによる変化は

 MM総研は、「円安や物価上昇の影響はiPhoneの値上げや販売状況といった結果に出始めているが、通信費を見直す世帯は今後ますます増加する」としている。

 MM総研は今後起こる変化として、「値下げした旧モデルの人気上昇」や「Androidスマートフォンへの乗り換え」、「中古iPhoneの選択」などを挙げている。また、買い替えサイクルの長期化により、補償・修理・保険サービスの需要拡大も予想されている。