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スマホ出荷台数は3年ぶりに3000万台を下回る、MM総研調査

 MM総研は、2022年4月~2023年3月の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表した。総出荷台数はスマートフォンとフィーチャーフォンの合計を合わせたもの。

スマホ出荷台数は3年ぶりに3000万台を下回る

 2022年度総出荷台数は、3193.3万台(前年度比12.8%減)で、スマートフォンが2985.1万台(11.8%減)、フィーチャーフォンは208.2万台(25.1%減)とそれぞれ減少した。スマートフォン出荷比率は93.5%で過去最高、総出荷台数は2000年度以降の出荷統計において2019年(3125.4万台)に次いで2番目に少ない台数となった。

2022年度通期国内携帯電話総出荷台数

 スマートフォン出荷台数は物価高騰や端末値上げの影響により買い替え需要が減少、3年ぶりに3000万台を下回った。5G対応スマートフォンは2902.9万台でスマートフォン全体の97.2%に拡大した。

2022年度通期5Gスマートフォンの出荷台数

アップルが12年連続で1位を獲得

 2022年度のメーカー別シェア1位はアップル(総出荷台数1503.8万台、シェア47.1%)で12年連続1位となり、2位シャープ(384.8万台、シェア12.1%)、3位FCNT(316.1万台、シェア9.9%)、4位ソニー(246.1万台、シェア7.7%)、5位サムスン電子(243.5万台、シェア7.6%)、6位京セラ(151.5万台、シェア4.7%)となった。

2022年度通期メーカー別総出荷台数シェア

 また、スマートフォンのみの出荷台数ではアップルはシェア50.4%となり、2016年以来6年ぶりに過半数を占め、2位シャープ(321.3万台、シェア10.8%)、3位ソニー(246.1万台、シェア8.2%)、4位サムスン電子(243.5万台、シェア8.2%)、5位FCNT(240万台、8.0%)、6位グーグル(137.4万台、シェア4.6%)と続く。

2022年度通期メーカー別スマートフォン出荷台数シェア

オープン市場では237.4万台

 MM総研は、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルとは区別する形で、MVNOや家電量販店などで販売されているSIMフリースマートフォンをオープン市場と定義、2022年度のオープン市場でのスマートフォン出荷台数は237.4万台で全体の8%を占めた。

2022年度通期キャリア別スマートフォン出荷台数シェア

 オープン市場に限定した出荷台数シェアでは1位アップル(137.2万台、シェア57.8%)、2位シャープ(19.3万台、シェア8.1%)、3位シャオミ(18.6万台、シェア7.8%)、4位オウガ(18.2万台、7.7%)、5位モトローラ(16.5万台、7.0%)と続いた。

2022年度通期オープン市場スマートフォン出荷台数シェア

2023年度の5Gスマートフォン比率は99.5%、来期には100%か

 MM総研は、今後の総出荷台数を2023年度3113万台、2024年度3070万台、2025年度3128万台、2026年度2982万台、2027年度2952万台で推移すると予測する。2026年3月のドコモ3G停波によって2025年度は一時的に需要回復が見込めるものの、2026年以降は3000万台を切る見通しとしている。また、4Gスマートフォンは現在オープン市場で一部端末が継続出荷されているものの、MNOでは既にすべての端末が5Gスマートフォンに置き換わっており、2024年度には5G対応が100%になる見通しだという。

国内携帯電話端末の出荷台数予測

端末値引き上限金額の変更次第では上方修正も期待できる

 MM総研は、2022年度は円安や製造原価高騰による値上げに加え、高額端末の過度な割引が影をひそめたこともスマートフォンの1割以上出荷減につながったとする。また、2023年度、2024度は下降トレンドだが、総務省による端末値引き上限の見直しによっては出荷台数が上振れる可能性もあるとした。