NEC、宇宙空間で通信速度10Gbpsの光通信機――2023年度に動作確認へ

　NECは、宇宙空間で使用する光通信システムとして、10Gbpsで動作する光通信機向けの技術開発を行い、その成果を反映したプロトタイプを製造したと発表した。開発品は2023年度打ち上げ予定の技術試験衛星9号機（ETS-9）に搭載され、宇宙環境での動作確認が実施される予定。

開発された10Gbps光通信機

　本研究開発は、情報通信研究機構（NICT）の高度通信・放送研究開発委託研究「衛星搭載光通信用デバイスの国産化及び信頼性確保に関する研究開発（採択番号18601）」において実施された。

　今回開発された10Gbps光通信機では、2020年にJAXA（宇宙航空研究開発機構）が打ち上げた光衛星間通信システム「LUCAS」と同様、地上用の高速な光通信システムで普及している1.55μm帯が使用されている。

　また、最適な誤り訂正符号化技術の採用などにより、受信感度の改善が図られた。静止軌道衛星と地上間、静止軌道衛星と低軌道衛星間に相当する約4万kmの長距離システムへの適用が期待される。

　同社は今後も宇宙における光通信システムの普及に貢献していくとしている。