ニュース

富士経済、リチウムイオン二次電池材料の世界市場を調査――25年に12兆円を超えると予測

 富士経済は、リチウムイオン二次電池材料の世界市場を調査し、その結果を公開した。リチウムイオン二次電池材料の世界市場は、2025年に12兆円を超えると予測している。

 今回の調査では、リチウムイオン二次電池材料12品目に加え、アルカリ二次電池材料4品目、一次電池材料4品目、金属資源・出発原料3品目の計23品目の市場を調査。2022年は、23品目合計で8兆9094億円となり、2020年と比べて3倍の成長となることが見込まれている。

 背景には、環境規制に対応する電気自動車や、再生可能エネルギー利用促進に向けた電池需要の増加があり、2024年には10兆円を突破、2025年には12兆2312億円になると予想している。

 素材別で見てみると、市場の半数以上を占める正極活物質は、2022年予測で5兆8353億円(20年比で3.7倍)。コバルトやニッケル、リチウムなどの鉱山資源の調達は、現在自動車メーカーによる調達も進められているという。

 また、欧州などでの電気自動車生産の拡大に伴い、これまでアジアが中心だったリチウムイオン二次電池の生産拠点を、欧州に設置する動きが出ていると指摘。今後欧州での「電池/電池材料の地産地消」が進んでいくと、同社は分析している。

 なお、リチウムイオン電池を含む、電池素材の世界市場をみると、2022年は9兆3418億円(20年比2.9倍)と予測している。ハイブリッド車向けのニッケル水素電池も堅調な伸びを見せており、2025年には12兆7300億円(20年比3.9倍)となるのではと予測している。