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セルラーLPWAの需要が拡大、富士経済調査
2018年7月18日 19:16
富士経済は、IoTを支えるエッジデバイスの国内市場を調査し、発表した。調査方法は、調査員による参入企業及び関連企業・団体などへのヒアリング及び関連文献調査、社内データベースを併用している。期間は2018年1月~6月。
調査においての「エッジデバイス」は、センサーで検知した情報を無線通信を用いて伝送し、情報をネットワーク上に集約するシステムを構成する情報収集デバイスとしている。調査では、デバイスを構成するコンポーネントを「通信」、「センサー」、「電源」、「その他」に分類している。
エッジデバイスの国内市場
エッジデバイス市場は少量多品種の市場であり、2018年には一部のデバイスで量産化の体制を整える動きが見られる。業務産業分野を中心に市場が拡大していくが、デバイス単体では利幅が少なく、メーカーは高付加価値なソリューションビジネスへの進出を図る。また、市場規模拡大のため、個人分野への進出を見据えていると分析している。
「通信デバイス」は、Wi-FiやBluetoothといった汎用規格ではなく、新規の通信規格に対応することが多く、単価が高くなる。今後の対応機器の普及により価格低下が期待されており、2030年には市場規模が2017年比2.2倍の127億円になると予測する。「センサーデバイス」では、小型化、高精度、低消費電力化が進んでおり、市場が拡大している。今後は価格の低下に伴い、金額ベースの伸びは鈍化する。「電源デバイス」の割合は大きく、218億円が見込まれている。電源デバイスはほかのデバイスに比べて単価が高いことから市場が拡大するとみられている。
セルラーLPWAの国内市場
セルラーLPWAは、通信キャリアが提供をするIoT向けに開発された通信規格で、低容量、低消費電力、長距離を実現する。低消費電力のNB-IoTと、通信速度が速いLTE-Mを対象に調査をした。
2018年はKDDIやソフトバンクなどの通信キャリアがサービスを開始し、Sigfoxといった競合サービスと同様に低料金で利用できるため、市場は拡大していくと推測している。既存の通信網を利用することから、広いエリアで利用する場合やトラッキングなど移動体のソリューションの需要が高いと分析する。
調査ではほかにも「加速度センサー」「エネルギーハーベスティングデバイス(EHD)」の市場についてまとめられている。