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バルミューダの第1四半期決算、寺尾社長は「テクノロジー関連への挑戦も引き続きフルパワーで」

 バルミューダは13日、第20期(2022年12月期)第1四半期の決算を発表した。同日の説明会には、同社代表取締役社長の寺尾玄氏が登壇した。

寺尾氏(2021年11月の発表会で)

全体

 売上高は、国内を中心に堅調な推移を見せた。日本や韓国で発売した新製品を中心として、キッチン関連製品が売上をけん引する結果になった。

 しかし、「円安やサプライチェーンの混乱などを受け、製品原価率は上昇した」(寺尾氏)。

 売上高は、対前年比で10.5%アップの40億9200万円。一方、営業利益は62.0%ダウンの1億7200万円となった。

 営業利益が下がった原因について、寺尾氏は「原価が原因」とコメント。前年が57.7%だった売上原価率が、今期は63.5%となった。販管費率も前年比で上がり、結果として営業利益率が12.3%→4.2%とダウンしている。

 原価については、「引き続き良くない状況が続いている」と寺尾氏。同氏は続けて、「部品の調達難もあるが、設計変更の実施などにより、なんとか商品の出荷を止めずに済んでいる」と語った。

 また、販管費がアップした原因は、「主に人件費の増加」とした。

製品カテゴリー別

 製品カテゴリー別の売上について、本稿では携帯電話端末のみを取り上げる。

 バルミューダは、2021年11月にAndroidスマートフォン「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」を発表。今期、売上は1億7700万円を記録した。

 販管費に関しては、人件費が前年比で約1億円増加。寺尾氏はこれについて、「継続した成長のための投資と我々は考えていて、非常に健全だと思っている」とコメントした。

 人件費の内訳として、主に増えているのはエンジニアだという。

 新ブランド「BALMUDA Technologies(バルミューダ テクノロジーズ)」では、第1弾となった「BALMUDA Phone」以降の商品リリースも計画されている。寺尾氏は「エンジニアの増員は、そのために必要な投資」と語った。

今後について

 今後について、寺尾氏はまず「粗利率の改善が重要」とコメント。4月に家電製品の一部を値上げしたバルミューダだが、3月の駆け込み需要はそれほど多くなかったという。寺尾氏は、「原価低減のためにいろいろな活動をしていく」と語った。

 同氏は、「Technologiesカテゴリーへの挑戦」として、「BALMUDA Phone」にも言及した。

 「BALMUDA Phoneについては、発売からこれまで何度もアップデートを重ねてきた。改善点は数百点ある。近いうちにソフトウェアアップデートも準備しており、体験品質が上がっていくと思う」と寺尾氏。

 そのうえで、「発売してからのアップデートでさらに体験品質を上げられるというのは、我々が扱ってきた生活家電では考えられなかったこと。これからも継続して、テクノロジー関連への挑戦も引き続きフルパワーでやっていきたい」と、今後への意欲を見せた。

決算関連の補足資料

質疑応答(一部、モバイル関連のみ抜粋)

――キッチン関連の家電は値上げしたが、スマートフォンは値下げしている。二極化している印象を受けるが、スマートフォンを値下げした理由を教えてほしい。

寺尾氏
 スマートフォンについて、非常に多くの量を、ソフトバンクさんに売っていただいているというのが現状。ソフトバンクさんの商品なので、その価格については、我々は何か申し上げられる立場にはないと考えている。

 彼ら(ソフトバンク)はさまざまなキャンペーンをしてくださっていて、「BALMUDA Phone」を手に取る人々が増えるのは良いことだと認識している。

 SIMフリーモデルについても、3月から値下げをさせていただいた。こちらは「大口顧客であるキャリアさんの動きと、我々もある程度歩調を合わせなければならない」ということもあり、値下げを実施した次第。

――スマートフォンの販売状況について、最新の状況は。

寺尾氏
 「BALMUDA Phone」については、ほとんどソフトバンクさんに売らせていただいている。

 彼ら(ソフトバンク)の在庫状況や売上の進捗は、当然ながら向こうの情報。我々も(情報を)つかんでいるが、私から申し上げることはできない。

 私の肌感覚として述べるしかないが、(肌感覚としては)非常に厳しいスタートを切ったというのが昨年11月の段階。

 その後、ソフトバンクさんによる数回の値下げキャンペーンや、我々のSIMフリー機の値下げもあり、ユーザーさんはだいぶ増えてきた。

 「ネバーギブアップ」で、ソフトウェアの改善やアップデートを続けてきたし、専用アクセサリーも継続的に出してきた。近日中に次のアクセサリーをリリースする予定もあり、こうやって「BALMUDA Phone」の体験価値を上げ続けていくことが大事だと思う。

 「これ、使いやすいよ」というユーザーさんの評判も、ほかの家電商品に比べると足りていないと感じているので、メディア戦略なども含めて注力していきたい。

 さらに言えば、「BALMUDA Phone」は「BALMUDA Technologies」というブランドの第1弾商品であり、今後ラインアップが広がったり、次のモデルにモデルチェンジしたりということも考えている。現在、開発も進めている。

――「BALMUDA Phone」でソフトウェアのアップデートなどを実施した場合に、顧客体験が上がったかどうかということは、何らかのかたちでトラッキングできているのか。

寺尾氏
 定期的なアンケートを今後スタートする予定。不定期のユーザー調査は、これまでも何度か実施してきた。

 加えて、売れ行きやTwitterでのつぶやきなど、ほとんど漏らさずチェックしているつもり。

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