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「TONE e22」発売の狙いをトーンモバイル石田代表から聞いた

5G SAやAIによる健康ケア、暗号コインなど5G時代を先取りできる

フリービット代表取締役社長兼トーンモバイル代表の石田 宏樹氏

 ドリーム・トレイン・インターネットとトーンライフスタイルは、トーンモバイルからスマートフォン「TONE e22」を6月1日に発売すると発表した。

 トーンモバイルでは初の5G SA(Stand Alone)対応端末となるほか、社会実験への参加で端末が約1万円引きの2万1780円で購入できるなど、ユニークな特徴を備えた機種となっている。

 5G時代の近い将来に向けて、トーンモバイルはこの先どのようなサービスを提供していくのか、同機種発表会でフリービット代表取締役社長兼トーンモバイル代表の石田 宏樹氏が説明した。

5G時代の分散型プラットフォームの実現に向けて

 石田氏は、まずフリービットの10カ年計画を挙げた。2021年5月~2024年4月は「Pre 5G」と位置づけ、どのような形でユーザーやモノをネットワークにつなげるかを「ジャーニーマップ」として中期経営計画で設定しているという。

 たとえば、ユーザーの端末をネットワークに接続する際、IDとなるSIMカードやeSIMでネットワークに接続する。このSIMは、自動で端末を設定する役割も果たしている。

 端末からネットワークにつながるまでの間でも、5GであればネットワークスライシングやMEC技術の活用、ブロックチェーン技術の活用といったネットワーク技術面と、キャリアグレードファイヤーウォールで安心して接続できる環境を整え、5G時代における生活革命、生産革命に貢献していくことを考えていると説明。

 また、巨大プラットフォームでは、ユーザーのさまざまなデータを収集して、プラットフォーム側でさまざまな形で利用することによってサービスを提供する「ある意味非常に曲がったインターネットの世界を作り出してきた」(石田氏)と指摘。プラットフォーマーに依存する時代から分散したプラットフォームを使い「ちゃんとした形にしていきたい」と石田氏はコメント。同氏は、目指すべき姿である分散するプラットフォームが「Web3(Web3.0)」とする。

 これらの実現に向け、フリービットでは4Gの延長線上ではなく、5Gから逆算してどういうライフスタイルができてくるかを考え、どのような形で分散型環境を支えるかといった事業を進めていくとしている。

 トーンモバイルでは、これらの中期経営計画の達成に向け、これまで「TONE e21/e21 rev.2」の発売やNTTドコモの「エコノミーMVNO」による販路拡大、「TONE for iPhone」販売開始などを実施。

 特に「エコノミーMVNO」では、取扱店が従来の112店舗から2414店舗まで一気に拡大することができ、ユーザーは最寄りの店舗で手続きを行い、送られていた端末にSIMカードを差し込むだけで最適な設定を自動で行い利用できる。ドコモショップでは初期設定サポートを受けられるが、多くのユーザーはSIMカード差し込み時の自動設定で利用できるようになっていると石田氏は説明する。

 また、「エコノミーMVNO」によって、ユーザー層にも変化があるという。これまで強かった小中学生と高齢層に加え、30代40代や高校生ユーザーの利用が増えてきているという。

TONE e22

 前述の中期経営計画に基づいた新たな施策として、今回新端末「TONE e22」を発売する。

 「TONE e22」は、5G通信(Sub-6)対応で、5G SAもサポートする。トーンモバイルが利用するドコモ回線では、5G SAに関する具体的な要件は明らかにされていないが、石田氏によるとハードウェアは対応できており「ファームウェアのバージョンアップによってSA対応できるハードウェアになっている」という。

 また、「TONE e22」では5Gの特徴である「超高速通信」よりは「低遅延通信」に重きを置いたサービスを提供する。たとえば、低遅延性能を生かしたIP電話の機能拡充など、さまざまな新しいサービスを準備している。

 「TONE e22」では、物理SIMに加えeSIMもサポートしている。トーンモバイルでは5月現在eSIMは提供していないが、今秋ごろの提供を予定している。なお、他社のeSIMは端末発売時点から利用できる。

「TONE e22」の主な特徴

「TONE Labo」5G時代のスマホ生活を先取り

 新端末「TONE e22」では、5G時代におけるサービスの実証実験を展開する「TONE Labo」のモニターとして参加できる。

 「TONE Labo」では、6月から3つのサービスの実証を行う。

健康サービス「TONE Care」

 「TONE Care」は、「予防→診断・治療→経過観察」という健康問題対応のフレームワークに合わせた健康サービス。

 スマートフォンのセンサーなどから得た歩数や運動強度などのセンサーデータや、アプリの利用時間など利用実データを組み合わせて、AIがユーザーの健康状態をモニタリングし、必要に応じてAIから健康相談の提案をユーザーまたはユーザーの保護者に通知する。ユーザー側は、オンラインで健康相談を実施し、自己管理で前述のデータを活用する一連の流れを「TONE Care」で実現できる。

 健康相談サービスは、医師に相談できる。相談は平日の10時~22時で、一般的な健康相談は1回15分、ゲーム依存症の相談は1回30分まで、予約制で利用できる。

暗号コイン「TONE Coin」

 「TONE Coin」は、ブロックチェーン技術を活用した暗号コインシステム。暗号通貨「Ethereum」(イーサリアム)互換のネットワークを利用したもので、対応端末と通信を繰り返し行うことで発掘できるという。

 初期設定では、本体を充電している場合にアプリを起動しておくと、自動で発掘作業がされ、コインが貯まっていく。演算処理による高負荷は起こらず、通信により発掘作業が行われるため、CPUの負荷や極端な電池の消耗は起こらないという。また、「TONE Labo」のモニター参加中、発掘作業に関わるパケット通信量はカウントフリーで利用できる。

 将来的には、トーンモバイルの月額料金への充当など利用箇所を設けるとしている。また、1コインあたりの価値についても、サービス開始時点で明らかにするとしている。

アンチフィルターバブル

 端末のセンサーデータやサイトの利用状況に応じてユーザーの好みを分析するバブルチャート機能を提供する。

 たとえば、歩数がユーザーの健康状態に与える影響などのデータを蓄積する。データはユーザーが保有するかたちをとり、ユーザーの希望に応じてトーンモバイルや他社のサービスと共有し分析することができる。

 バブルチャート機能では、これらの共有されたデータを活用し、ユーザーが感心のあるカテゴリーと全体のカテゴリーを比較し、ユーザー自身が知らないカテゴリーを探したり、自身が興味のあるカテゴリーをさらに深掘りしたりできるという。

 バブルに表示されるカテゴリーは500以上をラインアップしている。

トーンモバイルの5G対応について

質疑に答える石田氏

 トーンモバイルの5G対応について、石田氏は『TONE e22』から5G通信を提供する」ことを明らかにした。料金はこれまでと変わらないという。

 また、5G SAの提供について同社での対応予定を問われた石田氏は「MVNEの部分でドコモさんが実証実験を行われている(ユースケースなど)ものに対してOEMで提供するB2Cでの展開もできると考えている」とコメントし、導入に前向きな姿勢を見せた。