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スマホの対応周波数は誰が決めるのか、総務省会合での各キャリアの説明は

 総務省は11日、「競争ルールの検証に関するワーキンググループ」の第28回を開催した。本稿では、各社の資料を紹介する。

キャリア「他社周波数は制限していない」

 11日に開催された事業者へのヒアリングには、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの各社が出席。通信・端末市場の動向や携帯電話端末の対応周波数の制限について各社から説明がなされた。

 おおむね各社ともに、自社周波数への対応は求めつつも、他社周波数について制限する指示はしていないと主張。他社周波数へも対応する場合は、乗り換えやすさや通信品質の向上につながるとしつつも、端末価格が上昇する懸念があるとも指摘された。

SIMロック禁止も周波数の壁

 スマートフォンなどの対応周波数については、SIMロックが原則禁止されたにも関わらず、他社回線に非対応なのは納得できないという消費者の声が、総務省の消費者センターに寄せられていたという。

各社の見解は

NTTドコモ

 NTTドコモでは、端末の調達の際に自社回線については「必須」「推奨」「任意」と3カテゴリーで対応を依頼。他キャリア用周波数について対応・また制限を依頼するといったことはなく、あくまで端末メーカーの判断にゆだねていると主張。

 また、ドコモ用端末で全周波数に対応する場合、コスト上昇や筐体の大型化など「商品性が低下する可能性がある」とした。

KDDI

 KDDIでも、対応周波数の決定について「弊社から端末メーカーに対して、弊社に割当てられた周波数帯(バンド)への対応を依頼しております」とドコモとおおむね同等の内容の回答。

 さらにKDDI回線以外の周波数については、端末メーカーが決定しているもので、同社が指示して制限していることはないとした上で、同社端末が他社回線に対応することについても問題はないと回答。一方で、他キャリアの周波数への対応はユーザーの利便性向上には資するものの、コスト増につながるとの見解を示した。

ソフトバンク

 ソフトバンクは、同社で取り扱う端末が対応する周波数の決定の仕組みについては構成員にのみ公開。一方で、同社回線以外の取扱については端末メーカーが判断していると回答された。

 他キャリアへの周波数への対応については、KDDIと同様に利便性向上につながるとしつつも、コスト上昇の懸念を示した。さらに主要周波数への対応をルール化することについては「低価格の端末を選択する機会を奪うことにつながる」としている。

楽天モバイル

 楽天モバイルについては、端末調達の際の周波数の決定や他社周波数への対応については構成員にのみ開示された。

 また、今後の対応周波数のあり方については、中小規模のメーカーに配慮した上で、一定規模の端末メーカーについてはすべての大手キャリアに対応すべきとの見解を示した。