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「スマホの対応バンド」などのガイドライン改正案が総務省から、12月5日まで意見を募集

 総務省は4日、「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」の改正案を公開した。スマートフォン端末の“対応バンド”などに関する考え方などがまとめられたもの。これについて、11月5日~12月5日まで、パブリックコメントとして意見を募集する。

背景

 2019年5月、「通信料金と端末代金の完全分離」「行き過ぎた囲い込みの禁止」などを内容とする「電気通信事業法の一部を改正する法律(令和元年法律第5号)」が成立し、同年10月に施行された。

 また、総務省では、「競争ルールの検証に関するWG」において、改正法により講じられた措置の効果やモバイル市場への影響などについて、評価・検証を実施。同WGにおいて、2022年9月に「競争ルールの検証に関する報告書2022」が取りまとめられた。

 今回、「競争ルールの検証に関する報告書2022」を踏まえて、「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」の改正案が作成された。

“対応バンド”について

 今回の改正案では、スマートフォン端末に関する機能制限として、“対応バンド”とも呼ばれる「端末の対応周波数帯の制限」に関して言及されている。

 たとえば、同じスマートフォンの機種であっても、それを販売する通信事業者によって端末の対応周波数が異なるケースがある。この場合、販売元の通信事業者とは異なる事業者と契約して端末を利用しようとしても、通信を利用できない場合もある。

 対応周波数の制限に関して、改正案では、事業者が端末を調達する際に、当該端末の製造業者(メーカー)に対して周波数帯の制限などの機能の制限を求めることは、「利用者の利便を損なう可能性がある」とされている。

 加えて、事業者間の競争を阻害する可能性があり、「適正かつ合理的なものとは考えられない」という考えが示されている。

ユーザーへの情報提供を充実したものに

 今回の改正案では、事業者がユーザーへスマートフォン端末などを販売する際、より充実した情報を提供するための留意点も追加されている。

 端末を販売する場合は、その端末を利用した場合の、携帯電話事業者ごとの通話・データ通信の利用可否を説明する必要がある。

 また、ユーザーが端末を持ち込んで事業者と契約する場合に関しても、留意点が追加された。その事業者において人口カバー率が最も高い周波数帯に対応していない端末が持ち込まれた際、「それ以外の周波数帯で自社の通信サービスが利用できる区域を示した日本地図」を示す必要があるとされている。