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楽天グループ「睡眠トレンド予測」を発表、IoTを活用した“令和の眠活”や“睡眠メシ”を提案
2025年4月24日 19:10
楽天グループは24日、同社グループの購買データやアンケートなどをもとにした「楽天グループ 2025年 睡眠トレンド予測」を発表した。
「令和の眠活」、「睡眠メシ」、「スリープツーリズム」の3つのキーワードをもとに、今後流行すると予測する睡眠に関するトレンドがまとめられた。
令和の眠活
同社のECサイト「楽天市場」では、40万点以上の睡眠関連商品を取り扱っており、特に2024年の流通総額は、2019年と比較して約6.9倍に拡大しており、ユーザーの関心が高いことがうかがえる。
睡眠に関するアンケート調査を見ると、8割のユーザーが睡眠を重視しており、多くが最近寝付きにくいと感じているという。睡眠に不満を持っているユーザーも多く、睡眠時間についても、理想と現実に大きなギャップが生まれている。
さらに、睡眠を妨げる外的要因や工夫しているものでは、室温や照明、寝具との相性に意識を向けているユーザーが多く、特にこだわっているアイテムとして、枕や寝具、エアコンなどが挙がった。楽天市場でも、エアコンやスリープウェア、サプリメントの流通総額が上昇傾向にあり、電気毛布も2019年比で約3.4倍、ハーブティは約10倍、アイマスクは約6.9倍と高い伸びを見せている。
同社では、今後のトレンドとして、テクノロジーやIoTを駆使した令和ならではの快眠アイテムを提案。たとえば、枕元の温度や湿度を検知し、独自の快眠アルゴリズムに基づいた空調コントロールをするパナソニック製のエアコン「エオリア CS-PX282D」やAIが最適な枕を提案する「THE PILLOW」、パーソナルな睡眠分析ができる睡眠計測ツール「ブレインスリープコイン」を提案する。
睡眠メシ
快眠のために工夫していることを問うアンケートでは、食事に関わる回答もあった。たとえば、23%のユーザーが「体が温まる食事」や「寝る前の飲み物」を挙げた。
楽天ブックスの動向を見ると、睡眠がテーマのレシピやダイエット関連本の売り上げが2023年比で約1.3倍伸長している。睡眠の質を高めることで、健康や美容、ウェルネスの観点からもよいとされており、今後睡眠によい栄養素を含む食材を活用した“睡眠メシ”への関心が高まると予想される。
スリープツーリズム
コロナ禍で健康管理にあらためて注目が集まった影響で、睡眠にも注目が高まっている。旅行予約サイト「楽天トラベル」でも、「睡眠」や「快眠」のキーワードを含む宿泊プラン数が2019年比で約1.5倍に拡大されており、阪急阪神ホテルズやナインアワーズなどでは睡眠により注力した部屋の設置や、宿泊者の睡眠状態を分析するサービスが提供されている。
このことから、旅行先においても睡眠に注目した宿選びを行う“スリープツーリズム”の拡大が期待される。
睡眠不足と経済損失
2019年の「国民健康・栄養調査結果」において、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合が、男性で37.5%、女性で40.6%となっており、国民全体で十分な睡眠の確保は重要な健康課題となっている。
慢性的な睡眠不足による日本の経済損失は、年間で約15兆円とも言われており、企業では、仮眠部屋を設置したり、立って仮眠ができるブースを販売したりしている。また、睡眠データに基づいた探究的な授業も実施されており、今後も睡眠関連ビジネスの市場は拡大傾向と予測される。
睡眠コンサルタントの友野なお氏は、「毎日、1~2時間のちょっとした寝不足が積み重なると、睡眠障害になる可能性があり、うつ病などの重大な疾病につながる可能性がある」と分析。睡眠不足により、思考力や判断力、記憶力の低下などにつながるといい、日頃の睡眠の重要性を説いた。
また、大型連休で生活リズムが乱れてしまうと、睡眠リズムが乱れ疲労感などが取れにくい状態に繋がってしまうと指摘。連休中でも規則正しく十分な睡眠と食生活の見直しを心がけてほしいと呼びかけた。
なお、楽天市場では24日から睡眠トレンドアイテム特集の特設ページが開設された。さまざまな睡眠改善アイテムがラインアップされており、友野氏による睡眠改善へのアドバイスなど睡眠に関するヒントも紹介されている。