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「TONE for Androidプラン」が発表、子供・シニアのスマホとの接点を追求するトーンモバイル
2022年2月17日 00:00
フリービットとトーンライフスタイルは、NTTドコモが展開するエコノミーMVNOにおいて「TONE for Androidプラン」の提供を開始した。月額利用料金は1100円~。
同プランは、同社のオリジナル端末との組み合わせで使い、動画以外のインターネット通信は無制限に利用できる。ドコモのMVNOとして全国のドコモショップで取り扱われるもの。
発表の場には、フリービット代表取締役社長の石田宏樹氏が登壇し説明した。
Android向けプランがついに
2021年12月に発表されたエコノミーMVNOの提供開始以来、同社のユーザー層に大きな変化が見られたと石田氏は語る。
エコノミーMVNOとして最初にリリースされた「TONE for iPhoneプラン」は、テーィンエイジャー世代とその保護者を主なターゲットとしていた。石田氏が明かしたデータによれば、当初のターゲットであったティーン世代は狙い通りの結果となった。
しかし、その一方で30代以降の現役世代も大きく伸び、これまでのティーン世代に迫る数字だという。石田氏はこれを「驚いた」としながら動画以外は使い放題で月額基本料金が1100円という価格による魅力が、ドコモショップという大きな訴求力により再評価されたことによるものではないかと分析した。契約としてはMNPもあるものの、新規契約が多いという。
また、有料オプションとなる「トーンファミリーオプション」の付帯率についてはぴったり50%ほどで「ほぼ狙いどおりの展開ができている」とした。
一方で、期待されていたのがAndroid端末向けの施策だ。
ドコモショップで取り扱い
今回、発表されたTONE for Androidプランでは、同社オリジナル端末が全国のドコモショップで扱われることになる。
石田氏は「我々が9年間磨き上げてきた、ティーン・シニア向けの端末を(ドコモから)評価いただいたと思う」とコメント。
オリジナル端末「TONE e21 rev.2」は、全国のドコモショップで実機を手に取れ、契約時にはショップスタッフからの説明を受けられる。その後、契約情報はトーンモバイルの配送センターに送られ、最短2~3日で端末が自宅に届くという仕組み。
一般的なスマートフォンでは、端末の初期設定が必要となるが、TONE e21 rev.2では独自の「TONE Zen」により起動するだけで即時利用できるようになる。それでも利用に不安があるという場合は、端末を持ってドコモショップへ行けば無料で設定してもらえるという。
独自端末を提供することで、端末から回線、サポートまでを垂直統合することで初めてスマートフォンに触れる人でも安心して利用できる環境を揃えられたと石田氏。iPhoneでは今後もティーン世代に向けての訴求を続けつつ、Android端末ではシニア世代のユーザー拡大を狙う姿勢を見せた。
全国のドコモで端末を扱うということで、同社としてはこれまでにない規模での展開となる。石田氏はこれについて「在庫は(配送センターに)集約することで店舗間でのかたよりを防ぐ。端末も事前に増産した。時期端末登場まで十分保つと思う」とした。
一方で配送費なども課題になりそうだ。しかし、今回はドコモショップで本人確認などが事前に済んでいるため、配送センターの負荷が軽減できているという。
従来機能も継承のオリジナル端末
オリジナル端末として導入されるのは「TONE e21 rev.2」。これまで提供されてきた「TONE e21」をベースにdアカウントへの対応などがなされたバージョンとなる。
revは「revision」の意で今後リリースが予定されているという、次世代端末に使われるTONE wareの機能も一部も先行導入しているとした。合わせて、従来のe21で提供されてきた機能も引き続き利用できる。
特定の場所に入ると通知したり、端末の機能を制限したりできる「ジオフェンス」と「ジオロック」やiOS端末とも手軽にファイル共有できる「One Drop」などを継承。
また、高齢者が困りがちな端末のトラブルに備えて「置くだけサポート」にも対応。困りごとが起きた際に端末を箱に戻すだけで不具合の8割程度を回復できるという。回復できなかった場合でもそのままスピーカーフォンにしてサポートと通話しながら解決を図れる。
このほか、「家族間サポート」では遠隔でスマートフォンを操作でき、シニアユーザーが操作に困った場合に離れている家族が変わっての操作ができる。加えて、特殊詐欺の被害を防止に寄与する「あんしん電話」も搭載。データベースと照合し、着信した番号が詐欺の可能性がある場合、メッセージで警告する。
加えて健康促進の「ライフログ」やCOCOAと連携した行動履歴の確認やデジタルウェルビーイング機能が利用できるダッシュボードに加えて、プライバシーに配慮した見守り機能として「ゆるやか見守り」を備える。
石田氏は、新端末についても言及。「TONE e21の在庫が切れるタイミングですぐリリースできるよう頑張っている。中期的な戦略端末になる。完全自主生産の2機種目なので、期待してほしい」と語った。
今後も子供・シニアの接点として
価格に関しても「やさしさ」を追求。TONE e21は2万1780円だったが、rev.2では9980円とほぼ半額。技術開発や生産技術の向上などで実現したという。TONE e21についても同様の価格に値下げられる。
このほか、60歳以上のユーザーの場合、キャンペーンとの組み合わせでは期間限定ながら0円での運用が可能になる。3G停波に伴いスマートフォンを初めて手にするユーザーでも気軽に手に取りやすい。今後、キャリアメールも簡単に移行できるような仕組みを提供すべく準備しているという。
石田氏は「子供やシニアのスマホへの接点として、我々は非常に重要な分野を担っていると思う。しっかりとこの分野を追求していきたい」と語った。