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「ずっと使ってもらえる『お家』」を目指す、トーンモバイルの新サービス発表会

 ドリーム・トレイン・インターネットは、新型スマートフォン「TONE e21」とAIなどを活用した新サービスを発表した。

 発表の場には、フリービット 代表取締役社長/トーンモバイル代表の石田宏樹氏が登壇。石田氏はMVNO市場の現状を説明した。寡占化しているといわれるMVNOだが、2013年末時点で155社だったものが、2020年末では1128社となった。石田氏によると、まだまだ参入する企業もあるという。

 電話会社(大手3社など)とDTIのような「インターネット屋」の考えるスマートフォンのビジョンは違うという石田氏は「電話会社のスマホ市場はレッドオーシャン」と分析。「ユーザーからしたら土管がいっぱいある状態。(選択肢が多すぎて)選びようもないのではないか」と指摘した上で「トーンモバイルが目指すのは土管ではなく『ずっと使ってもらえるお家』」と語る。

 3年ごとの中期経営計画見直しをしている同社。フルスペックでの5G提供が始まると見込まれる2024年までの3年間を「プレ5G」と位置づけ、5G時代のライフスタイルを提案していくという。

 AIとIoT、ブロックチェーンを組み合わせた「トラステッドインターネット」をさまざまなデータを統合し、持続可能な社会を作るための「モバイル」「生活」「生産革命」の3つの革命領域のプラットフォームを作っていくとした。

7つのバージョンアップでニューノーマルに対応

 「2013年末にサービスを開始して以来、最大のバージョンアップ」という今回の新サービス。複雑さや面倒臭さ、高い料金といった携帯電話が抱える課題をAIの力で解決していくという。

フリービット 石田氏

 同社では、MVNOに参入してから7年を経て、今回の7つのアップデートでニューノーマルのライフスタイルを実現するとしている。

 今回に先駆けて同社では、2月に料金据え置きで基本プランのバージョンアップを発表。また、健康管理機能の「ライフログ」も提供を開始している。

7つのアップデート

 今回は、あらたにAndroidとiPhone間の連携の強化が発表された。iOSでは、OS標準の機能である「AirDrop」を経由してファイルのやり取りが簡単に行える。ただし、これはiOS間に限ったものであり、AndroidとiPhoneの間ではAirDropによる共有はできない。

 こうしたことから、石田氏は学生の間でAndroidユーザーだから話の輪に入れない「エアドロ仲間はずれ」が発生していると指摘。これを解決できないのかという声があったことが、今回の「One Drop」につながったという。

 iPhone側にアプリケーションをインストールする必要があるものの、AndroidとiOS間でAirDropのような手軽なファイル共有を実現している。

COCOA連携で密回避も

 加えて、ニューノーマルの可視化する機能も新たに加えられた。新型コロナウイルスの影響により活動量が減りつつある昨今。自分がどういう活動をしているかがわかる「TONE ダッシュボード」では、厚労省の接触検知アプリ「COCOA」と連携し、ビーコン情報を取得。時系列でどれだけの接触があったかを確認できる。

 自分が訪れた場所を見返すことも可能で、1日、1週間、数ヶ月単位でさかのぼって確認できる。また、ライフログで取得した活動量もダッシュボード上から確かめられ、アプリケーションの利用量・履歴も表示される。

 ステイホームといった習慣が続く中で、石田氏は情報を提供するプラットフォーマーのおすすめでしか情報を取得していない現状を問題氏。社会の先鋭化を招く一端になる「フィルターバブルを脱して本来のインターネットの形に戻していきたい」と語る。

家族のためのSNS

 One Messengerは、家族がつながるSNSを目指したもの。「インフラの機能によりメッセンジャーは変化してきた」という石田氏。

 AIで家族のコミュニケーションや安全をサポートするというコンセプト。たとえば、子供が塾を出るとそれを検知したAIが「塾を出ました」とメッセージを発する。これを見た母親が子供にメッセージを送信し、会話をするといった、AIを起点とした会話を実現している。

 歩きスマホを検知すると、AIがそれを検知し、親に通知するということも可能で、このほかにもCOCOAとの連携で3密を検知するとそれも通知し、マスクを着けているかの確認といったコミュニケーションを生み出せる。

 また、今後「#いまなに?」と聞くと、子供が使っているアプリを伝えるといった機能の実装が予定されているという。One Messengerにも「TONEカメラ」同様に不適切な自画撮り防止機能が備えられている。これは、LINEなどのメッセンジャーアプリのカメラを使うと自画撮りができてしまうという問題に対処したもの。

 非TONEファミリーユーザーに対してもアカウントの発行が可能で、家族内だけではなく、親戚や子供の友だちともコミュニケーションを取れる。フリービットが開発したブロックチェーン利用とAIによる最適化がなされたメッセンジャーコンポーネントを利用したもの。いわゆるゼロトラストの考え方に基づいた設計がなされており、管理者であっても不正利用が出来ないとしている。

 「One Messengerは非常にシンプルなアプリケーション。しかし、ここから得られる安心は大きい」とした上で「今回のTONE e20とバージョンアップで空に虹をかけられるような存在になれれば」と石田氏は語った。

長期利用者に向けたキャンペーンも

 TONEモバイルの長期ユーザー(TONE e19)に向けて1万円ほどのキャッシュバックのキャンペーンを実施する予定という。