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ICT総研が全国60地点のスマホ通信速度を調査、2011年時と比べて144倍に

 ICT総研は、「2022年2月 全国60地点スマートフォン通信速度実測調査」の結果を発表した。調査実施日は、2022年1月4日~1月18日。

 調査方法は、通信速度測定サイト「インターネット速度テスト」にて、1地点あたりの下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の速度を3回ずつ測定した。調査には、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク、楽天モバイルのiPhone13が用いられた。

 調査した都市は、札幌市、仙台市、東京23区、大阪市、福岡市、那覇市の6都市。それらの都市の鉄道駅ホーム、鉄道移動中の駅間、公共施設、商業施設など合計60地点(6都市×10地点)で調査が行われた。

下り通信速度はauがトップに。上り通信速度はソフトバンクがトップ。

 下り通信速度は、auが166.5Mbpsでトップとなり、NTTドコモが164.8Mbpsで2位、ソフトバンクが153.1Mbpsで3位という結果になった。楽天モバイルは33.8Mbpsだった。

 NTTドコモ、au、ソフトバンクの下り通信速度が最も速い地点は、それぞれ500Mbpsを超えた。調査地点別の傾向として、「鉄道移動中の駅間」は他の地点に比べて通信速度が低速になる傾向がみられたという。

 一方、上り通信速度については、ソフトバンクが24.6Mbpsでトップ、auが24.4Mbps、NTTドコモが18.7Mbps、楽天モバイルが18.5Mbpsという結果になった。

5G受信地点比率は、auが66.7%でトップ

 全国60地点のうち、5Gを受信できた地点数の比率は、auが66.7%でトップとなった。ソフトバンクは51.7%、NTTドコモは48.3%、楽天モバイルは8.3%という結果になった。

 auの結果について、ICT総研は、「4Gで利用している周波数を5Gに転用するというauの戦略が、auの5G受信地点比率が高い結果につながった可能性がある」と分析している。

 なお、楽天モバイルは、2021年5月の調査時は0.0%であったことを踏まえると、改善傾向にあることが分かる。

動画再生の待機時間は、3社が3.4~3.6秒。楽天モバイルは4.1秒

 ICT総研が作成した2分間のYouTube動画を再生するまでの待機秒数について調査したところ、再生開始ボタンを押してから実際に再生するまでの待機秒数の最短はソフトバンクの3.4秒だった。NTTドコモは3.6秒、auは3.6秒、楽天モバイルは4.1秒だった。

 また、動画再生後に動画が停止した秒数についても測定したところ、4キャリア全てが全地点で、動画が再生中に一度も停止しなかった。

ICT総研による総括

 2011年から定期的に同様の測定を続けてきたICT総研は、平均速度が顕著に高速化していることに言及している。今回の調査における4社平均の下り通信速度は129.6Mbpsであり、これは2011年時と比べて144倍の速度であるという。