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KDDI総研、ロボットを活用したサービスを考える「ロボット工房」を開設

 KDDI総合研究所(KDDI総研)は、調査・応用研究拠点「KDDI research atelier」に、「ロボット工房」を開設した。

「ロボット工房」ネットワーク構成

 「ロボット工房」は、パートナーとの共同によるロボットの通信やプラットフォームに関連する技術の評価・実験を通して、ロボットを活用したサービスの創出を目指す拠点。

 「ロボット工房」では、エンド・ツー・エンド(E2E)ネットワークスライシングによるロボット向け通信帯域が確保された評価ネットワークや低遅延映像伝送、ネットワーク運用見回りロボットなど、KDDI総研の先端技術を使った実証ができる。

E2Eネットワークスライシングによる、ロボット向け通信帯域が確保された評価ネットワーク

 「ロボット工房」では、KDDI research atelier(東京都港区)、KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)、パブリッククラウドの3拠点と接続し、ロボットに必要な制御機能(計算プロセス)を分散展開する環境を構築。

 これにより、5Gで実現が期待される通信リソース制御(オンデマンドでの通信帯域・遅延の保証)や、MEC(Multi Access Edge Computing)を活用する低遅延通信を模擬した実証が可能。

通信制御のイメージ

低遅延映像伝送

 ロボットと操縦者間の映像伝送において、ロボット側のカメラから操縦者側のディスプレイに表示されるまでのE2E遅延を縮小する、超低遅延映像伝送の技術を活用した検証が可能。

 これにより、視覚と身体感覚との操作のずれをほぼ解消でき、動きの速い対象物に対して正確な操作ができるほか、映像伝送の遅延が原因の一つとされる操縦者のVR酔いが軽減され、長時間の遠隔操作が可能となる。

低遅延映像伝送イメージ

ネットワーク運用見回りロボット

 KDDIは、KDDIのネットワークセンター(NC)の運用管理業務を支援する見回りロボットを開発している。

 見回りロボットは、NC内の機器設定や交換、配線などの作業の立ち会いを代行する「立会い支援」や、手動操作および自動でNCの設備状況などを確認する「遠隔操作・監視」、ロボットに搭載されたセンサーにより異常を検出するための定期的な「自動巡回」といったことができる。

 「ロボット工房」では、ロボット制御の実証の対象として、見回りロボットを利用できる。

「ネットワーク運用見回りロボット」概要

 KDDI総研は今後、通信とロボットが調和するロボットフレンドリーな社会を目指し、「ロボット工房」を利用するロボット製造や販売に携わる企業およびロボットユーザー企業を募り、研究開発を共に進めていくとしている。

 なお、KDDI総研は、9月9日から開催される「World Robot Summit 2020 愛知大会」のKDDIブース(バーチャル展示)で「ロボット工房」を紹介する。