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ドコモ第1四半期は増収増益、dカード・d払いなどが強力牽引 「ドコモMAX」は400万契約突破

 NTTドコモの2027年3月期第1四半期は、売上高は1兆6170億円(8.5%増)、営業利益は2462億円(2.7%増)、最終利益は1763億円(0.8%増)で、前年同期比で増収増益となった。料金プラン「ドコモMAX」や金融事業が追い風となった。

NTTドコモの前田義晃社長

LTV戦略と「ドコモMAX」好調が牽引、顧客基盤の改善が定着

 コンシューマー通信事業の売上高は前年同期比69億円減だった。しかしMNP数はプラス基調が継続しており、NTTドコモの前田義晃社長は「顧客基盤の改善が定着してきた」と評価する。ドコモMAXやドコモ ポイ活MAXを契約している「ロイヤルユーザー」数も順調に拡大しており、今期1530万人となり、2サービス以上を契約しているロイヤルユーザーのポートアウト率(他社への流出率)が、非ロイヤルユーザーの約3分の1に抑えられているという。

 ドコモMAXの契約者数は400万を突破した。年間計画では500万契約を見込んでおりさらなる上積みを目指す。前田社長はワールドカップやWBC(ワールドベースボールクラシック)、NBAで大きなイベントが続いたことが、ドコモMAX伸長の要因のひとつと分析する。

 また「今年度は(ユーザーの)数を増やすだけではなく、ユーザーとのエンゲージメントを高め、より強固な顧客基盤構築に取り組む」とした。ARPUは3990円で、前年同期比70円増。年間計画は4010円で順調な伸びだとしている。また、15歳以下向けの新プラン「ドコモ スマホデビュープラン U15」とそのユーザー、家族を対象とする「ドコモ 親子割」も提供する。

 物価高騰などに伴い、端末価格の上昇傾向が続いている。前田社長は今後、ドコモで取り扱う端末の価格については明確な言及を避けたものの、メーカーとの連携を密にして、必要な端末在庫を迅速に確保するとした。価格の上昇は避けられないものの、中古端末のラインアップの活性化など、さまざまな購入手段を用意して長くドコモを使ってもらう環境を構築するという。

熊本地震「Starlink Direct」が活躍、石川では気球型HAPSの実証へ

 ネットワーク関連では今期、およそ2500局の基地局を構築しており、このうち1500局が5G基地局となった。「docomo Starlink Direct」は開始3カ月で接続者数が650万人となった。7月28日に発生した熊本地震では、前週の同日同時間帯と比較して接続数が3倍になった。

 また、気球型HAPSの実証実験も石川県内で始まる。気球型のHAPSはソフトバンクの飛行船型よりも多少小さく、運用しやすく機動性に優れるというメリットがある。グライダー型と比較して、機材を多く搭載できることからカメラを搭載するなど、エリアの補強だけではなく産業に対してソリューションの提供などに使いやすいという。2026年度内の商用化をマイルストーンとして目標に掲げているものの、現時点でスケジュールが完全に確定しているわけではなく、今回の実証実験のデータなどを通じて機数や詳細な計画をしっかり見定める。

 基地局整備は順調に進んでおり、全国の主要都市中心部での下り平均スループットは向上しているという。エリクソン製の新型RANや3波を束ねる「トライバンド Massive MIMO」を導入するなどしており、ほかに地下鉄の5G化整備も並行して進める。

 同社は電波オークションで26GHz帯を落札した。前田社長はこれについてすぐにでも26GHz帯の基地局を大量に展開する計画はないとしつつも今後、AIの高度化やIoTデバイスの増加、コンテンツの大容量化などでトラフィックの激増が予想されるとして、26GHz帯のようなミリ波の重要性を訴える。同社ではすでに28GHz帯も保有しており、次世代のコアインフラとしての展開に向けた準備を進めるという。

スマートライフが39%増収、法人事業もAIビジネスが成長を牽引

 スマートライフ事業の売上高は4184億円で前年同期比39%増となった。ドコモSMTBネット銀行の連結影響や各領域がいずれも増収となったことが追い風になった。

 dカードとd払いの利用が拡大しており、金融・決済取扱高は、前年同期比で5000億円以上の伸びを見せた。前田社長は「決済を通じてユーザーとの接点が広がっており、ドコモグループの大きな強みになっている。今後は銀行を起点に日常の接点をさらに広げる」と説明した。同社では金融事業を強化しており、dカードとマネックス証券の組み合わせによる還元施策を打ち出している。

 また、法人事業も全体の業績に大きく貢献しており、売上高は4796億円で前年同期比5.2%増だった。大企業向けのセキュリティや中小企業向けのソリューションなどが好調だったほか、AI関連のビジネスは前年比12%増の増収となったほか、AI-Centric ICT プラットフォームの導入企業数が約5倍に拡大した。

主な質疑応答

――総務省のホッピング対策への見解を教えてほしい。

前田氏
 業界の課題だった短期解約対策で、見解が出たことは確実な前進で歓迎しています。ガイドラインに即した施策により顧客獲得の質を高め、販促費の獲得効率を上げていきます。ドコモとしても端末価格の過度なコントロールを避けながら、過去の情報をもとに過剰な特典適用を繰り返す特定のユーザーについては契約や特典の提供を断るなどの対策を行っています。

――JALマイレージスマホ powered by ahamoの手応えは?

前田氏
 非常に良いです。旅行好きなユーザーが「海外でも追加料金なし」というahamoの強みに価値を感じてもらっていて加入数は計画通りに推移しています。パートナー企業の魅力に対して、ドコモが通信や金融などの機能をパーツとして提供することは双方がメリットを享受できるため、JALに限らず他社へも展開していきたいと思います。

――BaaS(Bank as a Service)ビジネスの拡大に向けた進捗は?

前田氏
 問い合わせは非常に多く、直近ではスキマバイトサービスの「タイミー」との連携などがあります。ドコモの競合他社の経済圏にはない、ドコモ独自の法人営業力と金融をつなぐ武器になるので、連携先を広げていきます。

――ソフトバンクも同時期にHAPSの実証実験をするなど、開発競争が加速しているが、どう受け止めているか?

前田氏
 各社で競争が激化しているというよりは、それぞれが「空からの通信」でどのような技術的アプローチがあり、どのように社会実装すれば、社会課題を解決できるかを模索している段階だと思います。多様なアプローチが生まれ、社会実装の選択肢が増えることは社会にとって大きな利益となるため、業界全体で取り組むことは非常にポジティブだと思います。

――ドコモ・フィナンシャルグループ発足から1カ月だが、動向は?

前田氏
 始まって日が浅いですが、1番の成果はドコモの銀行を起点としたポイント還元キャンペーンです。金融ビジネスを成功させるうえで銀行口座数と預金残高を増やすことはグループ全体の収益性を高めるために不可欠で、まずはドコモ経済圏で最も規模の大きいdカードの引き落とし口座に設定してもらい、そこからほかのサービスとのクロスユースを促す一歩としたいと思います。