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KDDI総研が「移動式サウナ」を手掛けるワケは? 未来のライフスタイルを共創する「FUTURE GATEWAY」始動
2021年8月25日 00:00
KDDI総合研究所(KDDI総研)は24日、2030年を見据えたライフデザインを提案する「KDDI research atelier(リサーチアトリエ)」において、共創の取り組み「FUTURE GATEWAY(フューチャーゲートウェイ)」を始動したと発表した。先進的な生活者のコミュニティーの立ち上げと第1弾プロジェクトとして、移動式サウナ「Hoppin'Sauna(ホッピンサウナ)」などが展開される。
「FUTURE GATEWAY」は、中長期的な社会や生活者の課題解決に繋がる新たなライフスタイルを創造するため、先進的なライフスタイルを実践している生活者を中心とした多様なパートナーとの共創、応用研究を推進する取り組み。KDDIグループの先端技術を用いて、社会実装する取り組みを加速させるものとなる。
同取り組みでは、「先進的なライフスタイルを実践している生活者」を「能動的に世界の制約や境界を越えていく人々」として「越境走者=t’runner(ランナー)」と呼び、この越境走者とともに複数のプロジェクトを立案し、未来のライフスタイル創造へ取り組んでいくという。
t’runnerのコミュニティ立ち上げと募集
「FUTURE GATEWAY」の取り組みでは、「KDDI research atelier」と「t’runner」、パートナー企業が、それぞれの知見や技術などのアセットを互いに持ち寄り、組織や所属の制約を超えて未来を構想するコミュニティを立ち上げる。
コミュニティに先立ち、「t’runner」として8人の越境走者が取り組みに参加する。メンバーには、EXx CEOの青木 大和氏やAddress Hopper 代表の市橋 正太郎氏、qutori CEOの加藤 翼氏、「パレットーク」編集長の合田 文氏、METRIKA COOの澤村 俊剛氏、arca CEOの辻 愛沙子氏、NOD CEOの溝端 友輔氏、L&G GLOBAL BUSINESS代表の龍崎 翔子氏が参加する。
このほか、一般からも参加メンバーを募集する。
募集対象として「世の中の常識や制約にとらわれない自由な発想を持ち、先進的なライフスタイルを実践している個人」を挙げており、書類審査と面接による審査を経て参加できる。
第1弾プロジェクト「Hoppin'Sauna」
「FUTURE GATEWAY」の第1弾プロジェクトとして、移動式サウナ「Hoppin'Sauna」が発表された。
プロジェクトをリードする「t’runner」は、Address Hopper 代表の市橋 正太郎氏。市橋氏自身2017年からアドレスホッピング(移動型ライフスタイル)を実践しており、その中で自律神経を整えられるサウナに着目し、「いつでもどこでも理想のサウナ体験をしたい」という想いから構想に至ったという。
「Hoppin'Sauna」では、サウナを備えた自動運転車を製作し、呼べばどこでもサウナが体験できる環境を整備。ユーザーには脳波などを測定できるバイタルセンサーを装着してもらい、個人の身体データに基づく「最良のととのい」を提案する。
5G通信も活用され、サウナの本場フィンランドの環境音や風景などをリアルタイムで再現し「ととのう空間」を整備する。サウナの電源やシャワーなどは自立分散的に独立した設計を行い、水は循環する構成になるという。
「Hoppin'Sauna」には、市橋氏のほか、研究協力に100plus代表で日本サウナ学会代表理事の加藤 容崇氏、設計と施工にNOD 代表取締役の溝端 友輔氏、設計に建築家の浜田 晶則氏、コミュニティにSUNDAY FUNDAY代表の菅原 理之氏が携わっている。
KDDIの既存のライフスタイル事業との違い
「FUTURE GATEWAY」の取り組みについてKDDI総研 KDDI research atelierセンター長の木村 寛明氏は、「現在はインターネットなどの普及で組織ではなく個人個人がライフスタイルを作り上げて普及していく時代。その時代に企業ができることをは、個人が考えるライフスタイルを実現するハードルを下げて実現してもらい、共感できるユーザー間で普及していく形を作っていくこと」とコメント。
KDDI総研が参画する意義について木村氏は「KDDI総研は中長期の社会生活の課題を解決する、テクノロジーで解決することをミッションとしている。生活者の課題を一緒に共感して取り組んでいくことで、KDDIグループやパートナー企業と課題を解決するプロジェクトを増やしていければと思う」とした。
また、KDDIグループでは、スマートホームや電気事業など、通信以外のライフスタイル事業も手掛けている。
これらの既存事業との違いについては「KDDIグループでも新しい取り組みを行っているが、『FUTURE GATEWAY』では、これらの事業よりももう少し先の先進的な方々が越えようとしているハードルをプロジェクトの中心において進めている。同じテクノロジー、同じ可能性でも(近い将来の実現を目指す既存事業と異なり)5年後、10年後を見た新しいライフスタイルを変えるプロジェクトとなる部分が少し異なる」と回答した。