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ソフトバンクなど、誤差数cmで「鮮魚をドローンで自動運搬」実験

 ソフトバンクは、イームズロボティクスとウフルの協力のもと、高精度測位技術を活用したドローン物流の実用化に向けた実証実験を、8月31日と9月1日に和歌山県すさみ町で実施した。

 実証実験では、すさみ町の名産品「すさみケンケン鰹」を、水揚げした見老津漁港から約3km離れた「道の駅すさみ」まで自動航行のドローンで運搬することで、広域を移動する場合でも高精度に着陸できることを実証した。

実験の流れ

 イームズロボティクス製のドローンと、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」を連携して複数回航行したところ、いずれの回も事前に設定したルートを自動航行し、誤差約6.5cmの精度で着陸した。

 さらに、今後の実用化を見据えて、PayPay対応のウフルのモバイルオーダーシステム「売り子ール」を使用。消費者が「道の駅すさみ」内のレストランから自身のスマートフォンで料理を注文することで、その内容が漁港の関係者とレストランのスタッフに届く仕組みを構築した。

 すさみ町は、実証実験を通して、ドローンによる鮮魚の運搬の実用化を目指すとともに、災害時の支援物資の配送や、物流網に課題がある山間部の居住者への医薬品配送などでドローンの活用を検討する予定だという。

 ソフトバンクは、高精度測位サービス「ichimill」やドローンサービス「SoraSolution(ソラソリューション)」を活用しながら、さまざまな技術を持つ企業と連携することで、今後の規制緩和に向けた有人地帯での目視外航行や、補助者なしでの航行(レベル4)にも取り組むとしている。

 また、取り組みを通して、全国各地で物流や点検、防災など幅広い分野でドローンを活用し、地域・産業の発展や社会課題の解決を目指す。

実験の概要
実施期間2021年8月31日~9月1日
使用機体イームズロボティクス製「LAB6155」
(全長230×高さ110cm、機体重量9kg、最大積載重量9kg)
航行距離約3kg(見老津漁港~道の駅すさみ)
積載重量約5kg