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「中之島ロボットチャレンジ 2023」、ソフトバンクが高精度な位置測位技術で支援

 大阪府大阪市の中之島公園で自律走行型のロボットの公開実験イベント「中之島ロボットチャレンジ 2023」が28日に開催された。ソフトバンクが技術面で協力している。

ロボット技術の交流会が大阪で開催

 中之島ロボットチャレンジは、ロボットの技術開発を通じた交流の場として開催されるイベント。大学や一般企業などがそれぞれ開発した自律走行するロボットを持ちより規定のコースを走行し、完走を目指す。

 2025年の大阪万博でのデモンストレーションに向けて、自動ゴミ回収ロボット実現をひとつの目標とする。労働人口の減少が社会課題化するなかで、実生活に役立つロボットとして「1人で数十体の清掃仕事をこなせる」社会を描く。

 1月28日に行われたイベントでは、合計14台のロボットが走行した。走行コースは、大阪市の中央公会堂と中之島図書館周辺の道路。各参加者には1周・5周完走と段階的な目標が一律で設けられた。単純なようだが、コース通りに走行するのは難しいようで、思うようにいかないように見受けられるチームもあり、何度もトライする参加者の姿があった。

 装輪のロボットが多いものの、パナソニックアドバンストテクノロジーが持ち込んだ1台は履帯で、4足歩行の動物型での参加チームもありデザイン上でも各チームの考えが反映されている。

 中之島ロボットチャレンジ 2023の委員長を務める神戸市立工業高等専門学校 准教授の清水俊彦氏は、労働人口減少の懸念を説明。掃除ロボットを例に「人による遠隔操作が必要なシーンもある。1人につき1台では全然(手が)足りないので、1人が10台、20台と操縦できれば一気に終えられる。そういうことができる技術を育成するには屋外で実験が必要。そういう技術が増えてくれれば嬉しい」と意義を示した。

cm単位で位置を補正する「ichimill」

 ソフトバンクでは、参加者に高精度位置測位サービス「ichimill」(イチミル)を参加者に提供している。

 ichimillは「RTK」(Realtime Kinematic)と呼ばれる仕組みの位置測位サービス。ソフトバンクが独自に持つ3300箇所超の独自基準点をもとに、GPSなどGNSSの精度誤差をcm級に縮める。

青い点=ichimill補正あり。赤い軌跡=ichimill補正なし。

 すでに建機レンタルの企業が提供する水道管の位置情報管理システム、宮崎県宮崎市で水位計として導入例がある。ソフトバンク プロダクト技術本部の大西健広氏によれば、このほか令和6年能登半島地震で地面の動きをデータとして提供しているという。

上=ロボットの位置情報を反映した画面。下=ロボットの軌道を表す画面

 ソフトバンクは、2020年度から中之島ロボットチャレンジにスポンサーとして協力。2024年からはこれまでのロボットの制御に用いるのみならずWeb管理システム上にリアルタイムでロボット・物体の位置把握に活用する試みが行われた。複数台のロボットを操作する場合、個々のカメラの映像のみではわかりにくい。各ロボットの位置情報を俯瞰して把握することは、実用性を想定した機能と言える。

 中之島ロボットチャレンジの事務局を務めるプロアシストの猪熊一行氏は「人の往来や天候も変わる屋外で実験データを取れることは重要」と大会の意義を語る。ichimillについてはLiDARなどでは難しい場面があったことを語り「ichimillを導入して初めて(ロボットチャレンジを)完走できた。RTKで精度の良いデータが得られるのはありがたい」と感想を述べた。

左=ソフトバンク 秦健太朗氏。右=同 大西健広氏
大阪公立大学 田窪朋仁氏
パナソニックアドバンストテクノロジー 高橋三郎氏
神戸市立工業高等専門学校 清水俊彦氏
プロアシスト 猪熊一行氏