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Android 12 Beta 3がリリース――スクロールスクショや顔検出機能を使った画面回転など

 米グーグル(Google)は、次世代Android OSとなる「Android 12」のベータ版「Android 12 beta3」を公開した。「Android 12」の最終APIと公式SDKが含まれており、アプリのデベロッパーはアプリのテストとアップデートを始められる。

beta3からの新機能

スクロールスクリーンショット

 スクロールするコンテンツを共有する際、コンテンツ全体を撮影できる「スクロールスクリーンショット」が追加される。

 ユーザーがスクリーンショットを撮影すると、対応コンテンツで「Capture more」ボタンが表示され、全体を撮影/トリミングできる。

スクロールスクリーンショット

 ViewベースのUIを採用しているアプリは、変更せずに利用できるが、ViewベースのUIを使っていないアプリや高度にカスタマイズされたUIをサポートしているアプリの場合、「ScrollCapture API」の導入で対応できる。

デバイス内検索の強化

 beta3では、新しい高性能オンデバイス検索エンジン「AppSearch」のプラットフォームをサポートし、デバイス内検索の強化を図る。

 「AppSearch」では、「構造化されたデータ」をインデックス化し、検索できるもので、高効率なインデックス作成や検索、多言語サポート、関連性ランキングなどが利用できる。

 「AppSearch」には、アプリが使用する「ローカルインデックス」とシステム全体で使用される「セントラルインデックス」がある。「セントラルインデックス」に参加するアプリは、ユーザーが設定を切り替えない限り、アプリのデータをシステムUIサーフェスに表示できるようになる。また、他のアプリが「セントラルインデックス」に参加するアプリのデータを検索できるようになる。

プライバシーインジゲーター

 アプリがデバイスのマイクやカメラを使用しているときに、ステータスバーに表示される「プライバシーインジゲーター」をBeta 2からサポートする。

 Beta 3では、「WindowInsets」に新しいプライバシーインジケーターAPIが利用できるようになった。このAPIを利用すれば、画面の向きや言語設定を考慮して、インジケーターの最大表示範囲や画面上の相対的な配置を確認できる。

自動回転機能の高速化

 画面の自動回転機能について、インカメラを使った顔検出機能を追加し、画面を回転させるタイミングの精度を向上させた。ユーザーが、ソファやベッドで横になりながら端末を使用する場面などで活躍するという。顔検出機能はPixel 4以降のPixelデバイスでサポートする。

 なお、顔検出機能では画像がデバイスに保存されたり、送信されることはない。

 また、画面回転の高速化を図るため、アニメーションを最適化した。また、機械学習によるジェスチャー検知アルゴリズムを追加し、これらの取り組みにより、画面回転機能の待ち時間が25%短縮されたとしている。

Game Mode API

 バッテリーセーバーやフレームレートを最大化するなど、アプリに応じてパフォーマンスプロファイルをユーザーが設定できる「Game Mode API」が利用できる。

 近日中にリリースされる「ゲームダッシュボード」と連動し、ゲームのプレイ中に主要なユーティリティーに素早くアクセスできるオーバーレイ機能を提供する。

 また、ゲームのインストール中にデータをバックグラウンドで取得できる「Play as you download」をサポート。ユーザーがより早くゲームをプレイできるようになる。

通常(左)と「Play as you download」をサポートした(右)ものの起動画面。右のほうが早くゲームを起動できる

 このほか、法人/団体ユーザー向けの「カメラ/マイク権限」の一括変更機能などが追加される。

 Android 12 Beta 3は、Pixelデバイスで利用できるほか、シャープやTCLなど一部メーカー端末、Androidエミュレーターなどでも利用できる。

 なお、Android 12は、次回のBeta 4で「Platform Stability」となる。プラットフォームの安定化で、アプリ向けシステムの動作などが確定するため、デベロッパーは最終的な互換性テストを開始できる。

今後のロードマップ