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「nuroモバイル」今後の取り組みを説明――LINEMOのミニプランについて「十分戦える」
2021年7月15日 16:42
ソニーネットワークコミュニケーションズは、MVNOサービス「nuroモバイル」について、メディア向けに説明会を開催した。
説明会には、同社MVNO事業室室長の神山 明己氏が登壇し、4月にスタートした料金プラン「バリュープラス」の現状と今後を説明した。
「バリュープラス」は順調な滑り出し
「バリュープラス」は、4月1日に提供開始した料金プラン。音声通話SIMで、月額料金はデータ容量3GBで792円、5GBで990円、8GBで1485円となっている。
3~8GBまでのデータ容量設定について神山氏は、「nuroモバイルユーザーの99%が10GB以下の利用量」となっていることや、調査会社/総務省などの実態調査などを参考に設定したという。
また、「データ繰り越し」や「パケットギフト」、5/8GBプランでは3カ月ごとにデータ容量がもらえる「Gigaプラス」など便利な機能を備えたほか、解約金や転出手数料も無料で提供している。
この、「バリュープラス」を提供した結果、昨年の第1四半期と比較して、新規契約者は4.7倍に増加しており、同プランが順調に滑り出している結果が見られた。7月以降も順調に契約数を伸ばしているという。
「バリュープラス」ユーザーの属性をみてみると、男女比は男性が79%で女性が21%。年代別では40代が34%と多く、30~50代ユーザーで全体の約8割を占めている。
年代比率は、MVNOを選択するユーザーの比率に近いため、「コスト重視のユーザー」に選ばれていると分析した一方、男女別では男性が約8割を占めていることから、「女性にも選ばれるようバリューアップさせていく」(神山氏)とした。
契約者アンケート
「バリュープラス」契約者向けにアンケートを実施した。
同プラン契約前に加入していた通信会社について、56%がMVNOからの転入、25%がサブブランドを含むMNOからの転入だった。神山氏は「価格に敏感で自分にあったデータ量を納得できる価格で使いたい」ユーザーや「オンライン申込みに抵抗ない」ユーザーに選ばれ、低容量プランが受け入れられていると分析している。
選ぶときのポイントの問いには、「納得できる価格」や「自分にあったデータ容量」、「音声通話SIMが安いこと」の回答が上位3位を占めた。「バリュープラス」が目指した「お客様にぴったりな新プラン」「もっとおトク! な価値提供」が評価されたとまとめている。
また、「他人に勧めたいか」というアンケートでは、44%が推奨したいという回答だった。3月までの旧プランの契約者に対しても昨年11月~12月に同様のアンケートをとっており、そのときの推奨ユーザーは18%だったことから、「バリュープラス」の評価は高いという結果になった。
新たな取り組み「AIによる帯域制御」「音声通話」「5Gサービス」
評価が高い一方で、今後期待していることを聞くと「安定した通信速度」や「アプリ不要で安く音声通話ができること」との回答が多かった。
これを受け同社では、この期待の声に応える3つの取組みを行っていくという。
AIによる帯域制御
同社では、混雑時の通信速度改善に向け、「AIによる帯域の自動割り当て」を実施している。
ソニーグループのAI技術を応用した取り組みで、未来の通信量を予測し、予測に合わせて帯域の割り当てを動的に変更する。
音声通話「アプリなしで低料金」
これまでは、専用アプリを経由するか電話番号の頭にプレフィックス番号を付与することで、安価な電話料金を提供していたが、今後「00XY自動付与機能」(オートプレフィックス機能)を提供し、アプリ不要で低料金を実現するという。
年内にNTTドコモ回線からスタートし、KDDIとソフトバンク回線にも提供を検討している。
5Gサービスの提供
今秋までに、ドコモ/KDDI/ソフトバンク回線で「5G通信サービス」の提供を開始する。
通信速度については、4Gと5Gを同じ設備で運用するため、混雑時は4Gと変わらない速度での提供となる。
eSIMはMVOの動向次第
なお、今後期待していることの回答には「eSIM」を要望する声もあった。
eSIMの導入については「フルMVNOではないため、MNOから機能の提供があってはじめてサービスが提供できる」とコメント。MNOの動向次第で、eSIM導入を検討していくという。