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ドローンの8K空撮映像を5Gでリアルタイム配信、シャープとドコモが実証実験――災害対策での利用見込む

 シャープとNTTドコモは、災害時の広域監視を想定した5Gによる8K映像のリアルタイム伝送の実証実験に成功したと発表した。

 神奈川県横須賀市の「横須賀市ドローンフィールド」で実施されたもので、横須賀市と横須賀テレコムリサーチパークによる「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の一環。実験用の5Gネットワークを構築し、ドローンに搭載された8Kカメラで撮影した地上の映像を、上空60mから地上の8Kテレビまで配信した。

実証実験の構成図
左=高度60mからの8K映像 右=高度40mからの4K映像

 映像配信には次世代技術の「SRT」(Secure Reliable Transport)を採用。これにより途切れにくい表示を実現したという。また、実験では地上に置いた8cm角の市松模様のボードを上空60mと40mの地点からそれぞれ8Kと4Kで撮影。8Kの場合、4Kより高い地点でも同程度の精細度で撮影でき、より広範なデータを取得できることを確認したという。

 ドローンを利用した空撮は2Kほどの画質で録画し、着陸後に内容を確認するという方法が一般的。今回の実験では2Kの16倍もの情報量を持つ8K映像を5Gでリアルタイムに伝送できることを確認した。シャープでは今後、災害発生時に、被災状況をタイムリーかつ広範囲に確認するなど、災害対策および防災用途での利用を見込んでいる。