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ドコモ、6Gに向けた技術コンセプトを公開

 NTTドコモは、2030年頃のサービス開始を目指すという第6世代(6G)の通信規格に関する技術コンセプト(ホワイトペーパー)を公開した。

 同社が示す6Gおよび5Gの高度化(5G evolution)の要素は大まかに分けて6つある。

100Gbpsの超高速・大容量通信

 「超高速・大容量通信」は100Gbpsという速度や新たな帯域の開拓を目指す。これにより五感を再現するようなVR/AR体験が可能になるという。

大空でも海でも通信

 「超カバレッジ拡張」は、エリアカバー100%でどこでもGbpsクラスの通信を享受できる。さらに高度1万mの上空や海上(200海里)、宇宙での通信も実現する。

充電要らずのウェアラブルも

 「超低消費電力・低コスト化」は充電が不要な端末の開発、低価格のミリ波デバイスの実現をうたう。

1ms以下の超低遅延

 「超低遅延」は、無線区間だけではなくエンドツーエンドの遅延が1ミリ秒(ms)以下を、常に実現する。

 たとえば人の表情をカメラで読み取り、それにあわせた対応をAIやロボットが返す、といったサービスを実現する

信頼度は99.99999%

 「超高信頼通信」は、クリティカルな用途にも耐えられるスペックを目指す。信頼度は99.99999%になるという。

5Gの10倍の「超多接続」

 「超多接続&センシング」は、5Gの10倍のスペックを目指す。1平方kmあたりのデバイスが1000万個、同時に接続できる。

 ありとあらゆる場所にセンシングデバイスを設置できるようになる。

 これまで同社では、2018年ごろから5G evolutionと6Gに向けた検討、技術開発を進めてきた。2018年には、150GHz帯での超広帯域電波伝搬の測定装置を開発していた。

 過去を振り返ると、おおよそ10年ごとに新たな世代の通信規格が登場しており、2020年春に始まる5Gも、ドコモでは2010年ごろから検討をスタートしてきたという。

 23日と24日に開催される「DOCOMO Open House 2020」でパネル展示やコンセプト動画が披露される。

 総務省でも6Gに向けた有識者会合が設立されることになったが、ドコモではホワイトペーパーの公開により、業界関係者や産学官で連携し、議論が活発になることを期待しているという。