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2019-2020年冬春モデルは「4Gの集大成」、ドコモ発表会レポート

 NTTドコモは10月11日、2019-2020年冬春モデルの発表会を開催した。スマートフォンは手頃な価格帯からハイエンドモデルまでの5機種、子供向けやシニア向け、セットトップボックス(STB)も含めると計8機種の新製品が順次発売される。このほか、新サービスや既存サービスの拡充についても発表された。

NTTドコモ 代表取締役社長 吉澤和弘氏と、テレビCM「星プロ」シリーズに出演する星野源、新田真剣佑、長谷川博己、浜辺美波

冬春モデルは「4Gの集大成」

 スマートフォンのラインアップについては、10月1日に施行された改正電気通信事業法をはじめとする新制度による販売方式の変化などを踏まえ、夏モデルと同様に、手頃な価格帯のスタンダードモデルと最先端の性能・機能を求めるユーザーのためのハイスペックモデルに二分化された構成となっている。

 スタンダードモデルの新機種は、夏モデルとの入れ替えではなくラインアップを補完する位置付けで、「Galaxy A20 SC-02M」と「AQUOS sense3 SH-02M」を投入。Galaxy A20に関してはドコモオンラインショップ価格で1万9440円(税別)という戦略的な価格設定が壇上で明らかにされた。

 ハイスペックモデルは、「Xperia 5 SO-01M」「Galaxy Note10+ SC-01M」「AQUOS zero2 SH-01M」の3機種。Galaxy Note10+はドコモ初の12GBメモリを搭載、AQUOS zero2は最新のAndroid 10を出荷時から搭載する。

 2020年春に5Gの商用サービス開始を控え、4G以前の機種のみで構成されたラインアップは今シーズンが最後となる。吉澤和弘社長は、今回の冬春モデルは「4Gの集大成」だと語る。

 先述のGalaxy A20のような安価なスマートフォンを用意したことも含め、5G時代に向けた準備として、まずは3G端末のユーザーに対して4Gへと移行してもらうことを意識。時代に合わせてタッチパネル化された「キッズケータイ」や20周年を迎える「らくらくホン」の新機種も含めて、ミドルレンジ~ハイエンドのスマートフォンはもちろん、子供向けやシニア向けに特化した端末も含めて全機種LTE対応のラインアップとした。

 Android TVを搭載するセットトップボックス(STB)の「ドコモテレビターミナル02」は、2018年1月に発売された前機種と同様、ドコモが提供する各種映像配信サービスを自宅のテレビで楽しめる機器。「ひかりTV for docomo」を利用してBS4K放送も視聴でき、2020年夏のスポーツイベントの観戦に活躍するデバイスとして魅力をアピールする。

「生活のスタンダード」となる新サービス

 新サービスとしては、夏モデルの発表時に予告されていた「d払い ミニアプリ」の運用が始まるほか、「AIほけん」「ネットトラブルあんしんサポート」を新たに発表。AIエージェント「my daiz」では、音声ナビ機能が強化される。

 これらについては、「生活のスタンダードとなる新サービス」とレイトマジョリティ層も巻き込んだ普及を意気込む。特に、好調の「d払い」などの決済サービスを中心としたFinTech領域に力を入れる。

 「d払い ミニアプリ」は、d払いのアプリ上で加盟店などのパートナー企業が会員登録不要の簡易的なサービスを提供できる仕組み。11月28日からタクシー配車アプリの「Japan Taxi」、12月10日からシェアサイクルの「ドコモ・バイクシェア」が参加する。2019年度中にはローソンや吉野家のミニアプリも登場予定。このほか、ミニアプリを使ったクーポン配信という形で数社が加わる。

 d払いについては、11月以降もドラッグストアやコンビニなどで10%還元のキャンペーンを実施。さらに、小規模店舗の導入を支援するため、「ドコモのキャッシュレス推進ボーナス」として、一定の条件を満たす加盟店に対しても月々の決済金額の10%分を還元する。

 FinTech領域の取り組みは決済サービスだけではなく、次の一手として新たな保険サービスを発表。「AIほけん」は、スマートフォン上で簡単な質問に答えるだけで最適な保険がレコメンドされ、予算に応じてスライダーひとつでプランを調整できるという、分かりにくさを解消して加入へのハードルを下げたサービスだ。

 FinTech領域以外の取り組みとしては、利用者数が750万人を突破したという「my daiz」に、画面を見ずに音声案内だけでスムーズに目的地へたどり着ける工夫を施した新たなナビゲーション機能を追加する。

 吉澤氏は、「来年は5Gの本格商用化も控えている。期待を超える驚きや感動を提供できるように、商品とサービスの魅力をもっと高めていく」とプレゼンテーションを締めくくった。