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シャープ、4000mAhバッテリーの「AQUOS sense3」
2019年9月25日 11:00
シャープは、スタンダードシリーズのAndroid スマートフォン「AQUOS sense3」を発表した。2019年冬モデルとして登場する。
「AQUOS sense3」はAQUOSシリーズ史上最大となる4000mAhのバッテリーを搭載するAndroidスマートフォン。省エネ性に優れたIGZOディスプレイを搭載しており、1週間の電池持ちを実現した。HDサイズの動画であれば20時間以上の連続再生が可能としている。
メインカメラには、121度の広角カメラと標準カメラのデュアルカメラを搭載。被写体の動きに応じて、AIがシャッタースピードや露光などを自動で調整したり、動画の見どころを抽出し、15秒のダイジェストムービーを作成する「AIライブストーリー」を搭載する。
IPX8の防水、IP6Xの防塵性能をもつほか、文字やアイコンを大きくする「かんたんモード」などの基本機能も充実している。
また、高いセキュリティレベルと安定したネットワーク通信を実現するsXGP規格に対応し、法人用途としても安心して利用できる。
主なスペック
出荷時のOSは、Android 9。チップセットは、Snapdragon 630。4GBのRAMに64GBのストレージを搭載する。ディスプレイサイズは、5.5インチ(フルHD+ 2160×1080)でIGZO液晶ディスプレイ。
カメラは、標準カメラが1200万画素でf2.0、広角カメラが1200万画素でf2.4。ともに電子式手ブレ補正を搭載する。インカメラは、800万画素でf2.2。
無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/acに対応する。バッテリー容量は4000mAhで大きさは147×70×8.9mm、重さは167g。顔認証と指紋認証、おサイフケータイに対応する。
2つの価値を提案
AQUOS sense3/sense 3 Plusの開発をリードした清水寛幸氏は、2018年に発売した「AQUOS sense2」が、2019年上半期、もっとも売れたAndroidスマートフォンになったことを紹介。
「この実績を受けて、市場におけるAQUOS senseの役割が『スマートフォンの必要十分を定義する』物差しのような存在になったと思う。そこで今回は毎日楽しくする電池保ち、間違いない基本性能という2つの価値をもたらしたい」と意気込みを見せる。
日常を楽しくするバッテリー持ちとは
ひとつめのバッテリーについて、清水氏はまず報道陣に「電池残量が今どれくらいあるか、おわかりになりますか?」と問いかける。
そんな清水氏の問いを受け、筆者は、朝から人気RPGをもとにした位置情報ゲームを楽しんだことを思い出して、残り60%、いやもう半分を切ってしまったか……とつい記憶を探る。そんな筆者の様子を見計らったかのように清水氏は「(使っているスマホの)バッテリー残量がわかること自体が課題ではないか。いつもバッテリーのことがちょっとだけ気になっている。そんな状態になっているということ」と解説する。
つまり、仕事や家事などをこなす日常の中で、わずかとはいえ、心のどこかでスマートフォンのバッテリーの残量を気にしてしまうようになっていないか、これはスマートフォンのバッテリー持ちが十分ではないからでは? という指摘だ。
そこでシャープは今回、1年前に発表した「AQUOS sense 2」の1.5倍となる、4000mAhという大容量バッテリーを「AQUOS sense 3」へ搭載することにした。
さらにもうひとつの省エネ要素が、IGZOディスプレイ。液晶パネルの透過率を高め、バックライトをより少ない光量で、十分な明るい表示を実現。また静止した状態での表示は画面表示の書き換えを抑えて駆動させないことで電力の消費を少なくする。こうした特徴を持つ「IGZOディスプレイ」は、長きにわたってシャープの携帯電話に搭載されており、今回の「AQUOS sense3」でも省エネ性能の一翼を担うことになった。
HDサイズの動画再生で20時間駆動することを紹介した清水氏は「20時間ということは、寝るとき以外はずっとスマートフォンを使っていられるということ」と語り、それなりにスマートフォンを使い込む人にとっても十分なスペックとアピール。さらに「もうひとつ紹介したいのが、4000mAhバッテリーを普通サイズで実現したということ」と語る清水氏は、内部基板を約25%小型化したことで、大容量バッテリーながらボディの大型化を避けたことを明らかにする。
バランスの取れた十分なスペックに
バッテリーに加えて提案しようとするもうひとつの価値「間違いない基本性能」とは、処理性能、ディスプレイとカメラ、デザインという3つで構成される。
たとえばチップセットは、クアルコムの「Snapdragon630」というミドルクラスのものを採用。4GBのメモリはLPDDR4X対応で高速な処理を実現する。ストレージは64GBとなった。これらのスペックは先代の「AQUOS sense2」と比べ、CPUは15%、GPUは60%、ストレージは2倍、メモリのアクセス速度は30%とそれぞれ向上している。
ディスプレイは、新たにアウトドアビュー機能を搭載して屋外でも見やすくした。カメラもAQUOS senseシリーズで初めてツインカメラを搭載しており、「壮大な景色、室内の全景をそのまま残せる」と清水氏。またAQUOS senseで初めて手ブレ補正もサポートした。
ボディ素材には引き続きアルミを採用し、仕上げにはアルマイト染色を施す。このほか防水・防塵・耐衝撃にも対応している。
こうした要素から、清水氏は「スマートフォンが初めての人でも安心して選べる。法人ユーザーにも最適」と語る。
販路は?
過去には、SIMロックフリー版も登場している「AQUOS sense」シリーズだが、シャープ通信事業本部 パーソナル通信事業部長の小林繁氏は「具体的な販路については今回は申し上げられない。ただ(AQUOS sense 3シリーズ、AQUOS zero2ともに)できるだけ多くの方に届けたいと思っている。乞うご期待です」とコメント。キャリア版、SIMフリー版それぞれの登場に期待感を持たせた。
【お詫びと訂正 2019/09/25 11:51】
記事初出時、SIMフリーとしておりましたが、シャープの発表にそうした記述は含まれておりません。お詫びして訂正いたします。