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ドコモの5Gプレサービスで「ラグビーW杯」パブリックビューイング

 NTTドコモの5Gプレサービスの第1弾がついに開催された。20日、ドコモは5Gを活用しラグビーワールドカップ 日本VSロシア戦の模様のパブリックビューイング「もっとわかると、もっと熱い。0 distance 5G LIVE SPORTS」を提供した。

大スクリーン&スマホでの観戦

 今回行われたライブ伝送は、大スクリーンへの投影のほか、LGエレクトロニクス製の5G対応2画面端末を用いて行われた。スマートフォンのメインディスプレイには選択したアングルの映像が全画面表示でストリーミングされ、サブディスプレイでアングルを自由に選べた。

観客に用意された5Gスマートフォン
試合開始前のデモのため画面はいずれも過去試合のもの

 観客の手元に用意された5Gスマートフォンに用意されたアングルは4種類。もっともみどころなシーンを楽しめる「FOCUS VIEW」、俯瞰カメラからのアングルで両チームの戦術を把握しやすい「TACTICS VIEW」、選手のスタッツデータを確認できる「STATS」、トライなどハイライトシーンを見られる「REVIEW」の中から自由に選択して見ることができる。スマートフォンへ伝送される映像はフルHD。会場には5Gスマートフォンが30台ほど用意されていた。

メインスクリーン
左右のサブスクリーン。マルチアングルが表示されている
スクリーン全景。撮影者の背後にはスタンド席が再現されている

 会場には大型スクリーンも設置されており、試合全体の様子を映し出す4Kのメインスクリーンのほか、マルチアングルビューを表示するフルHDの2枚のサブスクリーンのほか、選手のスタッツデータや会場内の歓声のレベル、スコアなどを表示するスクリーンも用意された。

トライを決めた選手やスクラムの体重、会場の歓声レベルを示すスクリーン

 試合会場では、8台のカメラを用意して撮影しており、会場内の5G端末を通してパブリクビューイング会場へ伝送。今回はsub6をメインにミリ波帯も用いて伝送を行った。なお、パブリックビューイング会場に設置された5G基地局はビルの天井裏にあり撮影することはできなかった。

会場に展示されていた基地局モックアップ

 パブリックビューイング会場は、スタジアムのスタンド席や人工芝などが再現されており、Dolby Atomosを採用した立体音響が用意されていた。会場内ではどこにいても試合会場の音声に包まれており、大スクリーンの迫力も相まって実際に会場にいるかのような雰囲気を体感できた。

試合開始前にはチアダンスのパフォーマンスも
試合観戦中の観客たち

 会場では、スクラムの際の両チームの合計体重や、得点したチームがわかりやすく表示される演出もなされていた。

参加者の感想は

 江戸川区から観戦に来たという夫婦は「展開が早くて追いつかないことがあっても、手元の端末で巻き戻して確認できて面白い」「いつものひとつの画面だけではなく、たくさんの情報が得られるのですごく臨場感を感じられる」と興奮気味に語る。

パブリックビューイングを楽しむ夫妻

 いずれ5Gがこのような新しいサービスを当たり前にするかもしれないことについて「こうしたスポーツなどの楽しみの幅が広がるというのはとても嬉しい」と期待を口にしていた。

報道写真の伝送の展示も

 ラグビーのパブリックビューイングが行われている会場の外では、報道写真を5G回線を利用してラグビー会場から報道期間まで伝送する試みが行われていた。パブリックビューイング会場では、伝送された写真を閲覧できる端末とディスプレイが用意されていた。

3枚のディスプレイに写真が表示されていた

 仕組みとしては、ラグビー試合会場で撮影された写真を5G端末から5Gコアネットワークを通じてdOIC(ドコモ オープン イノベーション クラウド)へ伝送。そこから報道機関へ送信されるというもの。

新しい写真を受信した直後の様子
手元の端末で自由にスクロールできる

 会場にも5Gを用いて伝送されており、dOICに新たな写真がアップロードされるたびに、「NEW ARRIVALS」と表示され写真データがどんどん更新されていく様子を見ることができた。

 なお、今回はあくまでプレサービスということもあり、通常の取材時に使用される有線回線にプラスする形で、5G回線を用いて伝送を行ったという。