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「Pokémon GO」にトレーナーバトル、その仕掛けに迫る
2018年12月4日 23:00
ナイアンティックとポケモン社の人気スマートフォンゲーム「Pokémon GO(ポケモン ゴー)」で、ユーザー同士で対戦できる「トレーナーバトル」が導入される。12月4日から順次、利用できるようになる。対戦すると、勝敗にかかわらず「シンオウの石」や星の砂などがもらえる。
トレーナーバトルの導入は、12月1日、Pokémon GOの公式Twitterアカウントで予告。プレス向けにも体験できる機会が提供されており、今回その詳細をお伝えする。
対戦の始め方
トレーナー同士の対戦は、画面右下にある近くにいるポケモンや、レイドバトルを確認するメニューからアクセスできる。
対戦相手の二次元コードを読み取り、GPSで現在地を確認すると、対戦に挑むポケモン3体を選ぶ。マッチングはサーバー経由で行われるため、たとえば圏外でプレイすることはできない。
親友以上のフレンドであれば、離れた場所にいてもリモートで楽しめる。バトルする場所は制限されておらず、ポケストップやジムがない場所でも楽しめる。
なお、13歳以下のトレーナーは、トレーナーバトルのメニューが表示されず、バトルできない。
対戦リーグは3種類
Pokémon GOは、トレーナー(ユーザー)にレベルがあり、そのレベルが高いほど、強い(CPが高い)ポケモンを入手できる。
今回のトレーナーレベルでは、「スーパーリーグ」「ハイパーリーグ」「マスターリーグ」と3つの対戦リーグを用意。それぞれのリーグは、参加できるポケモンの強さに上限枠が設定されており、レベルが高いトレーナーであっても、その枠内に収まるポケモンでなければ対戦できない。
その上限は、ポケモン1体あたりのもので、スーパーリーグは1500、ハイパーリーグは2500、マスターリーグは制限なしとなる。
出場できるのは3体
本家シリーズが6体出場させるのに対して「Pokémon GO」でのトレーナーバトルは3体同士での戦いになる。バトル中、手持ちのポケモンを交代することはできる。
開発中に6体の出場も検討されたが、トレーナーバトルの時間が長くなることから断念。交代しないことも検討したが、出場するポケモンのうち1体目と6体目だけが重視される可能性が高くなり、バトルの面白さに欠けると判断したため見送った。
出場ポケモンが3体に絞られるものの、ある程度、戦略性を持ちつつ、シンプルで短時間なプレイができることから、バランスを取った格好だ。ただし、いわゆる特性は、これまでのジム戦やレイドバトルと同じく反映されない。
2つめのスペシャルアタック、2回しか使えないシールド
バトルでは、通常の技(ノーマルアタック)と、ゲージが貯まってから繰り出せるスペシャルアタックが使える。これは、従来のジムバトルと同じだ。
ただ、トレーナーバトルの導入にあわせて、ポケモンは2つめのスペシャルアタックを覚えることができるようになる。2つめの技はトレーナー以外とのバトルでも利用できるが、新たな技を覚えることで、戦略性がある程度高まることになる。
2つめのスペシャルアタックの具体的な会得方法は明らかにされていない。ただ、ナイアンティックによれば、星の砂とあめを使ってポケモンを強化する必要があるという。
2つめのスペシャルアタックに加えて、新たに追加されるのが、スペシャルアタックを防ぐシールド。トレーナーバトルの中で、2回しか使えないものだ。このシールドをどの場面で使うか、トレーナーにとってバトルを奥深いものにする要素となりそう。
技を繰り出し、相手のポケモンを全て倒せば勝利だが、倒しきれなくても残りHPで多いほうが勝利となる。
リワードは「シンオウの石」など
トレーナー同士でのバトルでは、1日3回まで、リワード(報奨)がもらえる。その内容は、最近追加された新たなポケモンたちの進化に必要な「シンオウの石」や、星の砂などがもらえる。
トレーナー以外では、チームリーダーとの対戦も楽しめる。この場合、1日1回のリワード。なお、13歳以下のトレーナーでもチームリーダーとの対戦を楽しめる。
このほか、トレーナーバトルにあわせて、新たなメダルが2つ、アンロックされる。
開発時の予告映像、ついにフルコンプ
トレーナーバトルは、「Pokémon GO」開発発表時から、その機能が予告されていた。本家シリーズで重要視されてきた「集める」「育てる」「交換する」「バトルする」という要素のひとつで、「Pokémon GO」のサービス開始から2年以上を経て、2015年9月の予告映像で示された主要機能が全て導入されることになる。
トレーナーバトルの実現に向けて、今年「Pokémon GO」に導入されたのがフレンド機能。ポケモンやギフトを交換できるようになり、たとえばギフトはこれまでに22億個、交換された。
続々と新たなポケモン、伝説ポケモンが追加され、さらにリサーチ機能も追加。リサーチはこれまでに35億回達成されており、ポケモン社とナイアンティックが目指した「もっと毎日プレイしてもらいたい」(ナイアンティックの須賀健人氏)という狙いも達成した格好。
2018年の「Pokémon GO」は、新機能に加えて、世界各地でイベントを開催した。ドイツ・ドルトムントのイベントに17万人、チケット制度になった横須賀に6万8000人(経済効果は15億円)が参加。さらに直近でイベントを行った台南は100万人以上が参加したとして、その経済効果が50億円に達したという。この点からも「人を動かして交流を促し、冒険を促した1年だったのではないか」と須賀氏は振り返る。
ローンチから2年半で、ようやく開発開始時に目指した主要機能を達成した今回。2019年には「ハリーポッター」とのコラボ作品の提供を予定するナイアンティックだが、「Pokémon GO」では、いったいどんな機能が加わっていくことになるのか、引き続き多くのトレーナーからの注目を集めそうだ。