インタビュー
シャオミに聞く2026年の展望、製品ラインアップと日本市場への向き合い方
2026年1月19日 07:00
シャオミ・ジャパンは15日、「REDMI Note 15 Pro 5G」と「REDMI Note 15 5G」を発売した。2026年に入ってからすでにスマートフォンを4モデル(22日発売の「POCO F8 Pro」含む)を発表しているシャオミ。
こうしたハイペースな新製品投入は、単なるモデル数の多さにとどまらず、日本市場におけるシャオミの立ち位置や今後の戦略を映し出しているようにも見える。ラインアップの整理や投入時期の考え方、価格設定の方針など、2026年に向けた方向性はどのように描かれているのか。今回のREDMI Note 15シリーズの投入を起点に、その狙いを探っていく。
円安でも「コスパの精神」は貫く
今回発売されたREDMI Note 15シリーズや2026年の展望について、同社プロダクトプランニング本部の安達晃彦本部長に話を伺った。聞き手は本誌 編集長の関口聖。
――昨年と比べて発表時期が早い印象です。また、ラインナップに関しても、昨年はREDMI Noteの標準モデルがなかったと思いますが、今年は用意されています。これは大きな変化なのでしょうか。
安達氏
タイミングに関しては、基本的にグローバルのスケジュールに合わせていきたいという意思があります。現在、グローバル側では2025年~26年にかけて、各シリーズのローンチタイミングを調整している段階です。REDMI Noteシリーズに関しては、実はグローバルでは変わらず1月発表が通例でした。昨年、日本での発売が3月にズレ込んでしまっただけで、今年は本来の時期に近づけたため1月になりました。
一方、POCOに関しては時期をかなり早めています。グローバル市場でも、元となるベースモデルの発表時期に近づけている傾向があります。以前は中国向けモデルがグローバル向けのPOCOに生まれ変わるまで時間がかかっていましたが、テクノロジーは旬のものですので、そのタイムラグを縮めている状況です。
――ハイエンドのXiaomi・Xiaomi Tシリーズや、REDMI、POCOとある中で、今年のラインナップはどう整理されていますか。
安達氏
将来のことは確約できませんが、コアとなるポートフォリオは、Xiaomi Ultra、Xiaomi Tシリーズ、REDMI Noteシリーズ、REDMIの4モデルだけ覚えていただければ基本的には大丈夫です。他のモデルは派生形と考えてください。POCOは「別のもの」として考えていただいた方が混乱が少ないと思います。
高いのはいらないが全部入りが欲しいならREDMI Noteシリーズ、とにかくコスパ重視で安いものがよければREDMI、そこそこのカメラ性能が欲しければXiaomi Tシリーズ、そしてこだわりの最高峰が欲しいならXiaomi Ultraを選んでいただく。この4モデルをしっかりコアなラインナップとして認識していただけるよう伝えていきたいです。
――ラインナップを見ると、リテラシーが高くコスパやスペックを求める層はPOCOを選び、数が売れるのはREDMI Noteシリーズの標準モデルになるのかなと思いました。
安達氏
そうですね。シャオミファンの方はリテラシーが高く、発信力のある方が多いですが、シャオミが今後成長していくためには、一般のお客様にも手に取っていただく必要があります。そうなると、家電量販店などのリアル店舗で展開することが重要になります。
POCO M8 5Gをオンライン限定で発売しましたが、家電量販店などのリアル店舗からも「もっとラインナップが欲しい」というご要望をいただいており、それに応えるため「標準モデル(REDMI Note 15 5G)」を持ってきたという背景もあります。
ただ、我々が注力しているのは圧倒的に、「Pro(REDMI Note 15 Pro 5G)」の方ですね。
――製品ラインナップのタイミングとしては、春商戦狙いになりますか。
安達氏
はい、春商戦、新生活シーズンに合わせています。Android端末によくあることですが、メディアに取り上げられてから話題になる期間が短い傾向があります。我々としては、定番製品に関してはしっかり1年間売っていきたいと考えています。特にエントリーモデルに関しては、1年に1回更新する必要さえない型もあると思いますので、継続的に販売できる体制を作ることが課題でありチャレンジです。
――FeliCa(おサイフケータイ)の搭載について教えてください。
安達氏
今回はグローバルと同時発表でFeliCaを搭載し、かなりプロセスを調整して合わせ込みました。ただ、グローバル版と日本版でバッテリー容量が異なります。FeliCaを搭載する関係で内部構造の調整が必要になり、日本版はグローバルモデルに比べて200mAhほど少なくなっています。
――iPhoneのeSIM仕様の違いみたいですね。日本市場ならではの悩みといいますか。
安達氏
中国やインド市場ではスペックの数値を重視する傾向があり、中にはバッテリーも1万mAhといった機種も出てきています。一方、日本のユーザーは程よいバランスや薄さを好む傾向があるため、市場の好みとスペック競争の間にギャップがあるのは事実です。
――昨年のREDMI Note 14 Pro 5GにはFeliCaが入っていませんでしたよね。
安達氏
あの時もFeliCaは、基本的にあるべきだという考え方だったんですが、結果としてないもの出してしまいました。
我々からは中国本社に、基本的にエントリー、ミドル、ハイエンドの各セグメントに1モデルはFeliCaを入れるべき、というリクエストを出しています。搭載するモデルは、特徴とコスパなどといった点からバランスがいいモデルを選んでいます。
――発表会の質疑応答で価格の話が出ましたが、部材調達の難しさなど、外部環境の影響もあるのでしょうか。
安達氏
製品のローンチ(発売)と、メモリーや部材の市況は必ずしもリンクしません。製品は発売の約1年前から開発が始まりますが、昨今のメモリ価格高騰はその開発初期の計画とはリンクしていない状況です。もし安定的に高騰しているのであれば計画に織り込めますが、昨年末から今年初頭にかけての動きはかなりイレギュラーで、我々だけでなく各社とも頭を悩ませていると思います。
――今年はさらにスマホが高くなるのでしょうか。シャオミとしての価格戦略や見解をお聞かせください。
安達氏
日本は円安という逆風もあり、決して楽観できる状況ではありません。ただ、その中でも「コスパのシャオミ」、そして「できるだけお客様に低価格でお届けしたい」という精神をベースに、最大限の価格設定をしていきたいと考えています。とはいえ現実としては、少しずつ値上げせざるを得ないのが正直なところです。
――市場環境として、そもそも今の日本でスマホが売れるのか、という点はどう見ていますか。
安達氏
市場環境への対応も重要ですが、シャオミとしては「何が差別化になるか」というプロダクトアウトの姿勢が強いです。他社がラインナップや開発を絞り込んで当てにいくのに対し、我々はバラエティ豊かに展開しています。昨年は11モデルも出してしまいましたが、今年も既に4モデルを発表しており、他メーカーの年間モデル数に相当します(笑)。
――今年も昨年と同じくらいの数を出すのでしょうか。
安達氏
まだ決まっていません。他社は年間計画が決まっていることが多いですが、我々は後半に関してはまだ流動的です。今後どのような製品が出てくるか、ぜひ楽しみにしてください。
Xiaomi Storeは今後も検討、製品ラインアップも拡大
続いて、Xiaomi 東アジアリージョン ゼネラルマネージャーのアンドリュー・リー氏に2025年の振り返りと今後の展望について伺った。
――日本市場について去年1年間を振り返ってどんな評価をしていますか。
リー氏
去年1年を振り返って、成果は大きく2点あります。1点目は「新リテール戦略」です。東京周辺でのXiaomi Store開拓ができたことが大きいです。こうしたストアは単に物を売るだけでなく、消費者にシャオミのエコシステムやスマートライフを届ける場所であり、ブランド認知を広げる上で非常に大きなメリットがありました。
2点目は「Eコマース分野」の成長です。特にアマゾンでのスマートフォン販売が好調でした。
――今年の目標を教えてください。
リー氏
1つ目の大きな目標は、引き続きリテール(店舗)戦略を推進することです。大阪・名古屋での準備を進めていますし、他のエリア展開も検討しています。
製品に関しては、ポートフォリオをさらに拡大していくつもりです。たとえばフラッグシップのライカモデルや、IoT製品、そして日本市場に適したコンパクトカテゴリーの製品なども投入できたらと考えています。
――ありがとうございました。




