【MWC19 Barcelona】
クアルコム、「5G電波×5Gスマホ」の実機デモ
2019年2月27日 13:41
クアルコムは今年のMWCにおいても大きなブースで出展し、最新の通信技術の展示を行っている。とくに今年は端末メーカー各社が発表した5Gスマートフォンが展示の目玉のひとつとなっている。
クアルコムのチップセットを採用し、クアルコムブースで展示されていた5Gスマートフォンは、サムスン、LG、ZTE、シャオミ、OPPO、ソニー、OnePlus。このうちソニーとOnePlusはプロトタイプの展示で、それ以外のメーカーは製品化が決まっている商用端末の展示となる。
これら5G端末の展示は、いずれも実際に5Gの電波を飛ばし、動画配信やゲームストリーミングなど、5Gの特長を活かしたアプリケーションを実際に動かすという形式でデモを行っていた。ただし、とくにミリ波は遮蔽物などで通信にすぐに影響が出るせいか、基本的に来場者が端末に触れない形式での展示となっていた。
展示されているのは、今年登場する「第1波」の5Gスマートフォンで、最新のSnapdragon 855にSnapdragon X50 5Gモデムを組み合わせている。Snapdragon 855は2G/3G/4Gの通信機能を内蔵しているので、X50 5Gモデムは5G通信機能だけを受け持つ。
この第1波のあとの第2波向けには、クアルコムは2G〜5Gまでの通信機能を持つSnapdragon X55 5Gモデムを発表していて、こちらも2019年中に採用端末が登場する見込みとなっている。X55 5Gモデムでは2G〜5Gまでの通信機能も持つので、組み合わせるアプリケーションプロセッサーは、通信機能を持たないものでもOKとなる。
Windowsパソコン向けチップセットのSnapdragon 8cx 5GとX55 5Gモデムが組み合わせられることが発表されている。また、X55 5Gモデムは通信機器での利用も想定していて、固定ブロードバンド機器のリファレンスデザインも公開されている。
現行の4Gスマートフォンのように、アプリケーションプロセッサー機能と5G通信機能が統合されたSnapdragonチップセットは、今年にはサンプル出荷が始まり、商用端末に採用されるのは来年になる見込みとのこと。
ブースではこのほかにもさまざまな5Gの技術展示が行われている。今年はもう5Gのサービスがスタートするので、普通に5Gでデータ通信するとかではなく、5Gを活用するアプリケーションやアンライセンスドバンドなど応用技術の展示が中心となっていた。