【MWC19 Barcelona】

ZTE、5G対応の「AXON 10 Pro 5G」を出展、ミドルレンジも発表

 ZTEは、「MWC19 Barcelona」に合わせ、5G対応のフラッグシップモデル「AXON 10 Pro 5G」を発表、同社のブースに実機を展示した。あわせて、ミドルレンジモデルの「Blade V10」と、Blade V10のスペックを抑えた「Blade V10 Vita」も発表している。

 AXON 10 Pro 5Gは、同社初の5G対応モデルで、Sub-6をサポートするモデル。欧州や中国で、キャリアが5Gをスタートするのに合わせて発売する予定だという。

ZTEの5Gスマートフォン「AXON 10 Pro 5G」

 ただし、会場内の実機は5Gの電波をつかんでおらず、ネットワーク設定にも5Gの項目は見当たらなかった。代わりに、ZTEはブースでプロトタイプを使ったデモを実施。ミリ波対応の端末とSub-6対応の端末で、5Gを通してWeChatのビデオ通話を行う様子が公開された。

プロトタイプでビデオ通話のデモを披露。写真はSub-6対応モデル
ミリ波対応のプロトタイプも出展していた

 5G対応することで端末の発熱がより高まることが予想されるが、AXON 10 Pro 5Gは放熱対策にも力を入れており、水冷システムなど、複数の技術を取り入れたという。これによって、厚みを従来モデルと同等の7.9mmまで抑えた。実機を手に取ってみたが、これまでのスマートフォンと大きく印象は変わらない。5G対応と言われなければ気づかないだろう。

7.9mmと本体は薄く、手に取ったときの印象は現行モデルと大きく変わらなかった

 ただし、ディスプレイは6.47インチと、昨年IFAで発表された先代モデルの「AXON 9 Pro」よりもやや大型になっている。チップセットはSnapdragon 855。モデムにSnapdragon X50を採用し、5Gに対応した。指紋センサーはディスプレイ内蔵型だが、残念ながらブースに展示されいた実機では有効にすることができなかった。

画面内の指紋センサーは動作していなかった

 トリプルカメラを搭載しており、メインカメラは4800万画素と2000万画素のデュアルで、これに加えて3倍ズームの800万画素カメラも備える構成だ。AXON 9 Proで対応した動画のフレームを補間する「MEMC(motion estimation motion compensation)」にも引き続き対応している。

映像のフレームを自動的に補間する「MEMC」に対応
背面にはトリプルカメラを採用する

 5G関連では、ほかにも5Gに対応したCPE(宅内装置)が展示されていた。「ZTE 5G Indorr CPE」という名称で、5Gの周波数はSub-6のみをサポートするという。

屋内用のCPEも出展

 ミドルレンジモデルのBlade V10はインカメラを3200万画素と高画質化し、AIによるセルフィーの画質向上技術にも対応する。チップセットはMediaTekの「MTK Helio P70」。背面のカメラはデュアルカメラで、背景ぼかしが可能。6.3インチのフルHD+ディスプレイを備える。

ミドルレンジモデルの「Blade V10」
インカメラが3200万画素で、背面のカメラよりも高画素

 これに対し、Blade V10 VitaはチップセットにUNISOC(中国のチップセットメーカー)の「SC9863A」を採用。ディスプレイサイズは6.26インチで、デザインテイストはBlade V10と共通しているが、フロントカメラは800万画素とスペックが抑えられている。背面の素材も変え、コストダウンを図っているという。

よりエントリーモデルに近い「Blade V10 Vita」