【MWC19 Barcelona】

HTCが5G対応の「HTC 5G HUB」を出展、ブロックチェーンスマホも

 HTCは、「MWC19 Barcelona」にあわせ「HTC 5G HUB」を発表した。サイズ感はCPE(宅内装置)に近いが、バッテリーも備えており持ち運びが可能。ディスプレイを搭載し、OSにはAndroidを採用する。いわゆるスマートディスプレイとして、音声で操作し、画面に情報を表示させることも可能だ。

HTCの「HTC 5G HUB」。左がスプリント版で右がテルストラ版

 HTCのブースには、同社バージョンのほか、テルストラ(オーストラリア)やスプリント(アメリカ)から発売されるバージョンのモックアップも置かれていた。EE(イギリス)やThree(イギリス)、ドイツテレコム(ドイツ)などでも取り扱いを予定しているという。

 HTC 5G HUBは、空冷式で背面に近い場所にファンが搭載されている。5G、特にミリ波を使って高速通信すると、そのぶん熱が上がってしまい、パフォーマンスが出づらくなる。こうした問題を解決するため、HTC 5G HUBにはファンを搭載したという。会場のデモでは、シミュレーターを使って5Gの通信環境を再現していたが、スループットで常時4Gbps以上を記録していた。

5Gでは、熱処理が4G以上にシビアになるという
パフォーマンスを維持するため、HTC 5G HUBは冷却用ファンを採用

 チップセットにはSnapdragon 855、モデムにはSnapdragon X50を採用しており、Wi-Fiも60GHzの11adに対応するという。4Kや低遅延を求められるデバイスのために開発されたハブで、HTCでは主に同社のVRヘッドセット「Vive」での利用を想定しているようだ。

 HTCのブースでは、エッジ側のネットワーク上にサーバーを置き、同時に発表されたスタンドアローン型のヘッドセット「Vive Focus」をHTC 5G HUB経由でネットワークに接続するデモを行っていた。サーバー側で行った処理を5G経由でヘッドセット側に送るため、低コストなVRヘッドセットで高品質なコンテンツを楽しめるようになる。HTC 5G HUBは、将来的に、こうしたユースケースを実現するために開発されたという。

シミュレーターで通信を行い、4Gbps程度の速度が出ていた。Vive Focusを使い、処理をネットワーク側のサーバーで行うデモも披露

 このほか、HTCのブースにはブロックチェーンを採用したスマートフォンの「Exodus 1」も展示されていた。Exodus 1は、これまで仮想通貨でしか購入できなかったが、米ドルでの販売も開始するという。仮想通貨用のウォレットが搭載されており、標準ブラウザのOperaからもこれを呼び出せる仕様。ブロックチェーンを活用したDAppsも利用できる。価格は699ドルになる見込み。

ブロックチェーンスマートフォンの「Exodus 1」
仮想通貨のウォレットを内蔵する