石野純也の「スマホとお金」
「dポイント×Amazon」徹底解説、どうすればどれだけポイントが貯まる?
2024年4月18日 00:00
NTTドコモとアマゾンジャパンが提携関係を強化し、Amazon.co.jpにdポイントが導入されました。
これまでも、d払いで決済すれば決済額に対して0.5%のポイントは貯まっていましたが、これはあくまで決済に対する通常のポイント。Amazon自体がdポイントを取り入れたことで、決済方法を問わず、ポイントが貯まるようになりました。ドコモによると、その還元率は最大で3.5%とうたわれています。
とは言え、ベースのポイントが1回5000円以上の注文に限られ、上限も100ポイントとなっているなど、細かな条件もあります。
また、ポイント還元率を上乗せしていこうとすると、契約している料金プランや年齢も関係してきます。
では、実際にはどの程度ポイントが貯まるのでしょうか。具体例を交えつつ、その条件を確認していきましょう。
ベースのポイントは1%、ただし下限5000円、上限1万円の制限あり
dポイント獲得の条件が複数に分かれているため、少々複雑に見えるAmazonのdポイント導入ですが、これは、 アマゾンジャパンがdポイント加盟店になった と考えれば理解しやすくなります。
ベースのポイントは、Amazonでの購入額に対して1%。この1%に関しては、dアカウントとAmazonアカウントを連携させているだけで受け取ることができ、ドコモの回線を利用している必要もありません。 街中にあるお店でdポイントカードを提示したときと、ほぼ同じ です。
一方で、dポイントは基本的に購入額200円に対して1ポイントの加盟店がほとんどです。還元率にすると0.5%。時間帯によっては1%になるローソンや、自社ポイントの半分が付与されるビックカメラのような例外は存在するものの、 1%という還元率は比較的好条件 と言えます。
C2C(ユーザー同士の取引)と、ビジネスモデルは異なりますが、同じくdポイントを導入しているメルカリの場合も、還元率は0.5%です。
ただし、還元率がいいぶん、購入額には1回5000円以上という条件がつけられています。これを下回る注文に対して、dポイントは付与されません。
また、1回に付与されるdポイントに、100ポイントという上限も設けられています。1%で100ポイントのため、1万円までしかdポイントがつかないというわけです。 5000円~1万円までという範囲に限っている点は、他のdポイント加盟店との大きな違い になっています。
簡単にまとめると、dポイントは5000円~1万円の注文に付与され、その額は最低50ポイント~100ポイントになります。
これは、あくまで1回あたりの金額。
例えば、1万円のものを3つ購入したい場合、1回で3万円支払うと100ポイントにしかなりませんが、3回に分ければ300ポイントになります。
逆に、単価が5000円以下の安い商品は、小まめに購入するよりまとめた方がポイント還元を受けやすいと言えるでしょう。下限と上限がはっきり設けられているため、買い物の仕方が変わりそうです。
Amazonプライム会員は「ドコモから申込み」「d払い」も
「Amazonならでは」なのが、Amazonプライムを契約し、かつ特定の料金プランを利用している場合のポイント還元です。このAmazonプライムは、ドコモを通じて申し込む必要があります。
対象の料金プランは、「eximo」「ahamo」「ギガホ」の3つ。低料金を売りにした「irumo」だとポイント還元を受けられません。また、決済にはd払いに指定されています。
「Amazonプライム」「料金プラン」「d払い」の条件を3つ満たすと、還元率が1%上がります 。こちらの1%還元には特に金額の下限は設けられていませんが、上限は毎月100ポイントに制限されます。
ベースのポイントは1回ごとに100ポイントまでですが、こちらは1カ月の合算で100ポイントという違いがある点には注意が必要です。また、この条件でつくポイントは、「期間・用途限定」になり、後述するランク判定の対象外になります。
もう1つあるのが、 料金プランに関わりなく、60歳以上のユーザーに対する1%還元 です。こちらも、ドコモを通じてAmazonプライムを契約している必要があり、支払いもd払いが条件になっています。 「Amazonプライム」「60歳以上」「d払い」の3つがそろうと、さらに1%追加 で還元を受けられるというわけです。1カ月の上限は上記と同じ100ポイント。付与されるポイントが「期間・用途限定」である点も同じです。
また、2つの還元は排他的な関係ではなく、両方を受けることが可能。 「Amazonプライム」「料金プラン」「60歳以上」「d払い」の条件がそろうと、計2%、最大で月200ポイントの還元 が受けられます。この場合、Amazonにつく基本のdポイントと、d払い決済につくdポイントを合わせると、還元率は3.5%に。1万円の買い物で、350円ぶんのポイントがつく計算になります。
ただ、本誌読者でこの条件をすべて満たせる人は少ないでしょう。特に60歳以上となると、その数は減りそうです。筆者も還元率が3.5%に届くには、約14年の月日が必要です(笑)。逆に、60歳以上の人が若者向けのahamoを契約している可能性は低いはず。eximoやギガホはありえそうなものの、依然としてギガライトにとどまっていたり、データ使用量が少ないため、irumoに変更したという人も多いでしょう。
こうした条件を踏まえると、ドコモがうたう最大3.5%の還元を受けられる人は、かなり限定的と言えそうです。ドコモユーザーでも、多くは1~2.5%の間といったところではないでしょうか。かく言う筆者も、ドコモの料金プランはirumoのため、d払いで支払ったとしても還元率は1.5%。アカウント連携とd払いだけでこれまでもらえなかったポイントがもらえるので、利用しない手はない一方で、これで積極的にAmazonを使うかというと何とも言えない微妙な還元率です。
ランクに応じてポイントが最大2.5倍に、曜日によっては9%還元も狙える
ただし、dポイントクラブには「会員ランク」という仕組みがあり、ランクに応じて最大で2.5倍までポイントが増量されます。Amazonの通常ポイントである、1%ぶんも、このランクの対象。最大ランクである 「5つ星」であれば、ポイント還元率は2.5倍に増え、2.5%に跳ね上がります 。1万円の買い物で、250ポイントが付与されるようになるというわけです。
ドコモの発表にあった「最大3.5%」には、このランクが考慮されていません。仮にランクが5つ星で、かつAmazonプライムをドコモ経由で申し込んでおり、料金プランがeximoだった場合にd払いで支払うと、還元率は5%に上がります。60歳以上だとさらに1%上がり、還元率は6%にアップ。1万円で600ポイントと、まずまずの高還元になります。
ちなみに、dポイントのランクは、3カ月間のdポイント獲得数によって決まり、5つ星になるには5000ポイントの獲得が必要。0.5%還元の店舗で貯めようとすると3カ月で100万円ぶんの買い物が必要になり、あまり現実的ではありません。近道なのは「dカードGOLD」でドコモ回線やドコモ光、ドコモでんきといったサービスの料金を支払うこと。特にドコモ回線やドコモ光は還元率が10%と高いため、5000ポイント獲得のために支払う金額が3カ月で5万円まで下がります。
家電量販店で比較的高額な家電を購入する際にdポイントを貯めるのもオススメの手法。ビックカメラの場合、dポイントは自前のビックポイントの半分になってしまいますが、5%還元を受けられる商品が多数ラインナップされています。仮に10万円のテレビを買ったとすると、それだけで5000ポイントになり、5つ星に上がります。獲得ポイントが2倍になる「3つ星」は600ポイントで達成でき、ハードルが低いため、まずは3つ星になっておけば、ポイントが半減してしまうデメリットもなくなります。
話が若干横道にそれてしまいましたが、このようにポイント2倍の3つ星であれば、すぐに達成は可能。還元率0.5%の店舗で貯めたとしても、3カ月で12万円、1カ月あたり4万円の買い物で達成できます。d払いも併用すれば、この必要額は半分まで下がります。上記のようなポイント還元率の高い店舗を組み合わせれば、必要とする金額はより少なくなります。3つ星でも、Amazonの還元率は2倍の2%になります。条件がすべてそろえば5.5%と、なかなかの還元率です。
さらに、Amazonは金曜日と土曜日にd払いの還元率が上がる「d曜日」の対象です。こちらは、この2つの曜日だけポイント還元率が3%上がるというもの。ここまで考慮すると、60歳未満で8%、60歳以上で9%まで還元率を引き上げることができます。金曜日か土曜日の買い物で、かつd払いを使い、ドコモ回線でAmazonプライムを申し込んだうえでeximoかahamoかギガホを使い、さらにランクを5つ星に上げておくといった下準備まで必要になりますが、工夫次第でここまで上げられることは覚えておいてもよさそうです。