石野純也の「スマホとお金」
いよいよ発売! 「Galaxy S24/Galaxy S24 Ultra」をおトクに買えるのはどれ? ドコモ、au、サムスンSIMフリー版で比較
2024年4月11日 00:00
サムスン電子のフラッグシップモデル「Galaxy S24」「Galaxy S24 Ultra」が4月11日に発売されます。これまでの同シリーズとは異なり、今年はNTTドコモ、auに加えて、サムスン電子自身がメーカー版(サムスンはSIMフリー版と呼んでいますが、キャリア版にもSIMロックはかかっていないため、ここではメーカー版と呼ぶことにします)も同時に販売。仕様面での大きな違いもないことから、Galaxy S24シリーズの取り扱いがないソフトバンクや楽天モバイルユーザーだけでなく、ドコモ、auのユーザーがこれらを検討してみる価値もありそうです。
メーカー版のGalaxy S24シリーズは、ドコモ版、au版と比べると本体価格が抑えられているのが特徴。カラバリやストレージ容量のバリエーションも、キャリア版より豊富です。一方で、前回の連載でも指摘したように、分割払いは後払いサービスのペイディ限定。しかも分割回数は最大で12回しか選択できず、1カ月あたりの負担額は大きくなります。これに対し、キャリア版はアップグレードプログラムを利用できます。では、それぞれの販路でどの程度の差が出るのでしょうか。発表済みの価格で、それを比較してみました。
本体価格が安くてシンプルに買えるメーカー版、ただし最大分割回数は12回
まずは、もっともシンプルな買い方ができるメーカー版から。こちらは、Galaxy S24の256GB版が12万4700円、512GB版が13万9000円です。Galaxy S24 Ultraになると価格は上がり、256GB版が18万9700円、512GB版が20万4100円、1TB版は23万3000円になります。キャリアのようなアップグレードプログラムはないため、下取りに出す端末がなければ、基本的には、この金額を一括ないしは分割で支払います。
冒頭で述べたように、分割払いはペイディに対応。支払回数は3回、6回、12回から選択できます。最大で12回のため、24回から48回程度の分割回数が基本になっているキャリアと比べると、1回当たりの支払額はどうしても高くなります。もっとも安価なGalaxy S24の256GB版でも、12回払いで1回あたり約1万391円。最高値をつけているGalaxy S24 Ultraの1TB版だと、1回の金額は約1万9416円になります。
ペイディでの支払いには金利はかからないので、損をするわけではありませんが、毎月のランニングコストが1万円を超えてしまうため、少々厳しいと感じる人もいるでしょう。ただし、12回の支払いさえ終わってしまえば、当然ながら代金の支払いは一切ありません。返却などを前提にしたプログラムではないので、ユーザーの手元に端末が残るのもメリット。中古店やサムスン自身が展開している下取りに出せば、次の端末を購入する際の原資の一部になります。
一例を挙げると、23年7月に発売された「Galaxy S23 Ultra」のメーカー版は、中古品の買い取り上限額が15万円程度。サムスン電子の下取りサービスでは、キャンペーンで最大11万1000円の価格をつけています。サムスンのサービスを利用しつつ、Galaxy S23 Ultraの1TB版からGalaxy S24 Ultraの1TB版に乗り換えた場合、差額は12万2200円に。Galaxy S24の256GB版より、支払額は少なくなります。
メーカー側で残価設定型のアップグレードプログラムを用意していないため、少々手間はかかってしまいますが、ユーザー自身で古い端末を売却しつつ、それを新端末の購入費用に充てるようにすれば、負担感を抑えることができます。一方で、下取りに出せる端末がないような場合には、やはりキャリアのアップグレードプログラムを利用した方が、実質的な負担額は少なくなる傾向にあります。
1年利用で価格を抑えたドコモ、Galaxy S24は実質6万2788円から
ドコモは、Galaxy S24とGalaxy S24 Ultraの両機種を、「いつでもカエドキプログラム+」の対象にしています。「smartあんしん補償」への加入や、「早期利用料」の支払いは必要になりますが、これを利用すれば、最短で12回分の支払いだけで済みます。Galaxy S24(256GB)の場合、本体価格はサムスンよりやや高めの14万5970円。一方で、残価が7万752円に設定されており、24回目までに返却すれば、実質価格は2年で7万752円になります。
これに対し、いつでもカエドキプログラム+の早期利用料を支払ったうえで、12回目の支払いを終えた直後に端末を返却すると、残価の7万752円に加え、13回目から23回目の分割支払金である3万5970円の支払いも免除されます。12回目までの支払金である3万9248円に、早期利用料の1万2100円とsmartあんしん補償13カ月分の1万1440円を加えたときの実質負担額は6万2788円です。
smartあんしん補償の支払いをどう捉えるかにもよりますが、補償サービスを元々契約するつもりであれば、これを差し引いた5万1348円がGalaxy S24を1年間利用するための実質的な負担額という見方もできます。来年、「Galaxy S25(仮)」が登場した際に、そちらに乗り換えることを前提にしているのであれば、1カ月あたり3270円と乗り換えの際の1万2100円で済みます。毎月の負担額を抑えつつ、最新モデルを使いたい人には悪くない選択肢と言えそうです。
いつでもカエドキプログラム+は、高額になりがちなハイエンドモデルを、1年単位で乗り換えていくのにはリーズナブルな仕組み。先に挙げたGalaxy S24 Ultraの1TB版もこの対象で、普通の分割払いよりも毎月の負担感は軽くなります。ドコモでは、1TB版はドコモのオンラインショップでのみ販売しており、本体価格は26万1580円。サムスン電子版より3万円ほど高くなる一方で、24回目の残価も10万5600円と比較的高めに設定されています。
23回目まで支払って約2年間利用した場合、この残価を差し引いた15万5980円がいわゆる実質価格になります。また、いつでもカエドキプログラム+を適用すると、1回目から12回目の8万1389円も支払いが免除されます。早期利用料の1万2100円、smartあんしん補償の1万4300円を加味しても、1年での実質価格は10万7789円まで下がります。毎月の支払いも6781円で済むため、手軽にハイエンド端末を持って最新モデルに乗り換えていくのであれば、こうしたプログラムを利用した方がいいと言えるでしょう。キャリア版を選ぶメリットは、ここにあります。
auマネ活プランでいきなり2万2000円引きのau、2年でリーズナブルな価格を目指す
次に、au版を見ていきましょう。Galaxy S24は、本体価格が14万4800円。auの残価設定型アップグレードプログラムの「スマホトクするプログラム」では、24回目の支払額が6万5000円になっています。残価としては、先に挙げたドコモ版よりもやや安め。毎月の支払額は3469円になり、実質価格は7万9800円です。auには1年で端末を買い替えることを前提にした早期返却の仕組みがないため、基本的には2年間利用することでこの価格になります。
ただし、Galaxy S24/S24 Ultraには、5月31日にまで「Galaxy S24機種変更おトク割」が適用されます。これは、2機種への機種変更に、最大で1万6500円の割引を受けられるというもの。料金プランは「auマネ活プラン」やそのコンテンツパックに限定されますが、これに「5G機種変更おトク割」を併用すると、Galaxy S24の本体価格は12万2800円まで下がります。割引ありの状態だと、サムスン電子が直接販売するメーカー版に近い価格設定と言えるでしょう。
スマホトクするプログラムは、この状態で割賦を組む仕組み。割引適用時は毎月の支払いが2513円になり、約2年間使ったときの実質価格も5万7800円まで下がります。ドコモ版をいつでもカエドキプログラム+で購入し、12カ月目までに返却したときの実質価格とほぼほぼ変わらなくなるので、お得な仕組みと言えるでしょう。料金プランがauマネ活プランに限定されているのがネックですが、元々、データ使用量が多く、使い放題の料金プランを契約している人にとっては買いやすい仕組みと言えそうです。
この仕組みは、Galaxy S24 Ultraも同じです。オンライン限定の1TB版の場合、本体価格は25万9800円で、残価は10万9000円に設定されており、通常だと毎月6556円の支払いが必要になります。実質価格は15万800円です。一方で、Galaxy S24機種変更おトク割と5G機種変更おトク割を組み合わせると、ここから2万2000円、支払額が下がります。割引適用時は実質価格が12万8800円、毎月の支払額が5600円になります。
ただし、ドコモ版のGalaxy S24 Ultraを1年で返却した時と比べると、実質価格はやや割高。これは、1年で返却した場合に免除される額が大きくなるからです。高額なモデルほど、いつでもカエドキプログラム+の優位性が出てくると言えるでしょう。逆に2年使おうとすると、本体価格に対して直接割引のあるauの方が割安になります。どちらかと言えばドコモの方がギーク寄り、auは一般的なユーザーに優しい買い方という見方もできそうです。
毎月の負担額を抑える買い方が充実している点は、キャリア版のメリット。メーカー版は、こうした仕掛けがまだまだ足りない印象です。とは言え、メーカー版にはドコモやauが取り扱っていないカラーや容量があり、どうしてもそれがほしい人のニーズにはこたえています。本体価格が安く、手元に端末が残るのもメーカー版ならではです。端末を購入する際には、こうしたメリット・デメリットを踏まえておきたいところです。