本日の一品

睡眠サイクルの測定もできる「fitbit one」

ワイヤレス アクティビティ+スリープトラッカー fitbit one ブラック

 前回、ワイヤレス アクティビティトラッカー「fitbit zip」をご紹介した。コンパクトなトラッカーを付属のクリップで装着しておくだけで、歩数や距離、消費カロリーといった活動量を計測してくれるというものだ。転送操作は一切不要というのが大きな特徴で、誰にでも簡単に始められる製品であることが分かったと同時に、自分があまりに動いていないことも分かった。トホホ!

 今回ご紹介するのはワイヤレス アクティビティ+スリープトラッカー「fitbit one」である。トラッカーに加え、クリップカバー、USBハードウェアキー、睡眠モニター用リストバンド、充電ケーブルが同梱されている。コンパクトで軽く、防滴仕様で、クリップカバーに入れて装着する点は「fitbit zip」と同じだが、見た目は少々細長くなり、電池ではなくUSBケーブルによる充電になっている。

 名称に「+スリープ」が加わっている通り、測定できる機能にも違いがある。「fitbit zip」では、歩数、距離、消費カロリーの測定ができたが、「fitbit one」は、昇った階段も記録できる。さらには、睡眠中も装着し続けることで、睡眠時間や睡眠サイクルの記録も可能になっているのである。

 「fitbit zip」はパソコンと同期させたが、「fitbit one」は、iPhone用のアプリと同期させながら、日々の活動データを測定してみた。事前に付属のUSBケーブルで充電したら、アプリと連携だ。こちらも難しいことはなく、本体をオンにした状態で、アプリに検出させればOKだった。設定時に8文字までのニックネームを付けられるのだが、起動時にそのニックネームで励ましの言葉を贈ってくれる。

 基本的は使用感は「fitbit zip」と変わらず、非常に楽である。気になったときにアプリを起動すると、そこで同期が始まり、最新のデータを見られる仕組み。分単位の詳細な消費カロリーと睡眠データなら最大7日間、日単位の歩数、カロリー、距離データは30日間、機器側に保存される。同期のタイミングは1週間に1回程度でもいいが、設定を開けば、バックグラウンドでの自動同期も選べる。本体のボタンを押せば、時計、目覚まし設定時刻、歩数、階段、移動距離、消費カロリー、アクティブスコアの順で当日のデータを見られるが、やはりアプリのほうが見栄えがして楽しい。

 「階段」は、これまでの活動量計で意識したことがない部分だったので、意識的にデータを見るようになった。何をもって1とカウントしているのか、数値と実際の行動の記憶が一致していない部分もあるが、階段があれば意識するようになり、時間に余裕があるときは、横断歩道ではなく歩道橋を選ぶといった意識の変化も生まれ、喜ばしい限りである。ちょっと頑張ると、「目標達成バッジ」が贈られる。評価されるのはうれしいものだ。

左上から、睡眠モニター用リストバンド、トラッカー、クリップカバー、USBハードウェアキー、充電ケーブル
こちらが「fitbit one」のトラッカー。Bluetooth 4.0で接続する
トラッカーの裏側
「fitbit one」(右)の装着例
就寝時は、睡眠モニター用リストバンドの中に入れて装着
充電はUSBケーブルで行う

 さて。最も気になったのは睡眠サイクルの計測機能だ。昼間、クリップでポケットなどに装着していた本体を、睡眠モニター用のリストバンドに入れ替え、利き手と反対側の腕に巻いて就寝する。これで、起きた回数と合計の睡眠時間などを教えてくれるという。睡眠時間は、寝る前と起床後にボタンをタップして、記録させることもできるし、あとから手動で入力することも可能だ。

 普段、筆者は「Sleep Cycle」というiPhone用の目覚ましアプリを愛用しており、眠りの浅いタイミングで起こしてもらっている。そのため、リストバンドを巻いたらそのまま寝てしまうことが多く、手動入力がメインなのだが、時刻を入力すると、目覚めた回数を数字で示しつつ、落ち着かない状態、または目覚めた状態を図で見せてくれる(ウェブページの表記と、アプリの表記が異なるようだ)。ウェブサイトの「記録」から「睡眠」を開けば、目覚めた回数だけでなく、寝付くまでの時間や、ベッドにいた時間、実際の睡眠時間、睡眠効率、過去30日間分の統計といったデータも参照できる。

 いきなり図を見せられても、「へーそーなんだー」程度で意味が分からないかもしれないが、前半に睡眠状態が多く、起床前に落ち着かない状態(おそらくレム睡眠か睡眠段階2)が多ければ、一般的なパターンだろう。睡眠の深さまでは測定できないが、就寝してから、最初の落ち着かない状態に至るまでが90分前後なら、一度深い睡眠に入れている、つまり成長ホルモンがしっかり分泌されたかも? と想像できる。

 医療機器での測定ではないため、神経質になる必要はないが、全体的に目覚めた状態や、落ち着かない状態が明らかに多い場合などは、一貫して眠りが浅く、十分な睡眠が取れていない可能性が高いといえるかもしれない。昼間の活動に支障がない場合はいいが、日中に強い眠気に襲われたり、ぼーっとして仕事に支障がでている場合は、原因を考える必要がありそうだ。また、落ち着かない(=おそらく寝返りが多い)原因として、寝具が体に合っていない可能性も考えられる。いずれにせよ、今、自分の眠りに疑問を感じている方なら、「fitbit one」で調べてみる価値はありそうだ。

 「fitbit one」には、指定時刻に振動で起こしてくれる目覚まし機能があるが、せっかくなので、「Sleep Cycle」のように眠りが浅いタイミングで起こしてくれるようになるとうれしい。

 ちなみに、気になるのは充電タイミングではないだろうか。昼も夜も使うのに、バッテリーが切れたらいつ充電するんだ!? と筆者も悩んだ。記録してみたところ、4月に充電したタイミングは4月4日、17日、30日。満充電から次の充電まで、おおむね2週間は持つと分かった。パソコンのUSBポートから1~2時間程度で充電できるので、入浴中か、モニター前にいる時間の長い仕事中などがおすすめ。充電が必要になると、iPhoneの画面にメッセージが表示されるので、突然切れるという心配もないので安心していただきたい。

iPhone用のアプリと連携
アプリを起動すると、自動的に同期される
睡眠時間と、摂取した水分量は自動とはいかない
睡眠時間の記録。時間的には約6時間寝ていることになっているが、内容は4時間28分だという
横画面にすると、グラフを見られる
成果を通知パネルで教えてくれる
バッテリーが少なくなると通知する
「ダッシュボード」には、「階段」が追加されている
「記録」の「睡眠」では、データの登録画面が現れる
製品名製造元購入価格
fitbit one(ブラック)fitbit9980円

すずまり