本日の一品

ついに登場! テキスト入力専用機の決定版「ポメラ DM250」

 会議の議事録やセミナーのメモ取り、アイデア出しや記事の執筆に至るまで、テキストの入力と文章の作成は筆者にとってもはや生活の一部になっています。そしてテキスト入力に欠かせない相棒が、キングジムの「pomera(ポメラ)」シリーズです。テキスト入力に特化された割り切ったデバイスながら、持ち運んでも邪魔にならない軽量かつ堅牢な本体、しばらく充電するのを忘れていても使えるバッテリーの持ち、驚異的な起動の速さと打ちやすいキーボードなど、筆者にとってポメラはまさに「これが欲しかった!」が具現化された理想のマシンといえます。

 しかし愛用する「ポメラ DM200」も2016年の発売から6年が経ち、普段使いするのに支障は無いものの、文書を転送するネットワーク機能が連動先のサービスの仕様変更によって使えなくなるなど、微妙な不便さを感じるようになっていました。そこに飛び込んできた新機種「ポメラ DM250」発売のニュースには、全国のポメラ愛好者、称してポメラーたちも色めき立ったかと思います。早く触りたい。テキストを打ちまくって文章とがっぷり四つに組み合いたい。そんな闘争を求める身体を持て余していたところ、編集部から試用機を貸し出し頂く機会を頂いたので、前機種DM200との比較も含めてご紹介して参りたいと思います。

キングジムの「ポメラ DM250」

 まず外観の違いから。カラーリングがDM200の黒から濃いめのグレーに変わりました。マットな質感で落ち着いた色合いだと思います。充電&パソコン接続用の端子はUSB Type-Cになっています。SDカードスロットは変わらず備えており、最大容量32GBのSDHCカードに対応しています。SDカードは作成した文章の保存・バックアップに欠かせないとはいえ、本体の保存容量そのものがDM200の128MBに対して、DM250は約1.3GBと大幅に増量しています。この内部容量は、新たに備わった自動バックアップ機能の保存先として役立ってくれそうです。

左が「DM200」で右が「DM250」。見た目はほとんど変わりませんが中身は色々アップグレードしています。
充電&接続端子がUSB Type-Cに変わりました。SDカードスロットは変わらず備えています。

 搭載されたキーボードのサイズやキーピッチはDM200と変わらず。小ぶりながら、慣れると非常にしっくりくるサイズ感だと個人的には思います。絶妙なクリック感があり、長く入力していても疲れにくいキータッチの感触も変わりません。ただキーが少しザラつきのあるテクスチャに変わっているのと、キーの印字がアルファベット中心になっているなど、小さな変化が見られます。

DM250のキーボード。前機種からキーの大きさや配置は変わりませんが、印字の仕方が変わったほか、少しざらつきのあるテクスチャになっています。

 キーボードといえば、個人的に嬉しかったのがUS配列への切り替え対応です。普段使いにUS配列のキーボードを使っている方や、JIS配列しかないからとポメラの導入に踏み切れなかった方々も安心です。親指シフトキーボードも搭載しており、新たに1種の親指シフトのモードにも対応したといいます。付属するシールをキーに貼れば見た目も完全にUSキーボードなどに切り替えることができます。

設定を切り替えることでUSキーボードへの切り替えに対応します。個人的にとても嬉しいアップグレードです。

 ちなみにキーマップ変更の自由度も高く、筆者のようにAキーの左隣にCTRLキーが無いと耐えられないようなワガママにも対応してくれます。ちなみに前機種にもあった、ポメラ自体をスマートフォンやタブレットのBluetoothキーボードとして使用する機能も変わらず備えています。

タテ書きモードも引き続き搭載。
新たに搭載されたシナリオモード。台本や脚本を作成される方には便利そうな機能です。

 文章執筆に役立つ機能としては、従来の横書き・縦書き入力のほか、台本や脚本の執筆に役立ちそうなシナリオモードを備えています。筆者は使う機会が無さそうな機能ではありますが、番組制作や演劇に携わる方にはお役立ちかと思います。

ポメラ自体をアクセスポイントにしてスマホとWi-Fiで接続し、アプリ「pomera Link」でポメラに保存されているテキストファイルを閲覧・転送できます。

 そして今回の新機種の特筆すべき機能は、スマートフォンアプリ「pomera Link」を使った文章の転送への対応です。これはポメラDM250自体をWi-Fiのアクセスポイントにしてスマホと接続し、アプリから本体に保存された文章を閲覧・転送できる機能です。複数のファイルをポメラから移し替えるには、ポメラ自体をPCに接続したり、SDカードに一度転送するなど手段はあったものの地味に面倒くさかったので、スマホとポメラだけで済むようになったのは便利に思います。

 そのほか、連続使用時間が24時間に伸びていたり、1ファイルあたりの文字保存数が前機種の2倍の20万字に増えていたり、地味ながら充電確認用のLEDが備わっていたりと改良点をあげていくと枚挙に暇がありません。ただ、ここは何とかならなかったのか、という不満もあります。「アップロード」機能がそれです。

 これはWi-Fiに接続した上でメールで文章を転送する機能で、標準でGmailを選択できるほか、SMTPサーバ設定をすると他のメールアカウントでも利用できます。が、Google側のセキュリティ仕様により、Gmailで使うにはGoogleアカウント側の設定を変更しなければ利用できません。機能を可能な限りそぎ落としているとはいえ、もうちょっと何とかならなかったのか……と思ってしまいました。

 とはいえ長々と書き連ねてきたように、文字を打つ、文章を作成するという点においては他の追随を許さない優れたマシンである事実に変わりありません。ポメラーのみならず、文章を書く機会のあるすべての職業の方、学生の方々にも間違いなくおすすめの一品です。

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