スタパ齋藤のApple野郎

Apple WatchのGPSログがスゲく便利、GPSデータを書き出すこともできる!!!

Apple WatchのワークアウトでGPSログを取っている

 常用のスマートウォッチはApple Watch。現在はApple Watch Ultraを使っている。腕につけているといろいろ便利だが、俺の場合はとくにサイクリングやウォーキングなどの運動時に使っている。

 どう使っているか? たとえばサイクリングのときに「ワークアウト」アプリを使うと、運動時間や移動距離や消費カロリーなどなどいろいろなデータが自動的に記録される。俺的にはGPSで移動軌跡が記録されるのが気に入っている。いわばサイクリング中に自動的にGPSログが記録されるのだ。

Apple Watch上で「ワークアウト」アプリ(のサイクリング/フリーゴール)を使っている様子。走行中の各種データが自動的に記録される。サイクリングやウォーキング以外にもさまざまな運動に適したワークアウト種類が用意されている
ワークアウト終了後は記録されたデータをApple Watchの「アクティビティ」アプリで閲覧できる
iPhoneの「フィットネス」アプリを使えばより見やすい状態でデータを閲覧できる。また、走行したルート(GPSログ)をマップ上で通った軌跡として見ることもできる

 しっかり運動に取り組んでいる人にとっては、運動時のさまざまなデータが保存されて役立つと思う。またこういったデータはiPhoneの「ヘルスケア」アプリに統合され、閲覧して役立てたり、多角的に分析したりできる。

 だが俺の場合はそこまでやっておらず、サイクリングやウォーキングや街歩きや山歩きの「GPSログ取得」のためばかりに使っている。「どんなルートを通ったのか」を記録するわけですな。

 記録する理由としては、まず「あとで見返しておもしろく思い出せるから」だ。「そういえば2年前に山歩きしたような気が……」というときにGPSログを見ると、「あーそうそう、このルート通って疲れたんだった」みたいに思い出せて愉快である。街歩きのときにウォーキングとして記録しておくと、のちに「あーココってたぶんあの店だ、確か寄ったんだ」みたいなことを思い返せておもしろい。

左は過去のサイクリング時のデータで「いつもと違う道をちょっと通ったような……」ということを思い出すのに役立った。表示はもちろん拡大できる。中央は「奥多摩むかし道をサイクリングしたけど途中で工事行き止まりのときって、どこまで走れたんだっけ?」ということをマップで確認できた。右はバイク(スクーター)を手放してバイク店から徒歩で帰るときになんとなく取ったGPSログ。「バイクとの別れの日をなんとなく記録しようかな」的なGPSログであった

 もうひとつは仕事のため。俺の場合は主にe-bikeレビューなどの仕事(ロケ)で、あとからどういうルートを巡ったのか調べるときに役立てている。記事にするときにGPSログを見て「そうか、ここで左に行ったから国道と並行する林道に入れたんだ」みたいな確認などをするわけですな。

左は駿河湾サイクリングのロケで、途中で国道から裏道に入った地点を確認でき役立った。中央は大島サイクリングのロケで、どういうルートで立ち寄り地点はどこ? ということの確認に役立った。右は川崎工業地帯サイクリングのロケで、ルートおよびスポットの確認に役立った

 といった感じで、おもしろかったり役立ったり。記録されるGPSログは、たまに位置がズレたりするものの、たいだいは非常に正確。進んだのが道の右寄りだったか左寄りだったかがわかるレベルだ。Apple Watchの「ワークアウト」アプリで記録するだけで正確なGPSログが得られるのは非常にラクであり有用だと感じられる。

GPSデータの書き出しは「ヘルスケア」アプリから、GPXファイルで得られる

 Apple Watchの「ワークアウト」アプリで記録したGPSログデータは、iOSの「ヘルスケア」アプリを使って書き出せる。

 書き出せるファイル形式は「.gpx」形式。いわゆるGPXファイル(GPs eXchange Format)で、アプリ間でGPSデータ(トラックと呼ばれる軌跡情報やウェイポイントと呼ばれる地点情報)をやりとりするのに多用されている。このデータを取り出せば、たとえばGoogle マップ上に「自分が通った軌跡」を表示することができる。

「ヘルスケア」アプリからGPSログデータを取り出す方法。アプリの「概要」で表示される右上のユーザーアイコンをタップし、いちばん下までスクロール。すると「すべてのヘルスケアデータを書き出す」という項目があるのでタップする
表示に従ってデータを書き出すと、.zip形式のアーカイブファイルが得られる(時間がかかる場合もある)。ので、それを保存したり転送したりしてファイルをゲット
「書き出したデータ.zip」というファイルが得られた。これを展開すると……
「apple_health_export」というフォルダが現れた。その中身を見ると……
「ヘルスケア」アプリで使われているさまざまなデータが現れる。目的のGPXファイルは「workout-routes」フォルダ内にある
GPXファイル、ゲットー!
GPXファイルを愛用中のGPSログビュア&エディタの「GPX Binder」アプリを使って開いた様子

 GPSログは衛星からの電波の受信状態により、ズレていたり狂って見えたりすることがある。なので、Apple WatchやGPSロガーから得たGPSデータは、「GPX Binder」のようなアプリで「修正したりゴミ的なデータを削除したりしてキレイに整えてから使う」のがいいと考えている。

 そんな理由で「GPX Binder」アプリを使っているが、これって有料アプリだし、そこまでこだわってGPSデータ扱わないし、てな人向けに、GPXファイルをGoogle マップに取り込む方法をば。簡単っす。

WebブラウザでGoogle マップにアクセスし、左上のメニュー(三)を開き、「マイプレイス」をクリック
続いて「マイマップ」を選んで下までスクロールし「地図を作成」をクリック
さらに「インポート」をクリック
GPXファイルをドラッグ&ドロップする
自動的にアップロードされる
そして間もなくGoogle マップ上にGPXファイルが持つ軌跡が示される

有料アプリを使えば「ヘルスケア」アプリよりスピーディーにGPXファイルを得られる

 上の「ヘルスケア」アプリを使ってGPXファイルを得る方法は、書き出しされたデータが全データとなるので、特定のGPXファイルを探すのがちょっとタイヘン(iPhoneの「フィットネス」アプリでデータの日付をチェックするなど目星をつければ探しやすいが)。

 また、新たなGPSログを取ってそのデータを使いたい場合は、また全データの書き出しを行う必要がある。目的のGPSログだけをGPXファイルとして取り出せないのが残念。

 しかし「Cyclemeter」アプリを使えば、目的のGPSデータだけをGPXファイルとして取り出せる。ただしその機能を使うにはApp内課金が必要になる。ともあれ、どんな感じでGPXファイルが得られるのかをスクリーンショットで。

App内課金に支払って機能をフルに使えるようにした「Cyclemeter」アプリ。「ELITE」版になるようだ。「Apple Watch」>「健康からの輸入」(つまり「ヘルスケア」アプリからのインポート)を選ぶと、GPSログデータがずらりと並んで表示される。いちばん上のを選んでみる
パスから「インポート」を選ぶ。つまり「ヘルスケア」アプリから「Cyclemeter」アプリへデータをインポートする。「Cyclemeter」アプリへインポートしたGPSデータは、ファイルとして書き出すことができる。ファイル種類なども自由に選べる

 てな感じ。てゅーかAppleの「ヘルスケア」アプリでも「ひとつのGPSログデータだけを書き出し」という機能を付けてほしいモンですな。Apple WatchとiPhoneを組み合わせると、手軽さと機能性を併せ持つ汎用ロガーとしてスゲく優秀なので、データのエクスポートの自由さ手軽さについても、もっとブラッシュアップしてほしいと思う。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。