スタパ齋藤のApple野郎

Apple Watch Ultraの日本語キーボード&音声入力でイロイロ捗るゼ!!!

Apple Watch Series 7/8/Ultraで日本語キーボードが使えるようになった

 2022年9月13日に提供開始された「watchOS 9」。文字盤の追加やワークアウトアプリのアップデート、新型コンパスや低電力モードの導入など、Apple Watchのいろいろな機能性が刷新されている。

 そのなかで俺が注目したのは“Apple Watchで日本語キーボードが利用可能になった”こと。これまでApple Watchで日本語を入力する方法は音声入力のみだったが、フリックキーボードから日本語テキストを入力できるようになった。日本語キーボードを使用可能な機種は、Apple Watch Series 7/8/Ultra。

日本語はフリックキーボードから入力する。英語や数字なども入力できる
絵文字入力やqwertyキーボードによる英語入力も可能。音声での日本語入力もできる

 iPhoneでは、iOS 16からキーボード入力と音声入力を同時に行えるようになり、音声入力中だと入力しにくい記号や改行のみをキーボードから入力するようなことが可能になった。ソフトウェアキーボードのスペースキーを長押ししてのカーソル移動なども可能なので、音声入力中の文章に修飾語を追加するような操作が非常に容易になった。

 だがApple Watchの場合はキーボード入力と音声入力を同時には行えない。都度切り替えが必要なのであった。

 うぉっスゲく便利になった……ってほどでもないのだが、Apple Watchへの音声入力時の誤入力を修正するという場合にちょっと便利&効率的になった。例えば文章の最後数文字だけ誤認識され、再入力してもまた誤認識されるような場合、誤認識部分のみキーボードで確実に入力できる。

Appleの音声入力で原稿などの文章は書けるのか?

 Apple WatchもiPhoneも、最近の音声入力の認識率はかなり高いと感じられる。誤認識もあるが、やや意識して声を出せば「まあこの程度ならいいか」って感じの実用レベルで音声入力できる。これはMacでも同様で、慣れるとキーボードよりもずっと速く日本語を入力できる。Macについては、俺的Mac環境は周囲にノイズがないためか、Apple WatchやiPhoneよりも高い認識率であるような気がする。

 ときどき「こういう認識率なら原稿も書けちゃうな」と思う。細かな部分は後で修正が必要になるとは思うが、下書きなら十分書けるような気がする。MacとiPhoneならiCloudで内容が自動同期するメモアプリで下書きすれば、いつでもどこでも原稿の下書きを作れそうな気がする。

 いや、技術的にはどこでも原稿の下書きを作れる。iPhoneでもMacでも音声入力や外部キーボードを使って自由に書ける。メモアプリで書けば、書いた内容は各デバイスで同期・共有される。

 iPhoneとApple Watchに対応するメモアプリを利用すれば、Appleシリコン搭載Macでもそのアプリが使えるので、iPhone/Apple Watch/Macで自由自在にいつでもどこでも原稿の下書きを作れる。たとえば「Drafts」アプリをiPhone/Apple Watch/Appleシリコン搭載Macにインストールすれば、原稿の下書きをどのデバイスからでも行える。

Draftsアプリを使って文章を書いた例。左はiPhoneのDraftsアプリで、右はApple Watch上の同アプリ。どちらで書いても間もなく文章内容は同期される
Appleシリコン搭載MacにDraftsアプリをインストールして使っている様子。こういったアプリを使えば、iPhone/Apple Watch/Macでテキストを同期・共有できるというわけだ

 技術的には、もう準備は整っているのであった。あとはiPhone/Apple Watch/Macで音声入力すれば、いつでもどこでも自由自在に原稿の下書きが書ける! 慣れれば下書きじゃなくて原稿そのものを書けちゃう気がする!

 とか思って試すわけだが……もう何度も試してきたわけだが……現在の俺の場合は音声入力で原稿は書けないのであった。下書きも微妙に無理。覚え書きの羅列的なものなら問題なく書けるが、記事として掲載する原稿は……まだまだ無理かなぁ、と。

 理由は、キーボードからテキストを入力する場合と、声でテキストを入力する場合とでは、俺的脳内の原稿生成回路の使われ方が違うようなのである。そして結論から言えば、声でテキスト入力をすると、一文を書くために何度もその一文を反芻するようなまどろっこしさが発生してしまうのだ。

 少々具体的に。

 たとえば「下書きなら十分書けるような気がする」という一文の場合。

 キーボードから入力するときの俺的脳内は、「下書き」と書いた直後に「下書きなら? 下書きを含めて完成原稿まで?」的に自問して「下書きなら」と判断。さらに「下書きなら」と書いた直後に「まあまあ書ける? ただ書ける? それとも十分書ける?」と自問して「下書きなら十分書ける」と判断。さらに「断言できる? 気がするだけ?」と自問して「下書きなら十分書けるような気がする」という一文が完成する。画面上の文字を見つつこの判断をスゲく速く行って、俺は日々原稿を書いているのだ。

 しかし一方で音声入力の場合、いきなり「下書なら書ける」と言っちゃって、それが入力される。のだが俺的にはソレジャナイ感がモヤッとあって、考え直すと「下書きなら書ける気がする」とか再入力。しかしコレモチョットチガウ感が残っており、考え直して「下書きなら十分書けるような気がする」と完成に辿り着く。

 思うに、音声入力の場合、画面上に表示されたテキストと俺脳内原稿生成回路との相互作用における効率が、やや悪いのだろう、と。画面上の文字を見て次の語句を入力して……を繰り返す、俺がこれまでずーっとやってきた原稿生成手法のほーが、たぶん慣れも大きく関わっていて、桁違いにスムーズなのだと思う。

 なので、音声入力による原稿書きは、もっと慣れてからじゃないと無理かな〜、と。もしかすると一生キーボードで原稿書くかも。

マルチデバイス音声入力でメモ書きが超捗る!!!

 watchOS 9でApple Watchに日本語キーボードが備わり、最初に「アレやってみようかな」と思い立ったのが、Apple Watchによるメモ書き。以前はiPhoneやApple WatchやMacで「ボイスメモ」アプリを使い、音声による備忘として使っていた。だが音声メモよりも、ビジュアルメモ(写真)やテキストメモのほうが自分の使い方に合ってるかもと思い、あーんまりボイスメモアプリは使わなくなった。

Apple純正の「ボイスメモ」アプリ。左はiPhone上で使っているところで、右はApple Watchで使っているところ。録音は両デバイスで間もなく共有される
こちらはmacOS上の「ボイスメモ」アプリ。録音が共有されるのは上記アプリと同様。Apple純正ボイスメモは、各Appleデバイスでデータが同期・共有されて便利だ。ちなみにモザイク部分には“録音した場所”が「神保町1丁目」などとして記録されている

 MacでもiPhoneでも使える「メモ」アプリは非常に便利だが、しかし、残念ながらApple Watch版のメモアプリは存在しない。もしかしたらメモアプリだとスゲく多量のデータを扱えるので、Apple Watchには荷が重いから? でもiPhoneといっしょになら使えそうな気がするのだが……ともあれ、Apple Watchではメモアプリが使えない。

 なんかこう備忘のためのメモ系アプリは……あ、Apple純正の「リマインダー」アプリがあったか。まさに備忘メモ用アプリ。そしてリマインダーはApple Watchでも使える。

Apple純正「リマインダー」アプリ。ToDoメモアプリですな。左がiPhone用、右がApple Watch用。もちろんどちらも音声入力が可能
これはMac版のリマインダー。Appleのマルチデバイスで動作し、データは各デバイスで同期・共有できる

 ただこのリマインダー、俺的にはあーんまり好きじゃないのであった。iPhone/Apple Watch/Macで共通の使用感がありつつデータも同期・共有されるので、メモ書きをいつでもどこでも自由に(さらに音声入力でも)使うには最適なアプリではある。が、どちらかと言えば「メモ」アプリのようにテキストを扱いたいニャ〜と思う俺にとって、リマインダーは「そりゃそうだよな、Todoアプリだしな〜」という使用感的なズレがある。

 そうしてたどり着いたのが、前出の「Drafts」アプリ。iPhone/Apple Watch/Appleシリコン搭載Macで使える汎用的なメモアプリで、試してみたら俺が求めるジャストな使用感だった。

「Drafts」アプリの表示例。左がiPhoneで右がApple Watchの表示。音声入力可能なほか、原稿のドラフトつまり下書きを書くによさそうな機能もある
こちらはAppleシリコン搭載MacでのDrafts表示例。データはiPhone/Apple Watch/Appleシリコン搭載Macで同期・共有される。Apple Watchで音声入力したら「布巾」が「付近」となってしまったが、Todoとして内容がわかるので無問題

 Draftsアプリの俺的な使い方としては、「この原稿のあの部分はこんなふうに書こうかな」と思ったら、それを音声入力。アイデアのテキストだが、これはMacのメモ上にコピーしたらDraftsアプリから消してしまう。Draftsアプリを使う理由は、Apple Watchでもアイデアを音声入力できるから。外出したり自転車で走ったりしているとき、ナゼかふとアイデアが浮かぶのであり、それを手っ取り早くテキストにできるのがApple Watchというわけだ。

 手っ取り早さで言えば、DraftsアプリはApple Watchの文字盤上にコンプリケーションとして登録できること。つまり文字盤の上のアイコンをタップすればすぐDraftsアプリが起動する。Apple Watchの文字盤をタップすると即Draftsアプリが起動して入力待ちとなるので、そのまま音声入力でメモを書き込む。非常にクイックに使えるメモアプリと言えよう。

DraftsアプリはApple Watch文字盤にコンプリケーションとして登録できる。Apple Watch文字盤へのコンプリケーション追加は、iPhoneのWatchアプリから行う
各Apple Watch文字盤にDraftsアプリがアイコン(コンプリケーション)として登録した様子。アイコンをタップするとすぐにDraftsアプリで日本語音声入力ができる

 文字盤をタップして何か喋るとそれがテキストメモに! 実際やってみると「ナニこの素早さ!」とか驚けるのでApple Watchユーザーはゼヒ。Draftsアプリも基本的な機能は無料で使えるし。

 ところで、上のほうのスクリーンショットは記事作成のために新たに音声入力したメモだが、こういうTodoや備忘的なメモは、その件が済んだら消してしまう。Draftsアプリは「とりあえずの何でもメモ」で、メモ内容はその後に最適なアプリにコピーしたり、用件が済んだら消したりして、Draftsアプリ自体にはデータがあまり残らないようにしている。スクロールなどして一覧するのに手間がかかるからだ。Draftsアプリ上で用のないデータのためにその手間が発生するのはイヤンというわけである。

 ともあれ、最近はけっこう“Apple Watchによる声でのメモ書き”をしている。Apple Watchだと部分的に誤認識がある音声入力となりがちだが、それが気になる場合は「iPhoneの音声入力&キーボード入力で修正」している。えっApple Watchのキーボードで修正するんじゃなくて? いや、フリック入力苦手だし、やっぱりiPhoneやMacのほうが“テキストの部分編集”は桁違いでラクだ。でもまあ、身近なデバイスでアイデアやメモを即座にテキスト化できるのは、いろいろ捗ってマジで便利っスね♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。