スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

猛暑の熱いデバイスを強制空冷!! USB冷却ファンを試しまくる!!

 定期的にファイルをSSDへとバックアップしている。だが最近はバックアップするファイルの容量が増え、それとともにバックアップ時間が長くなり、同時に現在は猛暑状態であって、つまり、バックアップ用SSDが熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬゼッ!!! みたいな?

 そこでSSDを強制的に冷やすべく、冷却ファンを導入してみた。買ったのはサンワサプライ「400-CLN040」で、サンワダイレクト価格は2580円。

サンワサプライ「400-CLN040」はUSBポートから電源を取る冷却ファン。
ルーター用の冷却ファンだが、上にデバイスを乗せればそれを空冷するという汎用的な「ファン付き台座」だ。※画像はサンワダイレクト商品ページより。
冷却ファンのサイズは12cmで、ファン回転数は約850回転/分。風量は55.8立方フィート/分で、ふんわりソフトな風を送るというイメージ。18dBの超静音ファンで、天板サイズは13×13cm。天板上の5カ所に振動防止を兼ねた滑り止めがある(中央の付属滑り止めは自分で貼る)。
底面はこんな感じ。4つの脚に滑り止めがある(付属の滑り止めを全部自分で貼る)。ファンの風は底面から上面へと流れる。
USBポートやUSB充電器から電源を取るタイプで、付属のスイッチをつなぐとファン回転を任意にオンオフできる。

 コレ、本来はルーター用の冷却ファンだが、使用中のバックアップ用SSDがちょうど乗るサイズなので選んだ。エンクロージャーにNVMe M.2 SSDを入れて外付けSSD化したドライブを乗せると↓こんな感じ。

SSDエンクロージャーのサイズは約11.6×5.6×1.8cm(実測値)。サンワサプライ「400-CLN040」にちょうどよく乗る。
同じSSDエンクロージャーを2台並べて乗せることもできる。
こんなエンクロージャー(ケース)にNVMe M.2 SSDを入れ、外付けのバックアップ用SSDなどとして使用中。エンクロージャーはACASIS「TBU405 Pro」で、Amazonでは10586円で売られている。アルミ筐体+冷却ファン内蔵で放熱性が高い。

 冷却ファンを使う前と後では、明らかにバックアップ中のSSDの温度が違う。Macのファン回転速度を調節できるアプリ「Macs Fan Control」のチップ温度計測機能を使うと、SSDのコントローラーチップの温度がわかるが、それがかなり違う。

Mac用ファン回転速度コントロールアプリ「Macs Fan Control」を使うとMacのファン回転数を調節できるが、このアプリではMac内の各デバイスの温度も表示できる。右下に見えるのが接続されたSSDのチップ温度だ。これは室温28℃くらいのときの温度。
これはSSDにファイルをバックアップしているときの温度。赤く囲った部分の上が読み出し側SSDで下が書き込み(保存)側のSSD。上段は冷却ファンのサンワサプライ「400-CLN040」なしで使った状態のピーク温度で、下段がファンありで使ったピーク温度。ファンを使っただけで10℃以上もSSDの温度を下げられた。

 サンワサプライ「400-CLN040」からの風は、ファンから15cmあたりで手をかざすと「風……出てる?」というくらい弱々しい風量だ。しかし上記のとおりSSDの温度を10℃以上も下げられた。使った印象は「へぇぇ?こんな弱い風でもSSDをしっかり冷やせるんだぁ?」というもの。

 ただ、俺の環境でこの冷却ファンを使う必要があるのかというと、そーんなにはナイ。というのはまず使用中のアルミ製SSDエンクロージャー自体に小さいながらも冷却ファンがあり、だいたい十分に放熱できているからだ。

 上記スクリーンショットのSSD温度は、冷却ファンのサンワサプライ「400-CLN040」を使わない状態でも、バックアップ時のSSD温度はさほど高くない。具体的には、室温28℃くらいのときで、読み出しSSDピーク温度が54℃、書き込みSSDピーク温度が64℃。この温度で使い続けても問題は起きそうにない。

 たとえばSSDはある程度高温(およそ70℃から80℃前後/SSDによる)になると「サーマルスロットリング」という機能保全のための動作速度抑制が起きる(つまり読み書きが遅くなる)。また90℃以上などより高温になると、ハードウェア破損防止のためにSSDが自ら強制シャットダウンしたりする。

 でも、ピーク温度が64℃くらいならそーゆー問題も起きない、ハズ。な……のだが、俺の場合は「なんかこのSSDの発熱、気持ち悪いなぁ」とずーっとモヤモヤしてきたのだ。また、実際は俺の環境でも冷却ファンを導入することにけっこう意味があり、導入したらイロイロとスッキリしたので、今回はそんな話を書いてゆきたいッ!!!

ねえGemini、SSDピーク温度60℃台なら、大丈夫だよねぇ?

 じつは、前出のサンワサプライ「400-CLN040」は、まったく買う気はなかった、というか存在すら知らなかった。他方で、前述のとおり使用中のSSDの発熱にモヤモヤした感情を抱いていた。

 ファイルバックアップ用のSSDは、前述のようにバックアップ容量が増えて一度の連続使用時間が長くなったので、以前よりも発熱が気になった。バックアップ中にエンクロージャーに触れると「んんん?けっこー熱いよなぁ……なんかヤだなぁ」と、なんとなく不安になる。「バックアップするファイル容量も徐々に増えてきてるし、猛暑だし、最近、SSD、ちょっと熱くなり過ぎてない? まあ安全温度域ではあるけど……」とモヤモヤしてキモチワルかったのだ。

ファイルバックアップ用のSSD。現在はハブ経由で接続しているが、どちらにせよ「バックアップ中でも手で触り続けられないほど熱くはないし、安全温度域だけど、この発熱がなーんか気になる」って感じ。

 PCに常時接続している外付けSSDもある。上記と同じファン付きアルミエンクロージャーに入れたM.2 NVMe SSDだが、これを2台、Mac Studioにつなげている。

 机の下の網棚に置いたSSDは、連続で読み書きすることが少ないこともあり、触ってみても「ほんのり温かい」という程度の発熱。室温より数度高いという「M.2 NVMe SSDにしては冷え冷え」みたいな運用温度だ。ただ、読み書きが連続するような場合は、そこそこ温度が上がり「手で触り続けられないほどではないけど、やっぱりちょっと熱い?」という印象になる。ビミョーに気になる発熱。

 そこで「このモヤモヤをGemini(Google検索のAIモード)に投げたら解決するかな?」と考えた。これまでもSSDについて気になることを調べてはいたが、ウェブサイトなどでは「知りたいこと以外の“知らなくても済む技術的な情報”」が多過ぎて、調べること自体がタイヘンでありちょっと苦痛。「Geminiなら知りたいことだけ答えてくれるかも?」と思ったのだ。

 結果、俺が知りたいSSD情報がほとんどわかった。「そうなんだ?!」という未知の事柄までわかった。Gemini(Google検索AIモード)の多くは情報のソースが提示されるので「ホントぉ?? ハルシネーションじゃなくてぇ??」という場合でも確認できて、「そうだったんだ!」と軽い衝撃を受けつつ真相を確認できたりした。

GeminiとのSSD問答はイロイロあったが、全部掲載すると超長いので、かいつまんで。要約は俺。

「SSDのサーマルスロットリングって何度くらいから起きる?」

Gemini 「製品によるが(SSDコントローラーチップ温度が)70~85℃のラインを超えると性能制限(スロットリング)が始まる。さらに温度が上がって危険温度(95℃以上)になるとSSDが強制シャットダウンする」

「エンクロージャー入りSSDが使用中にアンマウントされたことがある。アルミケースのエンクロージャーで、アンマウント時でも触り続けられる程度の発熱だった。このアンマウントはSSD発熱が原因?」

Gemini 「手で触り続けられる温度なら発熱が原因のアンマウントとは考えにくい。ただし、ベンチマークソフトの実行、大容量ファイルのコピー、ゲームのロード時などに数秒~数十秒だけ瞬間的にスパイク(急上昇)し、(SSDの保護機能が働いて接続が)一瞬で落ちることがある。エンクロージャーとSSDが密着不足だとSSDの発熱に気づきにくいので、その場合は発熱が原因でアンマウントされた可能性がさらに高い」

「ファン付きアルミエンクロージャーにSSDを入れて使用中で、使用中のアンマウントは起きず、サーマルスロットリングも起きていないと思う。ただ、やや連続して使うと手で触り続けられる程度の温度ではあるが『熱い』と感じられる程度には発熱する。瞬間的なスパイクなどを考えると安心しきれない。このエンクロージャーをさらに冷却したほうがいいか? たとえば12cmファンで送風して冷却するのがいいか?」

Gemini 「結論から言えば、手で触り続けられる温度(おおむね40℃~50℃未満)であれば、追加の12cmファンによる送風は必須ではないが、製品の寿命を延ばし精神的な安心感を得るためには非常に有効。有効である理由は『冷却効率が劇的に上がって瞬間的な温度スパイクを大幅に抑え込める』『SSDコントローラーなどのチップは低温で運用するほど劣化を防げるのでSSDやエンクロージャーの長寿命化につながる』など」

Gemini 「ちなみに、SSDを連続で使用するとき、最大コピー容量は何十GB(または何TB)くらい?」

「1回のコピー容量は1.2TBくらい。室温は28℃以上」

Gemini 「1回のコピー容量が1.2TB、室温28℃という条件は、外付けSSDにとっては『極めて過酷なフルパワー状態』。この環境であれば、先ほど検討した『12cmファンなどによる外部からの追加冷却』は、安心感のためだけでなく、実用上も『ぜひ導入すべき』と言えるレベル」

 その後、Geminiは、SSDにとって1.2TBのコピーがどれほど過酷か、エンクロージャーの放熱が追いつかなくなっている、サーマルスロットリングやアンマウントの危険が目前まで迫っていることなどを説明。12cmファンによるSSD冷却を後押ししたカタチに。
 最近の俺は最近のGeminiをかなり信用している。それもあって、Geminiの進言に「じゃあ!」と乗って、サンワサプライ「400-CLN040」を導入した次第。

 じつはGeminiにアレコレ訊く前は、「まぁ?こういうSSDピーク温度なら……大丈夫だろ、きっと」と思っていた。なので、前出のサンワサプライ「400-CLN040」も買っていなかったし「エンクロージャーがファン内蔵なんだから外付けファンの追加なんてナンセンス」とまで考えていた。GeminiにSSDについて細かいことを訊いたら、「そっか?」と納得し、モヤモヤが消えつつSSD運用方針がちょっと変わったというわけだ。

 ともあれ、バックアップ中のSSDを12cmファンで空冷してみたら、「熱く……はなくなった! このくらいの熱なら不安がニャイ♪」と精神的安定を得て上機嫌に。そして「じゃあアレも冷やそう、コレも冷やそう」と、ほかの空冷ファンにも手を出し始めたのであった。

PCと常時接続のSSDを12cmファンで常時空冷

 前述のとおり、Geminiからのアドバイスを受けて、バックアップ用SSD使用中の空冷を始めた。1.2TBのファイルを連続コピーしてのバックアップ中でも、書き込み側のSSDは「熱くならナーイ♪」という状態になった。

 使用中に最も熱くなるSSDでも、いつもだいたい「室温+25~30℃」というSSDチップ温度までしか上がらない。暑くても室温30℃の仕事場なので、サーマルスロットリングの心配はなく、アンマウントやSSDシャットダウンの心配はさらに少なくなった。あースッキリ♪

 この安心感とスッキリ感をもっと! ということで、Macと常時接続している外付けSSDも、12cmファンで常時空冷にしてみた。なお、12cmファンを選んだ理由は、かつてPCを自作しまくっていたときに「8cmファンより12cmファンのほうが静かで送風量も多くてイイ」という刷り込みが生じたから。でも最近はもう8cmファンってマイナーなんスね? グラフィックボードなどが高発熱化したからPC空冷用ファンは12cm以上なんスね? って、Geminiに訊いたらわかった。

KEYNICEブランドの12cm USBファン「KN-1732」。スイッチで風量を3段階に変えられて、オフにもできる。Amazonで1880円だった。
ケーブルは本体に固定だが、ケーブル途中にスライドスイッチがあり、オフと3段階の風量をコントロールできる。ケーブルの長さは120cm。
ファンのサイズは12cm。
前面と背面に金属のファンガードがある。風はブランドロゴがある側から吹き出す。
机の下に吊ったSSDの真下にファンを設置。Mac Studioに電源が入ると、そのUSBポートにつながった12cmファンも動作し始める。
スイッチをこちら向けに固定して風量調節などができるようにした。
KN-1732のスペック。最大回転数は2000回転/分とあった。最弱にすると静音、最強にしてもそこそこ静音。机の下に設置していると、どの回転数でも十分静音と感じられる。

 机の下に吊ったSSDは、常時接続・使用で、すぐ手が届くところにあるので、毎日のように「本日のSSDは熱くなったりしてる?」的にたびたび手で触れてエンクロージャー温度をチェックしていた。まあいつも「ほんのり温かい」という程度で、エンクロージャー内蔵ファンが冷却効果を発揮しているという印象だった。

 そこに12cmファンを追加して最弱で常時空冷し始めたら、常にほぼ室温って感じになった。いつも「NVMe M.2 SSDにしては冷え冷え」という印象で、熱問題の心配はほぼなく、精神衛生上の安定感もゲット。

 なーんだ、12cmファンってこんなに効果があるなら、最初から「やや高いファン内蔵エンクロージャー」を使うより「安いアルミ製エンクロージャーを12cmファンで冷やして運用」しとけばよかったのかも、とか思ったりした。思ったりしたが、ファンなしのエンクロージャーだと「どこで使うにも絶対外部ファンと併用」というメンドクサさがあるので「やっぱりファン内蔵がいいニャ」と思った。

USBファンはアレコレ汎用できる、防震ゴム足付きがイイ!

 発熱中のデバイスをちゃんと冷やすのはいいなあ。デバイスにもイイし、精神衛生上もよろしい。猛暑なので人間を冷やすことが非常に重要だが、親愛なるデバイスもぜひ鋭意冷やしてゆきたいッ!!! ってコトで、ほかにもUSBファンを導入した。

 冷却対象はイロイロあって、たとえば冷却機構を持たないQi充電パッドとか、有線充電中でちょっとホットになるスマートフォンやタブレットとか、あるいは充電中に不気味な温かさとなるリチウムイオンバッテリーとか、充電中に不安なほど発熱するニッケル水素電池とか(ニッケル水素電池の充電中の発熱は正常な現象で表面が55℃程度(自動販売機のホット缶くらい)になる)。あとどのUSBファンも静音性が高いので、人体(手とか顔とか)に風をやわらかく送って涼を得るという使い方もけっこう現実的だ。

 で、良かったのが「防震ゴム足付き」のUSBファン。防震・静音にもつながるゴム足だが、大きなゴム足が表裏4カ所ずつに付いているUSBファンはわりと安定的に自立するので、用途が格段に増える。

Mauknciブランドの12cm USBファン。Amazonにて2個1組で1998円だった。
それぞれのファンに風量調節ボタンのあるUSBケーブルが固定されている。
2つのファンの電源を1つのUSBポートから取るケーブルも付属していた。
こんな防震ゴム足が表裏4カ所・合計8個装着されている。滑り止めにもなる。
大きめのゴム足があることで、このように比較的に安定した自立が可能になる。
こちらはELZOブランドの12cm・2連USBファン。2つの12cmファンが合体している。Amazonで1999円だった。
風量調節ボタンのあるUSBケーブルが1本固定されている。
このファンにも防震ゴム足が装着されている。
ゴム足によりわりと安定的に自立する。
縦置きすることもできるが、少し不安定かもしれない。

 どちらのUSBファンも静音性が高い。ただし風の直進性のようなものはなく、裏側から表側へ風流を作り出すというだけ。間近な対象に風を当てることはできるが、30~50cmくらい離れると「空気が動いている感じだが風は感じられない」という曖昧な空流になる。

 ともあれ、ファンの上に置いた対象を冷却するには好適で、対象全体に風流を当てることができる。また前述のとおり静音性が高いので、近くに置いて長時間使っても騒音がストレスになることが少ない。

 あと上記のどちらのモデルも「自立する」のがけっこう便利。ファンの上に置いた対象を冷却するのに加え、ファンの横に置いた対象を冷却するのも容易だからだ。ファンの上に置けない対象を冷却することも可能になり、たとえばノートPCの天板背面や側面から冷却するといったことが可能。汎用性に優れるので、買うなら最初から「自立も可能なタイプ」を選ぶのがいいかもしれない。普通のタイプと比べて値段もそれほど変わらないので。

 といった感じのUSBファン各種。高速SSDなどの常時冷却に好適なのはもちろん、けっこーいろいろな「冷却用途」を「わりと安価」に叶えるので、「このデバイスの発熱がなんとなく心配」という方は導入してみるとイイかもっ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。