スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

かな~り小さいけどスンげく使えるやつ! 小型マウス「Finger Barrel Mouse i2」

 モバイル向けの小型マウスを(また)買った。MEETS TRADINGの「Finger Barrel Mouse i2」というワイヤレスマウスである。

MEETS TRADING「Finger Barrel Mouse i2」は、本体の大きさは30×39×75mm・本体の重さは38.5g(レシーバー含む)の小型軽量ワイヤレスマウスだ……が、マウスとしては異端の形状である。ネット通販にて6120円で買った。
一般的なマウスの手前部分が省かれた形状で、マウスとしては非常にコンパクトにできている。写真はマウスを前方から見た様子。

 買った理由は、スクロールホイールがあるから。特殊なスクロールボタンを搭載した超小型マウスであるサンワサプライ「400-MAWB216シリーズ」を使っていたが、やはりあのマウスのホイールの特殊さが俺にとってストレスになっていた。

サンワサプライ「400-MAWB216シリーズ」は手のひらに完全に収まるサイズのマウス。ただし回転するスクロールホイールは搭載していない。スクロールが可能だが、その方法がちょっと特殊で慣れにくい。

 上記の超小型マウス、使えることには使えていたが、やはり何度も「フツーのスクロールホイールを搭載してたらなー」という残念感があった。「スクロールってけっこうしまくりなんだな、スクロールホイールは重要な操作部なんだな」と改めて実感したりも。

 というわけで「マウス本体はそこそこ小型ってくらいのサイズでいいからスクロールホイール搭載のワイヤレスマウスを買おう」と探していたら、「Finger Barrel Mouse i2」を発見。

 既に新型モデルが存在し、「クラウドファンディングでその新型モデルの出資募集が終了」しているので、実質旧型になるが、まあフツーに買えるのは旧型だけだったので迷わず購入。前述のとおりネット通販で6120円だった。

 そして使ってみたらイキナリ実用性が高い。手持ちの「携帯性重視のモバイルマウス」の多くを、その使用感において凌駕してしまった。マジか! 便利じゃんコレ! ということで今回は「Finger Barrel Mouse i2」をレビューしてゆきたいッ!!!

「Finger Barrel Mouse i2」って、どんなマウス?

 「Finger Barrel Mouse i2」は前出の写真のとおり「小さい」わけだが、要となる入力機構のボタンとスクロールホイールはわりと普通のサイズ。

 また、樽を横倒しにしたような特異な形状をしているが、親指と薬指(と小指)でつまむように保持できる。その状態で持って使うと、普通サイズ・形状のマウスとだいたい同じような違和感のないポインター操作を行える。

「Finger Barrel Mouse i2」を後方から見た様子。左側に親指を、右側の窪みに薬指(と小指)を置き、つまむようにして持つ。
こんなふうに持つ。
モバイル向けの小型マウスことロジクール「MX ANYWHERE 2S」と比べた様子。「Finger Barrel Mouse i2」のボタンやホイールは十分大きめにつくられている。ホイールは押下も可能(ミドルクリックにも対応)。

 充電式(USB Type-C)で、端末とはBluetoothもしくは2.4GHzのUSB Type-Aドングルでワイヤレス接続して使う。Bluetooth接続と2.4GHzのUSB Type-Aドングルでの接続ができるので、マウス側のボタン切り替えでノートPCとタブレットで使うようなことができる。

 1回の充電で連続駆動最大が約40時間で、もちろん操作しないと節電モードに入る機能も備えている。

光学式マウスで、電源は背面のスライドスイッチで操作する。DPIスイッチもあり、これを押すことで感度(ポインター移動速度)を1200→1600→2400→3200dpiの順で切り換えられる。
2.4GHzのUSB Type-Aドングルは本体背面に格納できる。マグネットで吸着するため、まず抜け落ちることはないという感じ。
本体カラーはBlackとWhiteが用意されている。※画像はメーカーWebサイトより抜粋。

 といった感じで、サイズと形状以外は至ってフツーのワイヤレスマウス。軽くて小さくてポケットサイズなので、ホントにポケットに入れて携帯しても違和感はない。

手にして使った感じはとても自然、いきなり問題なく使えてしまう♪

 その形状を見たとき、最初は「使いやすくはなさそうだけど、まあマウスをつまんで持つユーザーならイケるかも、ボタンやスクロールホイールもマトモっぽいサイズだし」と思った。「もーしかしたら、この形状に慣れられない?」みたいな危惧が少しあった。

 のだが、使ってプチ驚いた。いきなり、最初から、いつものマウスと同じように、マウスポインターの操作ができまくったからだ。

 携帯性を考慮した「ある程度はコンパクトなモバイル向けマウス」だと、まあ最初からスムーズに使えることは多い。だが、こんなに小さくてヘンなカタチなのに、いきなり十分な実用性を感じさせるっつーのはスゴい。

「Finger Barrel Mouse i2」を持った様子。持ちづらそうに見えるかもしれないが、いつもと同じ感覚でマウスポインターを自在に操作できる。その形状から、親指も小指も机面に触れずにマウスを動かせる。
右のロジクール「MX ANYWHERE 2S」は、普通サイズのマウスよりひとまわり小さいという感じのマウス。多機能でありつつ、違和感なく操作できつつ、携帯性もちょっとイイという感じ。だが携帯性は「Finger Barrel Mouse i2」に遠く及ばない。

 ちなみに「Finger Barrel Mouse i2」、充電は本体手前にあるUSB Type-Cポートで行う。なので「ポートが手前かぁ……充電しながら使うのはケーブルが邪魔で無理かな」とか思った。

 しかし実際は「普通のマウスの手のひらの下にある部分が皆無」なので、充電中でも「Finger Barrel Mouse i2」につながったUSBケーブルがマウス操作の邪魔をすることがほとんどなくてナイス!

「Finger Barrel Mouse i2」は充電しながらでも使える。USB Type-Cケーブルをつないでの充電となるが、そのコネクターやケーブルが手の動きを邪魔することはほとんどない。
なんならケーブルを指の上から通して使うこともできる。ケーブルのコネクターなどが手やマウスの動きを邪魔しにくいのであった。

 この独特の形状を不安視していたものの、使ってみたらアラびっくり。いろいろな使いやすさが潜んでいた。小さいし軽いし使いやすいし、まあボタンの多機能さというのはナイのだが、「モバイルでもマウスを使いたい」という思いをイイ感じに叶える製品だと思う。

 ただし、マウスの上に手をポンと乗せて使うユーザーには全然向かないと思う。マウスをつまんで持って操作するユーザー向けの形状なので、その点は十分注意してほしい。たぶん、マウスに手を乗せて使うユーザーは一瞬で「こんなマウス使いにく過ぎて無理!」ってなると思う。

こんな小さく狭いスペースでも使えちゃうのか~

 ノートPCと「Finger Barrel Mouse i2」を組み合わせてモバイルコンピューティングをしてみたが、「なっるほど!」と思った。MacBookのトラックパッドの右側のスペースだけで「Finger Barrel Mouse i2」を使えてしまったのだ。

 製品写真などでPCのトラックパッドの右に「Finger Barrel Mouse i2」を置き「このスペースだけで操作可能」とか書かれているが、実際ソレをしてみると「そうか、この形状だと可能なのか!」とよくわかった。

メーカーの「Finger Barrel Mouse i2」広告より抜粋。「そのスペースだけって、頑張ればってコトでしょ?」とか思った。が……。
M3 MacBook Airのパームレスト的な部分に「Finger Barrel Mouse i2」を置いた様子。この、トラックパッド右側のスペースだけで、問題なくマウス操作を行えるのであった。
モバイル向けマウスのロジクール「MX ANYWHERE 2S」も、トラックパッド右側スペースに置くことはできる。だが、マウス操作をするとマウス手前が机面に落ちたり、マウス前方がキーに触れたりして、このスペースで使うのは現実的ではない。

 もうひとつ。上記のようなスペースがあればマウスポインターを操作できるので、ホントにポケットに「Finger Barrel Mouse i2」を入れたままでも使えるのであった。これもメーカーの広告にあった使い方だが、「ソレはナイでしょ~」とか思っていた。

こちらもメーカーの「Finger Barrel Mouse i2」広告より抜粋。「それちょっと無理な製品アピールだと思うんスけどねえ」と思っていたが、ホントに、フツーに、ポケット内マウス操作が可能なのであった。

 なので、太腿の上とかでも「Finger Barrel Mouse i2」を使える。ソファの肘掛けの上とかでも。実質、ちょっとした面があればだいたい「Finger Barrel Mouse i2」を使えてしまう。

 やはりこの利便は本体サイズからくるのだろう。小さい面の上でも「Finger Barrel Mouse i2」がそこから「落ちない・逸脱しない・はみ出さない」というのが、だいたいどこでも使えちゃうという利便を生んでいるのだと思う。

 ちなみにこのマウス、クリック音も静か。ロジクール「MX ANYWHERE 2S」よりも格段に静かで、クリック音が小さいロジクール「MX MASTER 3S」あたりと同等の静音性があると感じられる。

 ななな、なんか、「Finger Barrel Mouse i2」、ちょっとナメてて、また「これ6000円強で、失敗したら痛いかも」などとも考えていたが、そういった危惧は全部良い方向に裏切られた。とてもよくデキている異端形状マウスなのであった。まあでも、手で触れて扱う入力デバイスなので、購入を考える場合、可能なら一度実機に触れてからにしてほしい。

 あとこのマウス、記事冒頭で、既に新型モデルが存在し「クラウドファンディングで後継機種の出資募集が終了」していると書いた。

 が、新型はどうも、指でつまむ部分がラバー素材らしいので、もーしかしたらベタベタ問題とか……出るかも?

 なお旧型となる今回レビューした「Finger Barrel Mouse i2」は、マウスホイール中央部分(のたぶんシリコンと思われるリング)以外は硬質プラスチックなので、俺的には「ベタベタしてこないタイプ」と判断している。

 まあ、ご参考までにだが、「手に触れるデバイスの表面がラバー的な素材なのイヤ!」って人は、今回レビューした旧型を考えてみるのもいいかもしれない。

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。