法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

「Mi 10 Lite 5G XIG01」なら、au 5Gを5万円以下で始められる

 長らく国内市場への展開が期待されながら、なかなか参入が実現せず、ようやく昨年末に製品を投入してきたシャオミ。

au/シャオミ「Mi 10 lite 5G XIG01」、164mm(高さ)×75mm(幅)×8.7mm(厚さ)、193g(重量)、ドリームホワイト(写真)、コズミックグレーをラインアップ

 もともとグローバル市場で評価の高いメーカーのひとつだったが、「Mi 10 Lite 5G XIG01」で早くもauのラインアップに加わることになった。

 筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。

『適正な価格』で国内市場に挑むシャオミ

 2019年の改正電気通信事業法の施行に加え、今年3月頃からのコロナ禍の影響もあり、国内のモバイル市場はあまり芳しい状況ではない。今年3月に主要3社が提供を開始した5Gサービスもかなりのスロースタートとなっている。

 なかでもユーザーの目が厳しくなってきた感があるのが端末価格だ。

 キャリア向けモデルでもオープン市場向けのSIMフリー端末でもハイエンドモデルの売れ行きは今ひとつで、これに代わり、ミッドレンジのモデルが着実に売れ行きを伸ばしてきている。

 ユーザーとしてはハイスペックなモデルが欲しいが、昨今の経済状況などを鑑みると、「今、そんな予算はない」といった声も聞かれ、堅実な選び方が拡がりつつあるように見える。

 以前、シャープが端末発表会のプレゼンテーションで『何となくハイエンドの終焉』というキーワードを掲げていたが、まさにそんな状況になりつつあるように見える。

 そんな国内のモバイル市場の動きを反映して、各携帯電話や端末メーカーは、ラインアップにミッドレンジのモデルを拡充してきている。価格帯で言えば、10万円以下だけでなく、5万円前後のモデルが増え、ユーザーの選択肢が拡がってきた。

シャオミが掲げる『適正な価格』というキーワード(「Xiaomi10周年記念イベント」より)

 今回紹介するauのシャオミ製端末「Mi 10 Lite 5G XIG01」は、シャオミとして、初のキャリア向けモデルになる。

 シャオミは2010年に中国で設立され、2011年に最初のスマートフォンを発売したメーカーだ。

 2014年からグローバル市場に進出し、昨年には世界第4位のシェアを獲得するところまで成長している。同社は中国市場において、通販を中心に拡大していったが、アクセサリー類やIoT家電などの取り扱いが増え、現在は「Mi Store(小米之家)」と呼ばれる直営店も展開している。筆者もアジア各地でMi Storeに立ち寄ったことがあるが、IoT製品などが豊富で、日本にはないデジタル製品のショップという印象だ。

 そんなシャオミは昨年12月、ついに国内市場に参入し、フラッグシップモデルの「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」を日本のオープン市場(SIMフリー市場)にリリースした。

 続く、今年6月には「Redmi Note 9S」と「Mi Note 10 Lite」の2機種を同じくオープン市場に投入したが、その一方で、auの5G対応端末のラインアップに「Mi 10 Lite 5G XIG01」を供給することになった。

auから発売されたシャオミ製「Mi 10 Lite 5G」(左)、オープン市場向けの「Redmi Note 9S」は、フラットなディスプレイを採用するが、ボディなどのサイズが異なる

 国内のモバイル市場は、最近でこそ、オープン市場向けのSIMフリー端末が徐々に認知されつつあるが、もともと圧倒的にキャリア向けの端末が占めている。

 国内市場に参入する海外メーカーはSIMフリー端末として、着実に実績を重ね、いつか主要3社のラインアップに採用されることを狙うという流れだった。

 たとえば、古くはHTCなどが挙げられ、最近ではOPPOがオープン市場での取り組みと実績が評価され、auとソフトバンク向けに端末を供給することになった。その流れから考えると、auによるシャオミの採用は異例のスピードとも言える。

 そんなシャオミがauに採用された要因のひとつとして考えられるのが同社が掲げる「高品質な製品を適正な価格で」という方針だろう。シャオミは発表イベントなどでも必ず「適正な価格」というキーワードを掲げており、グローバル向けのラインアップはライバル製品に比べ、かなりコストパフォーマンスに優れる。

 しかもそれは単に「安い」のではなく、「そのスペックで、その価格なの?」と驚かされることも少なくない。発表イベントのステージで、価格がお披露目されるときの「ドーン!」という効果音の演出とも相まって、消費者へのインパクトはかなり強い。

 今回のau向けの「Mi 10 Lite 5G XIG01」もau Onlineshopでの価格は、4万2,740円に設定されており、auの残価設定型販売プログラムの「かえトクプログラム」を利用すれば、月々1,300円の23回払いで、最終回の残額は1万2,840円となり、実質負担額は2万9,900円というお手頃価格だ。

 今後、5G対応端末もリーズナブルなモデルが増えてくることが予想されるが、現時点でもっとも安価にau 5Gを楽しめる一台と言えそうだ。

6.6インチTrueColorディスプレイを搭載

 まず、外観からチェックしてみよう。シャオミ製端末については、これまで「Mi Note 10 Pro」「Redmi Note 9S」などを試用してきたが、いずれもラウンドした背面の持ちやすいボディを採用しており、今回の「Mi 10 Lite 5G」も同様に仕上げられている。

背面は高級感のあるガラス仕上げで、左右の側面部分へ向けてラウンドした形状

 ディスプレイサイズが違うため、ボディサイズは「Redmi Note 9S」よりもわずかに縦が短く、「Mi Note 10 Pro」よりもわずかに長い。

 ボディ幅は75mmで標準的なサイズと言えそうだ。

 ちなみに、このモデルに限ったことではないが、シャオミ製端末はいずれもやや重量感のある仕上がりで、「Mi 10 Lite 5G」も193gとなっている。

 ただし、使い勝手を損なうような重さではなく、しっかりとした質感のあるボディという印象だ。

右側面は電源キー、シーソー式の音量キーを備える
左側面にはボタン類などが何もない

 背面はCorning製「GorillaGlass 5」が採用され、高級感のある仕上がりとなっている。

下部にはUSB Type-C外部接続端子を備え、すぐ隣にSIMカードスロットを備える
上部には3.5mmオーディオ端子、リモコンが利用できる赤外線ポートを備える

 IP規格による防水防塵には対応していないが、Redmi Note 9Sでも採用されていたP2i撥水ナノコーティングが施されており、雨などの水濡れ程度であれば、問題なく、利用できるようだ。

ディスプレイ

 ディスプレイは約6.6インチのフルHD+対応有機ELディスプレイを採用し、実利用が可能な保護フィルムが貼付された状態で出荷されている。ディスプレイはフラットな形状で、左右側面が湾曲したデザインの「Mi Note 10 Lite」との違いを見せる。

「Mi 10 Lite 5G」(左)がフラットなディスプレイであるのに対し、とオープン市場向けの「Mi Note 10 Lite」(右)はディスプレイの左右両端を湾曲させたデザイン

 TrueColorディスプレイと名付けられたディスプレイは、周囲の照明に基づいて、色合いを調整できるほか、暖色や寒色の切り替え、色を強調する「彩度調整」、コンテンツ本来の色を再現する「元の色」、「P3」や「sRGB」などの項目も選べる「高度な設定」などのメニューが用意されている。この価格帯の製品で、こうしたカラー調整を細かくサポートしている機種は少ない。独TUV Reinlandの認証も取得したブルーライト低減機能も搭載される。

有機ELディスプレイの特性を活かし、常時オンディスプレイ(Always On Display)を設定可能

 ディスプレイ関連で、ひとつ気になるのは「フォントサイズ」だ。「Mi 10 Lite 5G」は「小」「中」「大」「最大」の4段階のフォントサイズを選べるが、筆者が購入した端末は出荷時設定が「小」となっており、一般的な端末に比べ、やや見えにくかった。

「フォントサイズ」は出荷時設定が「小」で、やや見づらい。もうひとつ大きい「中」が出荷時設定でも良かったかもしれない

 設定を変更すれば、済むことだが、全体的なレイアウトも変わってしまうため、少し注意が必要だ。

ノッチは好みに合わせて、表示方法を変更できる

 ディスプレイの上部に水滴型ノッチを備え、ノッチ付近の表示はユーザーの好みに応じて、カスタマイズすることができる。ノッチのサイズは水滴型の中でもかなり小さい部類で、極力、コンテンツ表示の邪魔にならない仕上がりとなっている。巨大が凹み型のノッチを採用するiPhoneなどとは明確に違う方向性だ。

ホーム画面で下方向にスワイプすると、通知パネルが表示される。最初は折りたたまれた状態で、拡大すると、画面のように表示が切り替わる

 ディスプレイには画面内指紋認証が搭載されており、画面ロックの解除のほか、アプリロックやショートカットにも使うことができる。

 ショートカットは指紋認証のアイコンを長押しし、表示されたアイコンを選んで、QRコードリーダーや検索メニューを表示することができる。

「追加設定」の「ボタンのショートカット」を設定すれば、さらに使いやすくなる。できれば、au PAYなどの特定のアプリを起動しやすいショートカットが欲しいところ

 au向けに供給する端末であることを考えれば、au PAYを簡単に起動できるメニューが欲しいところだが、残念ながら、指紋認証アイコン長押しのショートカットメニューのカスタマイズはできない。AI顔認証にも対応しており、画面内指紋認証と併用することができる。

画面内指紋センサーはロック解除だけでなく、アプリのロックなどにも利用できる。指紋認証のアニメーションもカスタマイズが可能
ロック画面に指紋センサーの位置が表示される。認証のレスポンスはかなり速い
指紋センサーを長押しし、表示されたメニューからQRコードリーダーなどを起動できる
顔認証にも対応し、ロック解除ができるほか、認証後の通知の表示などをカスタマイズ可能

 本体に内蔵されたバッテリーは、4160mAhとかなり大容量のもので、シャオミによれば、一般的な利用で2日間程度の利用ができるとしている。[設定]アプリ内の[バッテリーとパフォーマンス]で、アプリの動作や5G接続などを含めた細かい設定もできる。本体は最大20Wの急速充電に対応し、パッケージには22.5W対応の充電器が同梱される。

バッテリーの設定画面では残りの利用可能時間やバッテリー関連の設定が変更できる
バッテリーの設定には「5Gバッテリーセーバー」の機能も用意される

Qualcomm製Snapdragon 765G搭載

 チップセットは5Gモデムを統合したQualcomm製Snapdragon 765Gを採用し、RAM 6GBとROM 128GBを搭載するが、microSDメモリーカードなどの外部メモリーには対応しない。

 Snapdragon 765Gは昨年12月に発表され、ミッドレンジやミッドハイの5G対応スマートフォンへの採用が増えているチップセットだ。

 同時に発表されたチップセットとして、Snapdragon 765もあるが、Snapdragon 765Gにはゲーミング向けの高性能GPUが含まれているとのことで、ゲームの環境にも強いとされる。

 チップセット周りの冷却には、VC(Vapor Chamber)やグラフェン、多層構造グラファイトを組み合わせているという。

ネットワーク

 ネットワークはauの5Gや4G LTE、WiMAX 2+に対応しており、5GはSub-6のみの対応となる。5Gについては今のところ、エリアというより、スポットというレベルだが、auでは10月から順次、既存の4G LTE向けに割り当てられた周波数帯域でも5Gを利用できるようにするとしている。

SIMカードはnanoSIMを採用。外部メモリーカードには非対応

 料金プランとして、データ通信が使い放題になる「データMAXプラン」が選べるため、かなりヘビーにデータ通信を利用するユーザーのニーズにも応えられる。

 Wi-FiはIEEE 802.11a/b/g/n/ac対応となっている。

 おサイフケータイには対応していない。

 GPSはL1/L5のデュアル周波数に対応しているため、測位が高速かつ正確で、Galileo、GLONASS、Beidou、QZSSの信号にも対応する。

赤外線リモコン機能

 少し変わったところでは赤外線を利用したリモコン機能が搭載されている。「Miリモート」というアプリを使い、テレビやエアコンのコントロールができる。

 国内で販売されている製品も動作するものがあるため、補助的に使うことはできそうだ。

オーディオ

 オーディオ関連ではハイレゾに対応し、3.5mmイヤホンジャックも利用できる。

 FMラジオのアプリも搭載されており、オーディオ端子に接続したイヤホンをアンテナとして使うことで、受信できる。

 ただし、対応周波数がグローバル仕様のため、国内の76.0~86.9MHzのFM放送局を視聴することができない。

 アプリのデータを編集すれば、受信できるケースもあるようだが、キャリア端末ということを考えれば、auとシャオミでアプリをアップデートして、利用できるようにして欲しいところだ。

MIUI 11

 プラットフォームはAndroid 10ベースのMIUI 11を採用する。

 MIUIはシャオミ製端末に搭載されるユーザーインターフェイスで、同じ中国勢のファーウェイのEMUI、OPPOのColor OSなどに相当するものだ。

ホーム画面はオープン市場向けのモデルと違い、「au」のアプリのフォルダや「+メッセージ」のアイコンなどが追加されている
最初のホーム画面から左にスワイプしたときに表示される画面。通常モードではインストールされたアプリがホーム画面にすべて表示される仕様

 Androidプラットフォームの標準的なユーザーインターフェイスと比較して、メニュー構成やアイコンの表示などは独自のカスタマイズが施されている。

 たとえば、ホーム画面の出荷時設定は、インストールされたアイコンやウィジェットがホーム画面にすべて並び、上方向にスワイプで検索ボックス、下方向にスワイプで通知パネル、起点となるホーム画面から右方向スワイプでGoogle Discover(Googleのおすすめ表示)が表示される。

ホーム画面のモードを切り替えることもできる
[設定]アプリに表示される項目は、一般的なAndroidプラットフォームと少し順序や表記が異なる
クリーナーのメニューも用意されており、不要なキャッシュファイルなどを削除できる
[Googleフォト]もインストールされているが、シャオミ独自の[ギャラリー]アプリも利用できる

 他のAndroidスマートフォンから移行すると、少し戸惑いそうだが、設定を変更することで、自分好みに変更することは可能だ。日本語入力はAndroid標準のGboardを採用する。ちなみに、オープン市場向けの「Mi Note 10 Lite」はすでにMIUI 12にバージョンアップしており、今後、「Mi 10 Lite 5G」もバージョンアップされるかどうかが注目される。

 「Mi 10 Lite 5G」はauが販売するキャリア端末だが、他のau端末と少し仕様が異なる部分がある。

 通常、auが販売する端末は、iPhoneなどの例外を除き、基本的にはauのサービスで利用するアプリがインストールされた状態(ショートカットを含む)で出荷され、一部のau向けアプリを配信する「au Market」もアプリが用意されている。

auから提供されるアプリもインストールされているが、au独自のアプリを配信する「au Market」は提供されない。グローバル向けモデルを導入しやすくした仕様
auスマートパスで提供されている「ウイルスバスター for au」ではなく、同じ内容ながら、名称が異なる「ウイルスクリア」が提供される

 ところが、「Mi 10 Lite 5G」はau Marketに対応しておらず、他のau端末に比べ、auのサービス向けアプリが少ない。auスマートパスで提供されるトレンドマイクロ製セキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター」もまったく同じ仕様ながら、別名の「ウイルスクリア」(提供元は同じトレンドマイクロ)として提供される。

 特に利用できないサービスやアプリがあるというわけでもなく、移行ツールの「データお預かり」やフィルタリングソフト「あんしんフィルター」なども提供されているため、実用上は何も問題ないが、他のau端末と少し仕様が違っていることは覚えておいた方が良さそうだ。

マクロや広角を含むクアッドカメラ搭載

 シャオミは競争が激しい中国市場で戦っていることもあり、カメラ機能にもかなり注力してきており、今回の「Mi 10 Lite 5G」にもマクロや広角を含むクアッドカメラを搭載し、多彩なカメラ機能を備える。

背面の左上に搭載されたカメラモジュールは、メインカメラ、広角カメラ、マクロカメラ、深度センサーで構成される

 本体の背面の左上部には、4つのカメラが格子状に並んで、搭載されている。左上が4800万画素/F1.79のメインカメラ、左下が800万画素/F2.2で視野角120度の撮影が可能な広角カメラ、右上が200万画素/F2.4で2cmから10cmの接写に対応するマクロカメラ、右下は200万画素/F2.4で1.75μmの深度センサーという構成となっている。

メインカメラで撮影。全体的にクリアに撮影できている

 メインで利用する広角カメラは、[カメラ]アプリの[写真]で撮影する際、ビニング(4つの画素を1つの画素として使う)が有効になり、より多くの光を取り込み、暗いところでも明るく撮影できる。

 ただし、撮影サイズは4000×3000ドットに抑えられる。

 4800万画素のイメージセンサーをフルに使うときは、撮影モードをスワイプして[48M]に切り替える。

カメラの撮影モードを[48M]に切り替えると、4800万画素をフルに使った撮影が可能。撮影サイズは8000×6000ドット

 [写真]モードでの撮影では、[0.6X][1X][2X]を切り替えて、ズームをすることも可能だ。

メインカメラを[2X]に切り替えて撮影。ややざらついた感はあるが、十分なレベルの仕上がり
カメラを[0.6X]に切り替え、広角カメラで撮影。広いエリアを撮影するときに有効

 [ポートレート]や[夜景]などの撮影モードも選ぶことができるほか、露出やホワイトバランス、ISO感度などをユーザーが自由に設定できる[プロ]モードも利用できる。

撮影モードをポートレートに切り替えて撮影。背景の建物や通りはボケている
ポートレートで撮影するときは絞りを変更し、ボケ具合いを調整することができる
薄暗いバーで「夜景」に切り替えて撮影。こうした暗いところでは「夜景」か「写真」で撮影がベター。[48M]ではピントも合いにくくなってしまう

 印刷物を撮影し、四角く切り取る[ドキュメント]も名刺を撮影して保存したり、文書などを取り込んでおきたいときに便利だ。

 この他にもカメラ関連の機能は充実しており、万華鏡を再現した「AI魔法万華鏡」、メインカメラとサブカメラで同時に撮影できる「デュアルビデオ」などが利用できる。

[カメラ]アプリ起動後、上段の花のアイコン(画面内では右側)をタップすると、マクロ撮影が有効になる。マクロアイコンの隣のアイコンでもわかるように、ミニカーながら、AIでクルマと認識している

 撮影後の編集機能も楽しく、「AIスカイスケイピング」では昼間の写真を夜に変換したり、花火を打ち上げたり、月やオーロラを表示させるといった写真や動画を生成できるようにしている。

超広角で撮影した空港の写真の背景を宇宙のような星空に設定してみた
編集機能では背景の空に花火を上げることができる。これはスクリーンショットだが、実際には花火を打ち上げる効果音とともに、アニメーションが表示される

 本格的な写真編集や動画編集機能をアピールする機種も増えてきているが、スマートフォンの手軽さを考えるなら、こうした誰でも手軽に楽しめる編集機能の方が効果的かもしれない。

フロントカメラは1600万画素のイメージセンサーに、F2.25のレンズを組み合わせたものがディスプレイ上部の水滴型ノッチに内蔵される

5万円を切る「適正価格」で、au 5Gがはじめられる一台

 今年3月、国内でサービス提供を開始しながら、かなりのスロースタートとなってしまった各社の5Gサービス。

 エリアというより、スポットというレベルでしか利用できないことに加え、5Gならではのサービスがアピールできなかったうえ、コロナ禍で全般的に人の動きが少なかったなどが原因とされている。

 しかし、その一方で、昨年10月の改正電気通信事業法により、端末購入補助が制限され、端末価格が高くなってしまったため、ユーザーも手を出しにくく感じているという指摘も多い。

 そんな中、auから発売されたシャオミ製「Mi 10 Lite 5G」は、5万円を切る価格で、手軽にau 5Gをはじめることができる端末だ。

 現在、国内で販売されている5G対応スマートフォンとしては、もっともリーズナブルな価格だが、その実力は上位モデルに迫るもので、カメラ機能を中心にかなりレベルの高い仕上がりとなっている。

パッケージには本体のほかに、22.5W対応ACアダプター、USB Type-Cケーブル、保護ケース(いずれも試供品)が同梱される。保護ケースは抗菌作用のある銀イオンを使ったもの

 国内市場では「Xiaomi」というブランドがまだ十分に認知されていないことは残念だが、このモデルやオープン市場向けのモデルを機に、同社が国内のミッドレンジ市場をリードする存在になっていくかもしれない。

 今年春に発売されたSIMフリー端末「Redmi Note 9S」や「Mi Note 10 Lite」もコストパフォーマンスの高さから、順調に売れたと言われているが、「Mi 10 Lite 5G」はシャオミ初のキャリア向けモデルとして、高いクオリティを保ちながら、多くのユーザーが手を出しやすい価格を実現した期待のモデルだ。

 auの5Gサービスは10月以降、既存の4G LTE向け周波数帯域にも5Gを利用できることを明らかにしており、今後、5Gのパフォーマンスを活かす機会もグッと増えることになりそうだ。au 5Gにデビューする端末として、ぜひチェックしておきたい一台だ。