三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
AIで進化した「Pixel 10 Pro XL」、カメラを徹底チェック
2025年8月28日 02:00
今年もスマホの秋がやってきた。AIに磨きをかけた3機種がまずはグーグルから登場である。そのAndroidスマートフォン「Pixel 10」、「Pixel 10 Pro」、「Pixel 10 Pro XL」は、新SoC「Google Tensor G5」を搭載して、カメラ機能も向上している。特に「Pixel 10」は3カメラ化されたので人気を呼びそうだ。
それではフラッグシップ機である「Pixel 10 Pro XL」を中心に、さっそくその写りを確認してみよう。なお、端末の特徴や価格、詳細スペックなどは、本誌別記事を参照いただければ幸いだ。
「Pro」シリーズのカメラは同性能
「Pro」の名がつく「Pixel 10 Pro」、「Pixel 10 Pro XL」の2モデルはカメラ性能が同等である。スペックは下のとおり。独特なデザインのカメラバーに、カメラユニットが収まっているのは前モデルと同じである。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 広角カメラ | 5000万画素Octa PD、F値1.68、センサーサイズ1/1.3インチ |
| 超広角カメラ | 4800万画素Quad PD(AF付き)、F値1.7、画角123度、センサーサイズ1/2.55インチ |
| 望遠カメラ | 光学5倍、4800万画素Quad PD、光学式手ぶれ補正機能付き、F値2.8、センサーサイズ1/2.55インチ、最大100倍の超解像ズーム |
「Pixel 10」
「Pixel 10」はセンサーサイズが小さくなったものの、2カメラから3カメラ化された。これによって撮影領域がグンと広がることだろう。実写では申し分のない写りを見せてくれたので、サイズや価格を考慮して、この「Pixel 10」を選ぶのも悪くない判断だと思われる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 広角カメラ | 4800万画素Quad PD、F値1.7、センサーサイズ1/2インチ |
| 超広角カメラ | 1300万画素Quad PD、F値2.2、画角120度、センサーサイズ1/3.1インチ |
| 望遠カメラ | 光学5倍、1080万画素Dual PD、光学式手ぶれ補正機能付き、F値3.1、センサーサイズ1/3.2インチ、最大20倍の超解像ズーム |
「Pixel 10 Pro XL」の描写は?
フラッグシップ機「Pixel 10 Pro XL」各画角の写りを見てみよう。炎天下の中、横浜の港の見える丘公園から、大さん橋に停泊中の客船を狙った。猛暑で空気が暖められ揺らいでいるので、ややシャープさに欠けて見えるが、「Pixel 10 Pro XL」はそれでも優秀な写りであった。
ズームが30倍を超えるとAIが介入する。新機能の「超解像ズーム Pro」だ。ディテール補完やノイズ処理を行い、AIが考える正しいであろう画像に生成してくれるのだ。なので写真的表現を心がけるのであれば30倍を超えてのズームは禁物である。
川で魚を捕食するコサギを狙ったが、カット毎に「超解像ズーム Pro」が介入してコサギの描写が異なってしまった。両カットとも同じ個体だが、クチバシ付け根の部分が違っているのが分かるだろう。撮影時には元画像と生成画像の両方が保存されるので、写真の使用時にはジックリと検討することをオススメしたい。
AIの写真教官「カメラコーチ」
写真撮影に不慣れな人のための機能「カメラコーチ」が搭載された。これは被写体にレンズを向け、画面上部のカメラアイコンをタップすると、AIがシーンにあった撮影方法を教えてくれるというもの。日ごろからスマホで写真を撮っている人には必要ない機能だが、初心者には一定のニーズがあるかもしれない。シチュエーション次第では役に立つこともありそうだ。
「Pixel 10 Pro XL」でブラブラ実写スナップ
「Pixel」でのスナップ撮影は素晴らしい。毎回書いているが、電源ボタンのダブルクリックで即座に立ち上がるカメラが気持ちいい。それでいて遠くの被写体を手に取るように大きく撮ることも容易だ。また「夜景番長」の異名どおりナイトシーンの美しさも相変わらずである。新SoC「Google Tensor G5」によって描写も動作速度も十分で、使っていて楽しくなった。
「Pixel 10 Pro XL」まとめ
前モデルと比較すると劇的に変わった部分は少ないが、AIを活用した「超解像ズーム Pro」や「カメラコーチ」、編集機能で進化が見られた。使い勝手もキープコンセプトで、コンピュテーショナルフォトグラフィーのパイオニアとして熟成の域に達していることが証明されていると言えよう。

















































