三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
ライカならではのノスタルジックな写り! ソフトバンク「LEITZ PHONE 3」の撮影体験をレビュー
2024年4月24日 00:00
あの「Leitz Phone」の新型が登場した。「LEITZ PHONE 3」である。ベース機はシャープ製端末「AQUOS R8 pro」。ドイツのカメラメーカー「ライカ」の世界観をスマートフォンに持ち込んだ端末もこれで3世代目となった。
今までに発売された2つの端末と、本製品の仕様、スペックなど詳細は本誌別記事を参照していただきたい。
ベースはシャープ製「AQUOS R8 pro」
「LEITZ PHONE 3」は「AQUOS R8 pro」と同じく1型のイメージセンサーを搭載している。レンズはおなじみの「SUMMICRON 1:1.9/19 ASPH.」だ。シングルカメラ仕様で35mm版換算19mm相当の画角なのは先代モデルと変わらずである。
センサーの有効画素は4720万画素となるが、4つの画素を1つとして処理するピクセルビニング技術を採用しているので、デフォルトでの記録画素数は1180万画素だ(ハイレゾ撮影を使用すればフル画素での記録が可能になっている)。
大きな変更点は2点だ。
・ダイヤモンドパターンを施したレザー調外装
レンジファインダーのM型ライカのようなブライトフレーム風の撮影体験や、「The LFI Widget」、「Golden Hour Widget」、脱着式のメタル製レンズキャップも引き続き採用されている。
「LEITZ LOOKS」レンズ比較
では「LEITZ LOOKS」でのレンズ比較を見てみよう。「LEITZ LOOKS」モードでは3つのライカの代表的レンズの写りを楽しめるようになっている。
「SUMMILUX 28mm」「SUMMILUX 35mm」「NOCTILUX 50mm」の3本だ。
また今回の「LEITZ PHONE 3」から「可変絞り」が加わった。といっても実際に絞り羽根が装備されて動かせるわけではなく、コンピュテーショナルフォトグラフィーの効果として、あたかも絞り値を設定して撮影したような「雰囲気」を味わえるというものだ。他社機のポートレートモードでの「絞り値」表示だと考えればいいだろう。
「LEITZ LOOKS」色調比較
ライカのカラーサイエンスを反映した「LEITZ LOOKS」のフィルターも進化した。「ORIGINAL」「MONOCHROME」「CINEMA CLASSIC」「CINEMA CONTEMPORARY」フィルターに2つの「ENHANCED」「VIVID」という効果が加わった。写りはこんな感じだ。
「LEITZ PHONE 3」を持ってブラブラ実写スナップ
さて「LEITZ PHONE 3」を持ってあちこちをブラブラと撮影してみた。モードはもちろん「LEITZ LOOKS」で、「私、ライカで撮ってます!」と一目瞭然のウォーターマーク(Leitzロゴ)も入れてみた。独特の色調はライカらしいというかノスタルジックというか、撮影していて楽しくなったのはたしかだ。
とある建造物の壁を撮った。何気ない光景だが、ウォーターマーク(Leitzロゴ)が入るだけでちょっと見栄えがするのが不思議である。
この端末を持つと「スマホ」ではなく「カメラ」として被写体を向き合おうという気になる。ブライトフレームの影響なのだろうか? 街角の色にまで敏感になる。
写りはコンピュテーショナルフォトグラフィーがバリバリ、という感じではなくあくまでもデジカメ風だ。最新フラッグシップスマホで同じシーンを撮ると色鮮やかでもっと暗部が持ち上がるはずである。ここはライカが監修しているだけはあると感じた。
自分は「ENHANCED」が気に入った。ローキーに撮ってやると、濃厚な色合いとコントラストで絵に深みを与えてくれる。
ライカファンなら気になる機種!
ライカの世界観をスマートフォンフォトグラフィーに持ち込んだ「LEITZ PHONE」。3世代目となり、機能や描写に磨きがかかったが、若干ボケ感などに荒削りなところも見られた。ファームアップで解消することを期待したい。
端末の外装仕上げや高級感のあるレンズキャップ、ブライトフレームでの撮影体験など、ライカファンなら気になる機種に仕上がっていることは間違いない。「LEITZ LOOKS」でのノスタルジックな写りを体感したら、財布の紐が緩むかもしれない?