みんなのケータイ
「dアカウント」、デュアルSIM利用時の使いづらさが改善された?
2024年3月6日 00:00
dアカウント設定アプリが、デュアルSIM端末で使いづらいというのは以前本コーナーでも指摘したとおり。
筆者以外の著者からも、同様の指摘が相次いでいるが、あまり改善される様子がなかった。このような中、MWC Barcelonaへの出張で成田空港にいたときに、「Pixel 8」側に設定していたdアカウント設定アプリがいつの間にかアップデートされていることに気づいた。
Pixel側は楽天モバイル回線で無料ローミングする予定だったため、国内でログインしておけば、そのままの状態になる。メイン端末の「Galaxy Z Fold5」でSIMカードを入れ替えた際に、「スマホ認証」の鍵として使えるからだ。もしやと思い、Galaxy Z Fold5側の「ドコモアプリ管理」をチェックしてみたところ、アップデートの通知が来ていた。搭乗まで少し時間があったため、これを実行。Galaxy Z Fold5側も、新しいdアカウント設定アプリに切り替わった。
成田空港で試した限りでは、これまで指摘していたデュアルSIMの切り替えだけで、すぐにログアウトされてしまうといったことがなくなっていた。Galaxy Z Fold5にはドコモのeSIMとソフトバンクのSIMカードを入れ、主にソフトバンクでデータ通信していたが、ドコモ側に切り替えても再認証を促されることはなかった。これなら、頻繁にデータ通信するSIMカードを変更しても手間がかからない。デュアルSIMである以上、こうあるべきだと思う。
ただし、回線を切り替えてドコモメールを立ち上げると、設定がその都度初期化されてしまう。これが少々面倒。dアカウント設定アプリで再ログインが必要だったときよりは楽になっている一方で、アプリが対応しきれていない側面がある。そのほかのアプリは、そもそもdアカウント設定アプリが不要でパスキーを使っているなど、徐々に進化しているが、一部のアプリがそれに追いつけていない印象がある。
この挙動を見て、すっかりスマホ認証がなくなったのかと思いきや、スペイン・バルセロナに着いて、それが残っていることが分かってちょっと残念な気持ちになった。認証が解除されてしまったのは、データ通信用のSIMをソフトバンクからVodafoneに入れ替えたとき。トリガーが何になっているのかは検証しきれていないが、物理SIMの抜き差しまですると、認証を求められる可能性はある。
少々厄介なのが、そこからエラーで認証が進まないこと。Vodafone側のネットワーク側でログインしようとすると、いくらPixelでスマホ認証を通してもエラーが出てしまう。わざわざ検証のためにドコモ回線に切り替え、「世界そのままギガ」でデータ通信したらあっさりログインできたため、機能自体は正常なようだ。可能性として考えられるのは、海外事業者であるVodafoneの回線。海外回線には、ログイン時に何らかの制限をかけているのかもしれないが、調べてみた限り、特にそういった情報は公開されていなかった。
これでは、あまり前と変わらないなぁ……と思っていたが、なぜかもう1台使っていたiPhoneからdアカウントにログインしようとしたところ、エラーが出てログインに失敗していたはずのGalaxy Z Fold5にスマホ認証の通知が飛んできた。そのまま手続きを進めたところ、iPhone側も普通にログインができてしまった。また、本来であれば未ログイン状態では使えないはずのドコモメールも、しっかり受信できている。
ますます謎が深まってしまったが、Vodafone回線のままだと、やはりdアカウントの管理画面には進めず、エラーが出る。それはそれでどうかと思うものの、一応、サービスは使えているので実利用上の問題はない。ただ、この挙動は少々気持ち悪い。ユーザー認証というサービスの根幹に関わる部分なだけに、ドコモにはアップデートがあったらあったで、きちんとした説明を公開してほしいと感じている。