カメラの画面を被写体相手にも見せられるPixel Foldの「デュアル スクリーン プレビュー」

　前回の記事で紹介した、アプリの全画面表示が可能になったFeature Dropでは、Pixel Fold向けにもう1つ、「デュアル スクリーン プレビュー」というカメラ向けの機能が提供されています。

　元々Pixel Foldには、性能の高いアウトカメラと外側のディスプレイを使って自撮りする「背面カメラ セルフィー」という機能が搭載されていますが、デュアル スクリーン プレビューは、本体を開いた内側のディスプレイでカメラを撮影するときに、被写体となる相手にもカメラの画面が見えるようになるという機能。画面から見切れていないか、髪は乱れていないかというチェックを被写体側で行うことができます。

　使い方は本体を開いた状態でカメラを起動し、画面右のアイコンをタップして「デュアル スクリーン プレビュー」を選ぶだけ。自分にも相手にもカメラに何が映っているかわかるため、人が被写体の時にはとても便利。カメラに集中できない子供の撮影にも向いているかもしれません。

本体を開いて右側のアイコンから「デュアル スクリーン プレビュー」を選択

　背面カメラ セルフィーも便利な機能ではあったものの、以前にも指摘したとおり「撮影時に本体を持ちにくい」という課題がありました。一方、デュアル スクリーンプレビューは本体を開くため片手での撮影は難しいものの、持ち方は本体を開くだけなので簡単に使えます。

　そして地味に嬉しいのが、このデュアル スクリーン プレビューが「端末を開いて使う」理由になること。Pixel Foldの前に使っていたSurface Duo 2は外側にディスプレイがないため、スマホを使う時は必ず本体を開く必然性がありました。

　一方、Pixel Foldは外側のディスプレイが便利ではあるものの、基本的な操作はほとんど本体を開かず完結できてしまいます。カメラも閉じた状態の方が片手で持ちやすく、閉じた状態のほうがバッテリーも持つため、結果としてせっかくの折りたたみスマホを開いて使うシチュエーションは格段に減りました。

　もちろん、電子書籍を読むときやアプリを2つ同時に表示したいとき、スマホでビデオ会議するときなどは開いた状態の方が使いやすく、折りたたみスマホ自体の利便性は十二分以上に享受できているのですが、本体を開く機会が少なくなったことで「折りたたみスマホを使っている」状態を見せる機会が減り、Pixel Foldを使っているのに「折りたたみスマホ止めたんだ」と知人に言われることも少なくありません。

　個人的に折りたたみスマホは便利なスマホであると同時に、その便利さを多くの人に知ってほしいという気持ちも少なからずあるため、折りたたみスマホのデモンストレーションを行う機会が減ってしまったのは少なからず残念ではありました。

　しかしこのデュアル スクリーン プレビューは本体を開く必然性があるだけでなく、折りたたみならではの便利さを他の人にも伝えられるこの上ない機能。これからは知人を撮影するときに積極的に使っていきたいと思います。