Google Workspaceに移行＆アップグレードしたら、なぜか写真・動画のアップロードが無制限に

アップグレードしたら「保存容量に制限がありません」となった

　Googleから唐突に2割引でアップグレードできるというプロモーションを提案されたので、「Google Workspace Business Standard」に切り替えた。なんといっても2割引は大きい（ユーザーは自分1人だけど）。通常なら年間契約時は月額1360円（税込1496円）のところ、月額1088円（税込1197円）になるのだ。年間で3588円も違ってくる。おトクではないか！ まあ、1年後からは通常の月額1496円がかかるんだけど。

　このプロモーション、おそらくは以前の「G Suite」から、2020年10月にリブランディングした「Google Workspace」へ初めて移行するユーザー向けのキャンペーンみたいなものと思われる。1カ月後の年間契約の更新タイミングでGoogle Workspaceに強制的に移行することになっていたのだが（名前が変わるだけで機能やサービス内容は変わらない）、早めに手動で移行＆アップグレードしたらおトクにしてあげるよ、ということらしい。

管理画面で表示されたプロモーション。最初はGmailの画面で同じようにお知らせされた

2割引でストレージが2TBになるのに釣られてアップグレードした

　これまでは「G Suite Basic」を契約していたので、何もなければ同等の「Business Starter」に移行するのだけれど、上限30GBのストレージ容量のうち22GB以上を消費していたこともあって、「Business Standard」で得られるストレージ「1ユーザーあたり2TB」は安心感があった。他にもGoogle Meetのビデオ会議を録画・保存できるなどアップグレードによるメリットはいくつかあるものの、やはり大容量ストレージである。大容量ストレージはすべてを解決する。

　しかもこの「2TB」という容量は、組織全体で共用となるのもミソ。たとえば1アカウント増やせば合計4TBを2ユーザーで共用するわけだけれど、極端な話、1ユーザーが4TB使ってもいい。ユーザーごとの使用率に偏りがある中小・大企業にはありがたい仕組みだろう。筆者は1人会社なのであまり関係ないけれども。

　ところで、アップグレードしたことで1つ不思議な現象が発生した。なぜか「Google フォト」で「無制限の Google フォト ストレージ」と表示されるようになったのだ。アプリで見てみると、「元の画質」でのアップロードであっても「制限がありません」となっている。マジで？ そんなことってありうるの？

ふとWebブラウザーで「Google フォト」を開いてみると「無制限」になっていた

アプリでも「アカウントの保存容量」が「無制限」になっている

「元の画質」のところに「保存容量に制限がありません」との表示。うせやろ

　最初はスマートフォンがPixel 7 Proのせいなのかとも思った。「Google フォト」の容量無制限アップロードが廃止されて久しいが、Pixelシリーズのユーザーなら「保存容量の節約画質」（写真は16MPまで、動画はフルHD解像度まで）でアップロードする設定にしていれば、保存容量が無制限になるという特典があったからだ。しかし、それはPixel 5までが対象のはずだし、そもそも「元の画質」は無制限にならない。Pixel 7 Proかどうかは無関係だろう。

　それに、Googleの英語公式ブログを読んでも、Google フォトに関する制限は、Google Workspaceにも適用されるとのアナウンスしかない。つまり、「保存容量の節約画質」（High-quality）であっても容量にカウントされるはずなのだ。

Googleのブログでも、2021年6月以降、Google フォトに関する制限はGoogle Workspaceにも適用されるとある

　というわけで、試しに8GB超の4K動画を「元の画質」でアップロードすると、すぐに容量にカウントされた。しかし「保存容量の節約画質」にしてアップロードしてみるとカウントはされない。アプリ上の表記が間違っているのだろうか。それでもとにかく、「保存容量の節約画質」であれば今のところ無制限で使用できるようだ。「Business Standard」にしたことが影響しているのかどうかは、いくら探しても情報が見つからないのでわからないのだけれども……。謎である。とりあえずラッキーと思っておきたい。

8GB超の動画ファイルを「保存容量の節約画質」でアップロードしたら、カウントされず

　それはそれとして、いきなり残り容量が2TB近くに膨れ上がったので、さっそく有効活用するべく、ちょうど容量不足になりつつあった個人の無料Googleアカウントの写真・動画を移してみることにした。

　Googleアカウントから別のGoogleアカウント（Google Workspace）への写真・動画の移行は、わりと簡単だ。スマートフォンで「Google フォト」アプリを開き、移行元のアカウントで移行先のアカウントを「共有パートナー」として設定する。それから移行先アカウントに切り替えて、共有された写真・動画をダウンロードするだけだ。

「Google フォト」アプリで「共有」を選択、「パートナーと共有」をタップ

招待するユーザーを選択したら「確認」

移行先のアカウントに切り替えて「パートナーとの共有」と表示されているところをタップ

共有されたファイルを選択して右上のダウンロードアイコンをタップすれば完了。ファイル選択はせいぜい月単位なので面倒

　ただ、ファイル選択するときは1ファイル～月単位でしか選べない。何年分もダウンロードしようとすると延々スクロールしながらチェックを入れていかなければならず、激しく面倒だ。ここは「全選択」させてほしいと強く感じるところだが、それさえ終わればあっさり移行が完了する。最後に「Google フォト」の写真・動画の自動アップロード設定を移行先アカウントに切り替えておこう。

　これでしばらくはストレージ不足に悩まされることはない、と思う。「保存容量の節約画質」にすれば、ほとんど半永久的に（人生引退まで？）このまま使い続けられそうだが、果たして……。