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3年ぶりのIFA2022でTecnoの「光で本体色の変わるスマホ」を見てきた

 2022年9月2日から6日までドイツ・ベルリンで開催されたIFA2022を取材してきました。展示会場を使った開催は3年ぶりであり、スマートフォン関連でも気になる展示がいくつか見られました。その中でも注目はTecnoのとあるスマートフォン。Tecnoは中国Transsionが展開する複数のスマートフォンブランドのうちの1つで、アフリカなど新興国で人気のメーカーです。

IFA2022に出展したTecno

 Tecnoのスマートフォンは日本では知られていませんが、年々性能と本体仕上げを高めており、先進国でも通用するレベルの端末も出しています。上位モデルとなる「Camon 19 Pro」はチップセットこそ4GのメディアテックHelio G96ですが、6.8インチ2460x1080ピクセルのディスプレイに、6400万画素広角+5000満画素超広角+200万画素深度測定カメラを搭載。フロントカメラも3200万画素とカメラはかなり高性能です。

上位モデルのCamon 19 Pro

 このCamon 19 Proの派生モデル「Tecno Camon 19 Pro Mondrian Edition」は珍しい機能を搭載しています。それは背面の色を変えることができるのです。Mondrianの名前はオランダのピート・モンドリアン(Piet Mondrian)から付けられたもので、同氏の抽象絵画デザインを見たことのある人もいるでしょう。Camon 19 Pro Mondrian Editionはそのデザインをモチーフにした背面デザインになっています。

Camon 19 Pro Mondrian Editionの背面デザイン

 この背面の塗料にはPolychromatic Photoisomer Technologyが使われています。これは太陽光を当てることで分子結合を分解できるというもの。簡単に言えば太陽光を当てることで塗料の色を変えることができるのです。つまり室内から屋外に出ると背面の色が変色します。Camon 19 Pro Mondrian Editionの背面は普段は真っ白の格子模様ですが、外に持ち出すと水色と紫の色が浮かび上がります。

室内では白い背面が、屋外ではカラフルに変化する

 色のパターンはあらかじめ決まっているものだけであり、これ以外の色に変化するわけではありません。しかし自分の使う場所によって本体の色が自動的に変わるというのも面白いものです。屋外の日差しが日本よりもきびしいアフリカだけに、このように太陽光で色変するという機能は日々楽しんで使われるのではないでしょうか。

屋外から室内へ戻る。退色の変化はややゆっくりしている

 それにしても世界でもまだ珍しい「背面色の変わる技術」が新興国向けの製品に展開されているとは驚きです。シャオミのスマートフォンも十分低価格ですが、さらに高いコスパを誇るTecnoのスマートフォン、新興国だけではなくいずれ先進国でも見られるようになるかもしれません。