石川温の「スマホ業界 Watch」

M4搭載「iPad Air」実機レビュー、仕事もスポーツ観戦もこなせる「賢い選択肢」な1台

 アップルは3月11日にiPad Airを発売する。11インチモデルと13インチモデルがあり、価格は9万8800円~となる。発売前となるが、13インチモデルを入手して、試用したのでレビューをお届けしたい。

 今回のアップデートでは見た目の進化はほとんどない。ただ、チップがM4となったことで、M1搭載のiPad Airと比べて2.3倍、高速になったという。Geekbench 6でベンチマークを取ったところ、シングルコアが3651、マルチコアが12168、GPUが52414であった。

Geekbench 6での比較
製品名CPU シングルコアCPUデュアルコアGPU
iPad Air(M4)36511216852414
iPad Pro(M4)37541378156472
iPad(A16)2719661420274

 手元にあったM4搭載のiPad Pro、A16を搭載したiPadでもベンチマークをとったところ、iPad Proではシングルコアが3754、マルチコアが13781、GPUが52414、iPadがシングルコアは2719、マルチコアは6614、GPUは20274であった。

iPad Airはどんなユースケースにぴったり?

 iPadに関してはラインナップが豊富であるため、正直言って「どれを買うべきか」が悩ましかったりする。

 無印のiPadはまさにエントリーモデルと言えるだろう。価格は5万8800円~と他のiPadに比べるとなんとか手が届きやすい価格帯だ。我が家では昨年、子供用としてiPadを購入。毎日、YouTubeを見たり「にゃんこ大戦争」というゲーム、さらには漢字アプリも使っている。この程度の用途であれば、無印のiPadで十分であろう。

 一方、個人的にはM4搭載のiPad Proを使っている。

 外出先で原稿を書いたり、記者会見を取材した動画を編集したり、写真編集など、かなり負荷の高い仕事もこなしている。最近では、スペイン・バルセロナで開催された通信関連見本市「MWC26」の会場で、iPad Proにソニーのデジカメ「α7C」をUSB-Cケーブルで接続。会場の様子をライブ配信するというのにも使用した。通信回線は現地のキャリアであるボーダフォンのeSIMで、90GBを10ユーロで事前に購入。1時間を超える配信であったが、画質もクリアで安定したクオリティであった。

 iPad Pro一台で、1時間を超える映像中継ができてしまうのだから、大したものだ。

 ただ、iPad Proはその名の通り「Pro」向けのスペック、価格帯であるため、正直言って、幅広い人にはオススメしない。やはり「ハイスペックなデバイスがないと仕事にならない人」向けと言える。カメラマンやデザイナーが出先で仕事をしたいというのに適したデバイスと言えるだろう。

 一方で、iPad Airは「幅広い人向けのiPad」と言える。

 キーボードやペンを併用して、ちょっと文書を書きたい、プレゼン資料を作りたいという人向けなのだ。

 実際に今回のM4を搭載したiPad Airを使ってみたが、画像編集の「Pixelmator Pro」、動画編集「Final Cut Pro」、文書作成「Pages」、プレゼン制作「Keynote」など、仕事で使うアプリもサクサクと動かせた。

 また、最近は映像を見ようと思うと、テレビではなくタブレットを使う機会が増えてきたように思う。直近でも、WBCは地上波テレビではなく、Netflixというアプリで視聴しなければならないようになってしまった。

 当然、アプリが使えるスマートテレビで視聴するのもいいが、iPad Airがあれば、家の中、どこででも見られるというメリットがある。

 WBCやF1の開幕戦が行われた週末は、スペイン・サンセバスチャンに滞在していたのだが、ローミングが使えるpovoのeSIMを入れたiPad Proを使い、どちらも視聴することができた。

 いつでもどこでも、いつもと変わらない環境で仕事したり、お気に入りのコンテンツを視聴したりできるという点においても、iPad ProやiPad Airが一台、手元にあると使い勝手が格段に上がると言えそうだ。

今「iPad」を買うなら

 今回、iPad AirにM4が搭載されたことで、俄然、処理性能が上がった。

 ディスプレイやカメラなど、iPad Proに比べると、スペックにおいて多少の違いは存在する。しかし、多くの人にとって、iPad Airのスペックで十分だと考えられる。

 いまからiPadを買い換える、あるいは仕事や趣味に積極的に使いたいという人であれば、iPad Airを選べば、間違いのない買い物と言えるだろう。

石川 温

スマホ/ケータイジャーナリスト。月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。