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「AQUOS R7」の新たな1インチセンサーで感じた先代モデルからの進化

【AQUOS R7】

 「夏商戦」という言葉が過去のものになろうとしているが、ようやく各Androidメーカーのフラグシップモデルが出そろった。Snapdragon 8 gen1搭載機種でどれを選ぶべきか。悩んだあげく、今年はシャープ「AQUOS R7」を購入した。

 実は昨年もAQUOS R6を意気揚々と買っていたのだが、使い続けるにつれ「うーん」という気持ちになっていった。

 AQUOS R6は某社の高級コンパクトデジカメでも使われている1インチセンサーを詰め込んだシャープの意欲作であった。もともと、某社のコンパクトデジカメの愛用者であり、1インチセンサーの素晴らしさに惚れ込んでいたこともあり、発表されたときから「買う」と決めていたのだ。

 ただ、実際にあれこれ撮影してみると、料理を撮影する際、被写体に寄ってもピントが合わなかったり、動き回る子ども(当時は4歳児)を撮影しようと思っても、ピントが合わなかったりと「スマホで撮りたいシーンに弱い」という不満が溜まっていったのであった。

 おそらく、高級コンパクトデジカメで使われている1インチセンサーは、じっくりと腰を据え、脇を締めて、ほぼ微動だにしない風景などを撮影する際には威力を発揮する。しかし、「ちょっと撮影したい」という、日常の一瞬を切り取りたいというスマホの撮影シーンを満たすものとは、やや乖離があるようなのだ。

 そんななか、シャープは、新たにスマートフォン向けに開発された1インチセンサーを「AQUOS R7」に載せてきた。発売前に試す機会をもらい、めちゃくちゃ暗いレストランや、夜間のお台場、普段のランチや、動き回る子ども(いまは5歳児)を撮影してみたが、前モデルの弱点は完璧に改善されていた。様々なシーンで1インチセンサーの良さが発揮されているように感じた。

 また、個人的に気に入っているのが本体デザイン。高級感があり(ま、本体価格が19万円もするんだから、高級感はないと逆に困る)、質感が高く、いい意味で「これまでのシャープとは異なる印象」というのが何ともいいのだ。関係者によれば、ライカとタッグを組んだことで、いろいろと刺激を受けている模様だ。

 ちなみに先日、Xiaomiも1インチセンサーを搭載し、ライカと共同開発した「Xiaomi 12S Ultra」を発売しているが、どうやらセンサーは同じもののようだ。シャープはメーカーは非公表で約4720万画素、Xiaomiはソニー「IMX989」、5030万画素と明らかにしているが、センサーの使い方や、業界団体の決まりで、画素数の公表の仕方に違いが出てくるようだ。

 いずれにしても、今後、フラグシップモデルのカメラは1インチセンサーでの戦いになってくるだけに、いち早く1インチに挑戦してきたシャープが、どれだけアドバンテージを発揮できるか。「AQUOS R7」であれこれ撮影しつつ、今後のスマホカメラ戦争の行方にも注目しておきたい。