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シャオミのライカスマホ「Xiaomi 12S Ultra」をパナソニック「CM1」と比較

 シャオミから登場した「Xiaomi 12S Ultra」はシャオミ初となるライカとの協業カメラを搭載したスマートフォンです。同時に発売された「Xiaomi 12S」、「Xiaomi 12S Pro」もライカカメラモデルですが、最上位モデルの「Xiaomi 12S Ultra」は1型センサーとなるソニーのIMX989を搭載しています。1型センサーと聞くとシャープの「AQUOS R6」や「R7」が先に搭載をしており、両メーカーのカメラ性能の差が気になる人も多いでしょう。

 しかし「Xiaomi 12S Ultra」はカメラ性能に優れているだけではなく、カメラを思わせる質感に仕上げていることも特徴です。このカメラ風のデザインで、しかも1型センサーを搭載したスマートフォンは今から8年前、2014年にパナソニックが「LUMIX DMC-CM1」を発表しています(以下CM1と表記)。筆者も「Xiaomi 12S Ultra」の発表会で実機が披露された瞬間に「AQUOS R7のライバル」と思うよりも「CM1の再来だ!」と先に感じました。ということで今回はCM1と外観の比較を行ってみました。

上からパナソニックCM10、シャオミ「Xiaomi 12S Ultra」、パナソニックCM1

 CM1は2014年に海外で発売になり、その後日本でも2015年にSIMフリーモデルとして登場。2016年には通話機能を省いたマイナーチェンジモデルとして「LUMIX DMC-CM10」(以下CM10と表記)が登場しました。筆者はCM1を3年近く「カメラ」として使いましたが、酷使したおかげで外観は傷だらけ。そのため今回はそのあとで入手したCM10と「Xiaomi 12S Ultra」を比較します。なお筆者のCM10はカメラ周りをブラックの別パーツに換装しています。

CM10と「Xiaomi 12S Ultra」

 「AQOUS R7」を「Xiaomi 12S Ultra」のライバルと思えないのは外観の違いです。CM10を見るとボディーはカメラ風の革調の仕上げになっています。CM1 / CM10発売時の記事を探してみると素材は書かれていませんが、樹脂にシボ加工したもののように思えます。そもそもCM1 / CM10はスマートフォンというよりも「LTE通信機能とAndroid OSを搭載した小型のデジカメ」として登場したため、外観もカメラに近く仕上げているわけです。一方「Xiaomi 12S Ultra」はここ数年スマートフォンの外観を高級な革張り風に仕上げる素材としてメジャーなビーガンレザーを採用しています。そのため肌触りは「Xiaomi 12S Ultra」のほうがCM1 / CM10より若干柔らかい印象です。

「Xiaomi 12S Ultra」とCM10。どちらもカメラのような外観と肌ざわり

本体のデザインも大きく違います。「Xiaomi 12S Ultra」はスマートフォンですから、厚さは最薄部で9.1mm。CM1 / CM10は21.1mm。ただしカメラであるCM1 / CM10は側面に大型のシャッターボタンやスライド式のカメラ起動スイッチなども備えます。CM1 / CM10は小さいボディーながらカメラとして使いやすくなっているのです。

「Xiaomi 12S Ultra」とCM10を上部から見る

 レンズ周りのデザインは、やはり円形にすることでカメラっぽく見えます。「AQUOS R7」も円形に仕上げているもののサイズは控えめ。このあたりはライカのLeitz Phone 1の背面を見るとわかるように、やはりカメラのデザインに寄せるためにはレンズ部分は大きな円形に仕上げるのがいいのでしょう。

どちらのモデルもカメラを思わせるレンズ周りのデザイン

 カメラ・レンズ部分のでっぱりは「Xiaomi 12S Ultra」はだいぶ抑えています。このあたりは8年の技術進化の差を感じるところでしょうか。とはいえCM1 / CM10はレンズ周りのベゼル部分が回転式になっているなど、カメラとしてこの部分は設計されています。そのため両者の形状の差は技術の差というよりも設計段階の思想の差の表れでもあるでしょう。

カメラ部分のでっぱりは大きく違うが、CM10はベゼルを回せる設計になっている

 なおCM1 / CM10はカメラを起動するとレンズが数ミリ繰り出します。実際にCM1 / CM10を使うとこの辺りも「カメラだなあ」と思わせてくれるところです。

CM10のカメラを起動。レンズが前に繰り出す

 スマートフォンのカメラは今でもまだ進化が続いていますが、「Xiaomi 12S Ultra」は性能だけではなく外観もカメラのようなデザインにしており、持っていると「いい写真を撮りたい」と常に思わせてくれます。今後はさらにカメラっぽいデザインに寄せた製品も出てくるかもしれませんね。