みんなのケータイ

スマートグラス「Nreal Air」のレンズを求めてJUN GINZAにお邪魔しました

 この10年、いろんなところでスマートグラスやヘッドマウントディスプレイを試してきました。取材先や展示会など、「スマートフォンの次」としてスマートグラスが注目されていた時期もありました。

 個人的には10年ほど前、グーグルの開発者イベント「Google I/O」を取材した際、Google Glassが発表され、欲しくて1500ドルを出してなんとか購入したこともありました。

 Google Glassは本当に未来を先取りしている感じでしたが、グーグルとしては一般向けには上手くいかなかったと判断したようで、法人向けにシフトしてしまいました。

 その後もスマートグラスを使った実証実験などにも参加しましたが、見やすさやユーザーインターフェースがお世辞にもよくできているとは言えず、スマートグラスの未来を悲観するようになってしまいました。

 そんななか、「これなら実用性があるかも」と試した後に即、購入したのがNrealの「Nreal Air」でした。

 見た目は普通のサングラスと変わりません。USB-CケーブルでAndroidスマートフォン(自分の場合はXperia PRO-I)に接続することで、NetflixやDAZNを目の前に大画面が広がるように視聴することができます。映画館のような迫力はないが、80インチぐらいのテレビを見ている感覚にはなれます。

 実際に使ってみて感じたのが、軽量なので、長時間、装着していても疲れないという点です。この手のヘッドマウントディスプレイは、これまではとにかく重くて、長時間、装着できない点が課題でした。少なくとも、Nreal Airは重くて使いづらいことはありません。普通に映画が楽しめる装着感なのです。

 スマートグラスやヘッドマウントディスプレイを試す際、厄介なのが自分が「メガネっ子」だとう点です。メガネをかけているとどうしてもちょっとズレてしまったり、うまく視点が合わなかったりするということがあるのです。

 しかし、Nreal Airの場合、普段、かけているメガネをつけている上にNreal Airをかけても、うまいことハマり、ちゃんと使えるのが嬉しいです。

 Nreal AirにはMRモードとして、仮想デスクトップを目の前に表示させ、スマートフォンの画面をタッチパッド代わりにして、操作し、YouTubeなどを起動することもできます。しかし、お世辞にも操作性がいいとは言えず、もうちょっと改善が必要かな、という気がしています。

 Nreal Airは、MRモードであれこれ複雑なことはせず、スマートフォンのディスプレイとして、目の前に広がる大画面を楽しむ、という割り切った使い方がちょうどいいような気がしています。今後、海外出張の際には、機内で映画などを見てみたいと思っているところです。

 ちなみにNreal Airには視力補正アダプタが付属しており、「JUN GINZA」というお店で自分の視力にあったレンズを購入することも可能です。お店に自分が使っているメガネを送ると、その視力と同じレンズを作って送り返してくれます。

 しかし、今回は実際に東京・銀座にあるJUN GINZAさんにお邪魔し、レンズを購入することにしました。

 JUN GINZAさん、カスタマイズのメガネを作ることで定評があるようで、ド派手なパフォーマンスでおなじみ、今年、プロ野球監督デビューしたB・Bさんのメガネを長年、手がけているとのこと。

 Nreal Air向けのレンズはすでに300枚近く、オーダーを受けているといいます。最近ではNreal Air以外のARデバイスのレンズも手がけているようです。

 お店にお邪魔して、最近、老眼が進んでいる視力を測定してもらいつつ、どのレンズを選んだらいいかなど、いろいろと相談に乗ってもらいました。

 単にメガネの度を合わせるというだけでなく、「ARデバイスと自分の眼にあったレンズ選び」が重要になるようです。視力測定から支払い、お店を出るまで40分ほどかかりました。

 ネット注文より、お店に直接、予約して行った方が、早めにレンズを作ってくれるようです。ちなみに自分はお店を訪れてから5日後に受け取れるとのこと。

 10年程前、Google Glassに合うレンズを作ってくれるメガネやさんを探すのに結構、苦労した記憶があるのですが、こうしたメガネ屋さんが出てきたのは頼もしい限りです。