みんなのケータイ
ファーウェイ「P50 Pro」を5G対応にするケースが登場
2022年5月23日 00:00
筆者は普段から複数の端末を使い分けていますが、昨年夏に購入したファーウェイの「P50 Pro」は今でも常用しています。グーグルサービスは非対応ですがカメラ性能は今でも十分高く、DXOmarkでもランキングはまだ2位。個人的には夜景撮影はP50 Proの右に出るものはないと思っています。
香港在住の筆者はP50 ProにプリペイドSIMを入れて運用していますが、大きな不満点があります。チップセットにKirin 9000を搭載しているものの、通信モデムは5Gではなく4Gまでの対応となっており、5Gが利用できないのです。これはアメリカ政府の制裁の影響を受けたものであり、しばらく状況が打破される見通しは立っていません。
ファーウェイからはつい先日、外折り式のスマートフォン「Mate Xs 2」も発表されましたが、Snapdragon 888で4Gという仕様。グーグル非対応で購入の敷居が高いうえに、高価なハイエンドモデルにもかかわらず5G非対応となると手が出しにくいものです。
ところが4Gしか利用できないP50 Proを5G対応にするアクセサリが登場します。それは5Gモデムを搭載した外付けのケース。これを本体に装着すると5G通信が利用可能になると言う面白いアイテムです。発売は6月の予定で799元、約1万6000円。筆者は現在日本に長期滞在中ですが、6月末に香港に帰国するので戻り次第入手したいと思っています。
このケース型の5Gモデムを販売するのはSoyea Technology。同社はモバイルネットワークを使ったソリューションを展開しており、ファーウェイのモデムを使ったCPEのB2B展開なども行っています。P50シリーズは今でも中国で多くのユーザーがいることもあり、5G通信を望む声も高いのかもしれません。もしかするとファーウェイとの関係からこのようなケースを出すことを決めたのかもしれません。
まだ断片的な情報しかありませんが、ケースの重量は52g、SIMカードスロットはなくeSIMのみに対応します。5GモデムはNR方式のSAがn1 / n3 / n28 / n41 / n77 / n78 / n79、NSAはB3＋n41 / B3＋n78 / B3 ＋ n79 / B1 ＋n78 / B39＋n41 / B41＋n79 / B39 ＋ n79 / B5＋n78 / B8＋n78に対応。
モデムコントロールのために1.35GHz駆動のCPUも搭載しているとのこと。製品説明を見ると専用アプリを使っているようなので、中国以外のキャリアのeSIMも動くかもしれません。このあたりはぜひ動作確認してみたいものです。
なかなか夢のような製品ですが、気になるのは電力供給です。筆者は今、P50 Pocketに「LEDリングライトケース」を装着しています。これは自撮りや暗いところで顔を照らす、折り畳み式のLEDライトが内蔵されたケースで、P50 Pro本体からワイヤレス給電で電力を供給します。LEDとはいえライトはかなり電力を使うので、これをつけてライブ配信をするとみるみるとP50 Proの電池が減っていきます。
5Gモデムケースはライト以上に電力が必要でしょう。ケースと本体はUSB端子で接続されますが、本体からの給電では間に合わなくなるかもしれません。製品ページを見るとUSBケーブルが接続された写真があり、どうやら5G通信使用時は外部給電により電力を供給する必要があるようです。モバイルバッテリーが必須というわけですね。持ち運ぶ荷物が増えますが、それでもP50 Proで5Gが利用できるならぜひ入手したいものです。
さてこの手の製品、実はモトローラが合体式スマートフォンのアクセサリ「moto mods」の一製品として「5G moto mod」を出したことがありました。5G黎明期の製品であり、あまり売れなかったようですが、合体モジュールで機能拡張できるというアイディアは優れていました。
さて現在のファーウェイのスマートフォン事業は年に数機種しか新製品をリリースできておらず、いずれも4G製品です。実際に使ってみないと利便性はわからないものの、ぜひ他の製品に対応するケースもリリースしてほしいものです。